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中国語「给」の使い方|動詞・前置詞・補語の3パターン

更新: 中村 大輝
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中国語「给」の使い方|動詞・前置詞・補語の3パターン

中国語の「给(gěi)」は、動詞・前置詞・結果補語として働く多機能語で、学習者が最初に戸惑いやすい品詞の一つです。中国赴任1年目に「我打电话你」と言って同僚に笑われたことがありましたが、そこで初めて、給は「人へ向かう矢印」を軸に見れば、動詞なら「我给你一本书」、前置詞なら「我给你打电话」、

中国語の「给(gěi)」は、動詞・前置詞・結果補語として働く多機能語で、学習者が最初に戸惑いやすい品詞の一つです。
中国赴任1年目に「我打电话你」と言って同僚に笑われたことがありましたが、そこで初めて、給は「人へ向かう矢印」を軸に見れば、動詞なら「我给你一本书」、前置詞なら「我给你打电话」、補語なら「送给他」と整理できるのだと腹落ちしました。
発音も同時に押さえておくと迷いが減り、給は第3声の gěi で、3声が続く「给你」では前が変調して「géi nǐ」に近くなるため、読み方と語順を一緒に覚えるのがおすすめです。
この記事では、給の3つの役割を見分けながら、給の省略、给前置と動詞+给の焦点差、为/对との違いまで、実際に使える形でしましょう。

「给」は3つの顔を持つ|声調とコアイメージ早見表

给は第3声の gěi で、単独では低く下がってから上がる音です。
最初にここを押さえるだけで、見慣れない文でも「give なのか、前置詞なのか、着点を示す補語なのか」を追いやすくなります。
さらに「给你」のように第3声が連続すると、前の给は第2声化して実際には「géi nǐ」と発音されます。
耳で聞いた形と字面がずれるので、学習初期はここで止まりがちです。

「给」の読み方(第3声)と連続3声の変調

给の読み方は、まず声調で切り分けるのが近道です。
第3声は単独だと一度しっかり沈み、そのあと持ち上がる音なので、平たい音として覚えると崩れます。
学習初期に「给=あげる」とだけ入れていた時期、给你打电话がうまく訳せず固まったことがありましたが、声調と用法を分けて整理すると、文の骨組みが見え始めました。
中国語では音が意味の入口になるので、読み方の段階で止まらないことが、そのまま読解の速度につながります。

コアイメージは「人へ向かう矢印」

给の核は「人へ向かう矢印」です。
渡す物でも、送る動作でも、視線はいつも「だれに向かうか」に集まります。
赴任先で辞書の给の項目が用法別に長く並んでいて面食らったことがありましたが、この矢印の感覚に戻して覚え直すと混乱が消えました。
矢印の先は原則として人で、物や抽象概念そのものを相手にする場面は多くありません。
だからこそ、给を見たら「対象は人か」を先に確認してみてください。
そこが見えると、给がただの単語ではなく、文の向きそのものを決める語だとわかります。

動詞・前置詞・補語の3パターン早見表

给には大きく3つの顔があります。
動詞なら「あげる/くれる」にあたり、前置詞なら「〜に」を示し、補語なら動作の着点を後ろから受け止めます。
学習者はここを別々の単語だと思いがちですが、実際は矢印をどこに置くかの違いにすぎません。
物を渡すのが動詞、動作の相手を先に示すのが前置詞、動作の到達点を後ろで示すのが補語です。

用法役割早見ポイント
動詞主語+给+人+物授与・受け渡し人が先、物が後
前置詞主語+给+人+動詞相手を先に示す给の後ろに人、そのあと動詞
補語主語+動詞+给+人着点・到達先を示す動詞のあとに给が来る

この3分類で見ると、给你打电话は「あなたに電話する」という相手強調の形になり、送给・递给・交给のような語は「渡す」の着点を明確にします。
給をあげるだけで覚えるより、語順ごと丸ごと押さえたほうが実際の文は速く読めます。
おすすめです。
前の給が人を指し、後ろの給が動作の行き先を受ける。
この一本の線でつなぐと、給の迷いはかなり減るでしょう。

パターン①動詞の「给」|二重目的語で「〜に〜をあげる/くれる」

给(gěi)は、まず「人へ向かう矢印」を持つ動詞として押さえると整理しやすいです。
基本形は主語+给+人+物で、我给你一本书なら「私はあなたに本を1冊あげる」という意味になります。
ここでは、誰に向かって何が渡るのかを一続きで捉えることが核心です。

基本形は「给+人+物」

动詞の给は、日本語の「あげる/くれる/やる」にまたがる用法を持ち、二重目的語をそのまま並べます。
我给你一本书の形では、先に相手の人が来て、そのあとに渡す物が続くため、文全体の向きがはっきり見えるのです。
HSK学習中に给を「あげる」一択で覚えると、你给我を見たときに「あなたにあげる」と誤読しやすくなりますが、実際には主語と矢印の向きで読むのが正解です。

赴任先で同僚に資料を渡す場面でも、この語順はそのまま役に立ちます。
我给你这份资料と口に出せるようになるまで、给+人+物の順で何度も反復しておくと、会話の中で迷いが減ります。
単語を訳語で暗記するより、誰から誰へ何が動くのかを構文ごと覚えたほうが、実戦ではずっと使いやすいでしょう。

語順は固定

给の二重目的語では、人が先、物が後という順序が崩れません。
这本书给你のように語順を入れ替えると、もはや同じ構文としては読めないので、二重目的語としての给を使うときは「人→物」を固定で置く必要があります。
中国語では、語順そのものが意味を運ぶため、位置を変えるだけで文の見え方が大きく変わるのです。

さらに、この「物」は本やペンのような具体物に限りません。
我想给王老师一个惊喜のように、惊喜のような事柄も後ろに置けます。
ただし、矢印の先が王老师である点は変わらず、あくまで「誰に届くか」を先に示す構造です。
授受のイメージを保ったまま、物の中身だけが広がっていくと考えると。

ℹ️ Note

语順を外すと意味の取り違えが起きやすいので、読むときも話すときも、まず人、そのあとに物、という順で固定してしまうのがおすすめです。

二重目的語をとれる動詞は限られる

二重目的語を並べられる動詞は、给だけではありません。
告诉・教・送・借・还・问・找などが代表で、どの動詞でも人と物を自由に並べられるわけではないのです。
ここを混同すると、文法の形だけ似ていても使えない文を作りやすくなります。

たとえば、给のように「渡す」意味を持つ動詞は、人と物を両方取れますが、すべての動詞が同じふるまいをするわけではありません。
学習段階では、まず限られた代表動詞を固めてから、どの動詞が二重目的語を許すのかを見分ける練習をしましょう。
给を起点に構文の範囲をつかんでおくと、他の授受動詞にも応用しやすくなります。

また、「あげる」か「くれる」かは给そのものでは決まりません。
我给你なら「私があなたにあげる」、你给我なら「あなたが私にくれる」となるように、主語と矢印の向きで日本語の授受が決まります。
给はあくまで向かう先を示す部品であり、誰を中心に見るかは文の主語が決める、と押さえておくと迷いにくいです。

パターン②前置詞の「给」|「给+人+動詞」で動作の相手を示す

给を使う前置詞構文は、動作の相手を先に示してから動詞を置くのが核になります。
基本形は「主語+给+人+動詞」で、我给你打电话のように「あなたに電話する」という向きがひと目で決まる形です。
給は物を渡す語ではなく、誰に向けてその動作を行うのかを明示する語だと押さえると、使い方がぐっと安定します。

基本形は「给+人+動詞」で動作の相手を示す

前置詞の给は「〜に対して」という向きを持ち、動作の受け手を動詞の前で示します。
だから我给你打电话は「私はあなたに電話する」、你给她打电话了吗?は「彼女に電話した?」という意味になり、相手が文の中で先に固定されます。
ここでの给は「渡す」ではなく、動作の矢印をどこへ向けるかを決める役割です。
この語順が安定しないと、聞き手は「何をするのか」より先に「誰にするのか」で迷います。
给+人+動詞を一つの型として覚えると、电话、写信、发消息のような表現が連続して整理でき、使うたびに文を組み立て直す負担が減ります。
筆者も赴任初日に上司へ「あとで電話します」と伝えようとして、我打电话你と言って通じず、我给你打电话に直してから一気に自然になりました。

打电话・写信など「相手のいる動作」と相性がいい

给は、相手がある動作と結びつくときにとくに使いやすいです。
打电话、写信、发消息、买のような動作は、誰に向けるか、誰のために行うかがはっきりしているため、给+人+動詞の形に収まりやすくなります。
我偷偷给她买了一块蛋糕のように言えば、「母の誕生日に、こっそり彼女にケーキを買ってあげた」という受益のニュアンスまで含められます。
このときの重点は、単に「買う」ではなく、「誰かのために買う」という向きが文の中に入ることです。
微信で给你发消息の表現を日常的に打っていると、给+人+動詞の順がそのまま手になじみます。
相手のいる行為ほど、给は自然に働くのです。
打电话や写信でまず型を固めて、发消息にも広げていくと覚えやすいでしょう。

給を動詞の前に置くと動作そのものを強調する

给が動詞の前に来るのは、相手より先に「何をするか」を前へ出すためです。
相手はすでに分かっている前提で、電話する、送る、買うといった行為そのものに視線が集まります。
語順が変わるだけで、文の焦点が変わるのが前置詞给の面白いところです。
また、给は原則として省けません。
给你打电话から给を抜くと、動作の向きが見えなくなり、誰に電話するのかが曖昧になります。
微信で给你发消息を何度も使っているうちに、給は単なる小さな語ではなく、動作の相手を支える必須パーツだと体で覚えられるはずです。
まずは「给+人+動詞」の順で言ってみてください。
少しずつ、でも確実に定着します。

パターン③補語の「给」|「動詞+给+人」で受け渡しの着点を示す

给は動詞の後ろに置かれ、動作の結果として「だれのところへ届いたか」を示します。
だから「主語+動詞+给+人」という形になると、単なる動作説明ではなく、授与や受け渡しの着点まで一息で言い切れます。
那套纪念邮票我送给他妹妹了のように、送る行為の先に「彼の妹へ」がはっきり立つのがこの構文の核です。
V+给全体でひとまとまりの授与表現になり、Vが行為、给が方向を分担する、と整理すると見通しがよくなります。

基本形は「動詞+给+人」で受け渡しの着点

補語の给は、動詞の後ろで結果の到達点を示すので、話し手は「何をしたか」だけでなく「それが誰に向かったか」まで自然に伝えられます。
主語+動詞+给+人という並びは、中国語の受け渡し表現を支える基本形です。
那套纪念邮票我送给他妹妹了の一文では、送るという行為の内容は送で、妹に渡ったという着点は给が受け持っています。
だからこそ、给は単なる前置詞のように添えられているのではなく、動作の結果を締めくくる役割を持つのです。

この分業が見えると、給は「授与」を表す共通の骨格だとわかります。
送る、手渡す、郵送する、売る、貸すといった行為の違いはV側にあり、给はどれも「相手に届く」という方向を足します。
学習者がここを押さえると、語彙を丸暗記しなくても、動詞の意味と着点の関係から文を組み立てやすくなります。
ビジネスでも日常会話でも使い回しやすいので。

送给・递给・交给・寄给の使い分け

送给は、相手に何かを贈る場面で最も自然です。
気持ちや好意が前に出るため、記念品、プレゼント、祝福のような文脈と相性がいいでしょう。
递给は近距離で手から手へ渡すイメージが強く、目の前の相手に資料やペンを差し出すような場面に向きます。
交给は、書類や責任、管理を正式に引き渡す、あるいは委ねる感触があり、受け渡しの重みが増します。
寄给は郵送で相手に送る形で、物理的に離れた相手へ届ける点が特徴です。
发给は少し性格が違い、まとめて送信する場面でよく使われます。
微信で写真をまとめて发给同事と毎日使っていると、動詞+给+人の語順が手の動きのように自然に出てくるはずです。

筆者自身、赴任先で書類の引き継ぎをしたとき、把资料交给你と言うべきところを送给と混同したことがあります。
そのときに初めて、送给は贈与の温度があり、交给は任せる・預ける重さがあるのだと体で覚えました。
似て見える語でも、相手に何を渡すのか、どんな関係性なのかで選ぶ動詞は変わります。
递给と交给を比べると、その差はさらに鮮明で、前者は手元から手元へ、後者は責任ごと引き渡す感じです。
ここを整理しておくと、場面に合う表現を選びやすくなります。

前置詞(動詞前)との強調の違い

给の位置が変わると、文の焦点も変わります。
我给你打电话は、給を動詞の前に置くことで「あなたに対して」という相手向けの動作を強めた言い方です。
これに対して我打电话给你は、まず電話をかける行為を出し、そのあとで相手を補う形なので、受け手の「あなた」が文末で際立ちます。
どちらも意味は通じますが、何を前景化するかが少し違うのです。

この違いは、補語の给を理解するうえでとても役立ちます。
動詞の前に置く給は相手を立て、動詞の後ろに置く给は着点を締める。
そう考えると、同じ「あなたに電話する」でも、話の組み方に二つの設計があると見えてきます。
会話ではこの焦点の移動が自然に効くので、場面に合わせて使い分けてみてください。
授与、通知、依頼の文でも応用できるため、慣れてくると表現の幅が広がります。

3パターンの見分け方と語順のつまずき|给の省略・为・对・口語用法

给の文法は、前後の語順を見ればかなり機械的に整理できます。
特に、给の後ろが「人+物」なのか「人+動詞」なのか、あるいは「動詞+给+人」なのかを押さえると、動詞・前置詞・結果補語の見分けが一気に楽になります。
さらに、省略できる给と省けない给、そして为・对や口語の特殊用法までつなげて理解すると、混乱の原因がはっきりします。

给を省ける動詞・省けない動詞

给を省けるかどうかは、先行動詞がそもそも「与える」「渡す」の意味を持つかで決まります。
送や递のように、動詞の時点で授与の意味が立っているなら、送给と送はかなり近く、文脈によっては给を省いても通じます。
逆に、寄のように授与の意味を持たない動詞は、二重目的語をそのまま抱えられません。
だから「妈妈寄我大米」は不自然で、正しくは「妈妈寄给我大米」となります。
筆者も以前、うっかり「我寄你一封信」と書いて中国人の同僚に「寄给ね」と直され、寄には给が要るのだとそこで腹落ちしました。

この感覚は、文法を暗記するよりずっと実用的です。
動詞自体に「渡す」力があるなら给は省略候補、そうでなければ给を補って受け手を立てる、と考えると迷いません。
読者が間違えやすいのは、見た目が日本語の「〜に」と近いから、そのまま人を後ろに置いてしまうことです。
寄はその典型で、相手に何かを送る動作ではあっても、構文上は给なしで完結しないのです。

「给+人+動詞」と「動詞+给+人」の強調差

「我给你打个电话」と「我打电话给你」は、意味がほぼ同じでも焦点が違います。
前者は給を前に置くことで、まず「私があなたに」という動作の出発点が立ち、電話をかけるという行為そのものが前面に出ます。
後者は動詞句の後ろに给が来るため、電話の行き先、つまり相手が他でもないあなたである点が強く感じられます。
語順が違うだけで、聞き手の注意を向ける場所が変わるわけです。

大切なのは、どちらが正しいかではなく、どこを言いたいかです。
会話ではこの差が意外に効きます。
動作をさらっと述べたいなら「我给你打个电话」、相手をはっきり指定して印象づけたいなら「我打电话给你」が自然です。
整理すると、給の位置は単なる並べ替えではなく、話し手が何を新情報として置くかを示す手がかりになります。
表にすると次の通りです。

強調される点受ける印象
我给你打个电话動作の開始・実行まず私が動く
我打电话给你相手・宛先他でもないあなたに向かう

为・对との違いと口語の受身・命令の给

給と为(wèi)の分かれ目は、物や情報が相手に本当に届くかどうかです。
プレゼント、手紙、電話、知らせのように、相手が受け取るものがあるなら给が合います。
相手の代わりにやる、相手のために動くが、本人の手元には何も渡らないなら为や为了です。
对は相手との向き合いを示すので、同じ「〜に」でも届く・届かないの発想とは別線で考えると整理しやすくなります。
届くかどうか、この一点が分岐点です。

口語の给には、辞書の「あげる」からは遠い顔もあります。
ひとつは、給を動詞の前に置いて受身を作るくだけた言い方で、被・让・叫と同義の働きをする用法です。
もうひとつは、現地ドラマで耳にすると驚くほど強い「你给我出去!」のような命令で、語気を一気に押し上げます。
筆者はこの表現を初めて聞いたとき、教科書の給との落差に驚きました。
学習段階ではまず基本義を押さえ、その上で「動詞の前に来る給は別の働きもある」と覚えておくと、会話がぐっと聞き取りやすくなります。

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中村 大輝

中国現地企業で5年間勤務。HSK6級・中検準1級取得。文法の体系的整理とビジネス中国語の実践的な解説に強み。

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