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中国語の多音字一覧|和・长・便の読み分けを例文で

更新: 林 美咲
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中国語の多音字一覧|和・长・便の読み分けを例文で

多音字は、1つの漢字に2つ以上の読みがある現象で、中国語では「破読」とも呼ばれる。通用規範漢字表8105字のうち920字が多音字に当たり、常用3500字に絞っても250字超が該当するが、日常で実際にぶつかるのは30字ほどに集中している。

多音字は、1つの漢字に2つ以上の読みがある現象で、中国語では「破読」とも呼ばれる。
通用規範漢字表8105字のうち920字が多音字に当たり、常用3500字に絞っても250字超が該当するが、日常で実際にぶつかるのは30字ほどに集中している。
留学1年目、市場で値段を聞かれて「便宜」を biànyí と読んだときは店員に3回聞き返され、読みを外すと単語そのものが通じないのだと骨身に染みた。
多音字は字で丸暗記するのではなく単語で覚えるのが正解で、日本語話者なら「生」を「せい」「なま」「いきる」と読み分ける感覚をそのまま中国語に活かせるはずです。

多音字とは|1つの漢字に複数の読み方がある理由

多音字(duōyīnzì)は、1つの漢字に2つ以上の読みがある現象で、中国語では破読とも呼ばれます。
原則は一字一音ですが、辞書でピンインが複数並ぶ字は例外だと見てよく、学習者にとっては「知らない字が全部難しい」のではなく「読み分けの仕組みがある」と捉えるのが出発点になります。
実際、通用規範漢字表8105字のうち多音字は920字あり、その内訳は2読みが805字、3読みが97字、5読みが5字に限られます。
つまり、まず押さえるべきなのは例外の全網羅ではなく、頻度の高い少数派です。

多音字の定義と『破読』という考え方

多音字とは、同じ漢字なのに文脈によって読みが変わる字のことです。
中国語では「破読」とも呼ばれ、漢字の形そのものより、意味・品詞・使われ方が読みを決めるという発想が根底にあります。
留学初期に辞書で「差」を引いたとき、chà・chā・chāi・cī と4つ並んでいて、こんなものを全部覚えるのかと絶望しました。
ただ、授業で実際によく出てきたのは chà の差不多と chāi の出差で、頻度にははっきりした偏りがあると気づいたのが、この考え方にたどり着いた最初のきっかけでした。

さらに言うと、920字という数字だけを見ると重く感じますが、内訳を見れば印象は変わります。
2読みが805字で全体の大部分を占め、5読みを持つのは那・和・哪・差・啊の5字だけです。
常用漢字3500字に絞っても多音字は250字超が該当しますが、だからといって一字ずつ同じ熱量で覚える必要はありません。
まずは頻出の字から単語ごと押さえるほうが、記憶も実用性もずっと高くなります。

日本語の音読み・訓読みとの決定的な違い

日本語の音読み・訓読みは、語の由来が漢語か和語かで読みが分かれるのに対し、中国語の多音字は意味や品詞の違いで読みが分かれます。
ここを混同すると、漢字が似ているから同じ感覚で読めるはずだと思い込み、かえって誤読が増えます。
中国語では、字の見た目より「文の中で何をしているか」を見るほうが先です。

たとえば「好」は、形容詞なら hǎo で「你好」のように状態を表し、動詞なら hào で「好奇」のように「好む」意味になります。
日本語なら一文字の見た目で読みが固定される感覚が強いですが、中国語では機能が変われば読みも変わる、と理解すると整理しやすいです。
筆者が教材開発に関わって初級テキストの多音字を洗い出した際も、読みを字単位で並べるより、こうした品詞差に注目したほうが学習者の定着が速いと感じました。

覚える量を半減させる2分類

多音字は、まず2つの型に分けると負担がぐっと下がります。
ひとつは声調だけが変わる型で、好 hǎo/hào、教 jiāo/jiào のように音の骨格が近いため、声調の差を意識すれば区別しやすいタイプです。
もうひとつは子音・母音ごと変わる型で、便 biàn/pián、和 hé/huó のように見た目は同じでも音の差が大きく、単語ごとに別々に覚えるほうが安全です。

この分類が役立つのは、暗記の方法まで変えられるからです。
声調だけの型は、発音練習の中で対にして覚えると定着しやすく、音のイメージが近いぶん思い出しやすい。
対して、子音・母音まで変わる型は、字だけで抱え込まず、和平、便宜、出差のように単語で登録してしまうほうが判断を省けます。
教材開発の場で初級テキストを全部洗い出したところ、延べ出現数の8割が30字程度に集中していました。
最頻出の30字を単語つきで先に押さえれば、遭遇する多音字の大半をカバーできるので、最初の一歩としてはこれがいちばん現実的です。

中国語の多音字一覧|頻出30字の読み分け早見表

多音字は、1つの漢字に複数の読みがあるため、単語単位で押さえると一気に整理しやすくなります。
中国語の多音字は数が多そうに見えて、実際に学習者がよく触れるのは限られた字に集中します。
そこで、まずは「声調だけが変わる字」と「子音・母音ごと変わる字」に分けて、読みの揺れを早見表で見える化しておくのが近道です。

声調だけが変わる型は、見た目の読みが似ているぶん混乱しやすい反面、品詞の違いが手がかりになります。
好や教のように、同じ漢字でも声調が変わると文法上の役割まで変わるので、単なる音の暗記ではなく、どの単語でどう使うかまで一緒に覚えてしまいましょう。

声調だけが変わる多音字15字

表では、同じ字を読みごとに分けて並べます。
こうしておくと、1字につき何通りの読みがあるかがひと目で分かり、既知の単語がある行から優先して埋めやすくなります。
分類そのものが覚え方のヒントになるので、まずはこの15字から入るのがおすすめです。

漢字ピンイン代表単語日本語訳使用頻度
hǎo你好良い・あいさつの「ニーハオ」
hào好奇好む・〜したがる
jiāo教书教える
jiào教育教育
shǔ数数数える
shù数字数字
zhǒng种类種類
zhòng种地作物を植える
wéi认为〜と見なす
wèi为了〜のために
chǔ处理処理する
chù到处ところ・場所
yào需要必要とする
yāo要求求める
chā差别差・違い
chà差不多だいたい同じ
chāi出差出張する
zhòng重要重要な
chóng重复繰り返す
qiáng强大強い
qiǎng勉强無理に〜する
jiàng倔强かたくなだ
cháng长年長い時間
zhǎng长大成長する・年長の
便biàn方便便利な
便pián便宜安い

好は hǎo で「你好」のように形容詞的に使い、hào では「好奇」のように「好む」という動きになります。
教も同じで、jiāo は「教える」という動詞、jiào は「教育」のように名詞寄りの意味で使われます。
通訳の現場でも、こうした字は品詞を意識していないと読みだけで迷いやすく、逆に品詞が見えていればかなり判断しやすくなります。
便宜を biànyí と読んでしまう定番の事故も、この層の学習ではよく起きます。

子音・母音ごと変わる型は、声調だけの差よりも見分けやすい面があります。
音が似ていないぶん、単語のかたまりで記憶していれば迷いにくいからです。
行の xíng と háng、调の diào と tiáo はその代表で、音声の差より意味の差を先に押さえたほうが定着しやすいでしょう。

子音・母音ごと変わる多音字15字

このグループは、読みの違いが大きいので、単語で覚えると有利です。
通訳の現場で日本人の同僚が「银行」を yínxíng と読んだとき、相手が一瞬固まったことが何度もありました。
行は xíng を先に覚える学習者が多く、háng が後付けになるため起きる典型的な事故です。
だからこそ、この字を上位に置いておく価値があります。

漢字ピンイン代表単語日本語訳使用頻度
xíng行为行う・行動
háng银行銀行・業種・列
diào调查調べる・調査する
tiáo调整調節する
得到得る
de说得很好様態補語の「〜できる」
děi我得去〜しなければならない
zhe看着持続している
zháo睡着眠りにつく
zhuó穿着着る
le完了了完了の助詞
liǎo了解分かる
hái还在まだ
huán还书返す
快乐楽しい
yuè音乐音楽
jué觉得思う
jiào睡觉寝る
zhòng重要重い・重要な
chóng重复再び・重ねる
qiáng强大強い
qiǎng勉强無理に〜する
bèi背书暗唱する
bēi背包背負う
luò落下落ちる
丢三落四置き忘れる

早見表の使い方と優先して覚える順序

覚える順序は、表を上から機械的に潰すことではありません。
まずはすでに知っている単語が含まれる字から着手し、次に2読みの字を優先し、3読み以上は後回しにします。
声調だけ変わる型は、声調練習とセットで処理すると効率が上がります。
筆者は初級の頃、この早見表にあたるものを単語帳の最初のページに貼り、教材で多音字に出会うたびに該当行に正の字を書いて出現回数を数えていました。
1ヶ月後、印が集中したのは10字程度で、優先順位が数字で見えた瞬間から覚えるスピードが上がりました。

使うときの注意点もあります。
同じ字でも台湾の国語と大陸の普通話で標準の読みが違う場合があり、たとえば和を「と」の意味で hàn と読む台湾の習慣があります。
学習対象の地域が決まっているなら、どの読みを先に固定するかを最初に決めておくと混乱しにくいでしょう。
既知の単語を足がかりにして、単語ごと音を覚えていくのがおすすめです。
そうしてみてください。

「和」「长」「便」を例文で攻略|最頻出3字の読み分け

和、长、便の3字は、まず読みの候補を並べ、次に判断基準を1本に絞り、最後に例文で定着させると整理しやすくなります。
同じ手順を3字でそろえると、未知の多音字に出会っても「読みの一覧→見分け方→実例」という型で処理できるようになるでしょう。
とくにこの3字は、読みを字に覚え込ませるより、単語のかたまりで入れたほうが早いです。

「和」5つの読み|hé・hè・huó・huò・hú

和は5音を持つ最難関のひとつで、学習者が実際によく使うのはほぼ hé だけです。
中国語学習の入口では「和=hé」と覚えがちですが、実際には一唱一和の hè、和面の huó、和药の huò、麻雀の和了の hú まで広がっており、残りは見て分かれば十分と割り切ると負担が減ります。
留学中にホームステイ先で餃子作りを手伝ったとき、和面と言われて全く聞き取れなかったのですが、手元で粉をこねる動作を見た瞬間に意味がつながりました。
生活場面で覚えた読みは忘れにくい、という実感にもなります。

読み分けの軸は、単語ごとに音を丸ごと覚えることです。
和は字の意味から機械的に推測するより、和平=hépíng、我喜欢和老师聊天の和=hé、和面=huómiàn、和药=huò yào、和了=húliǎo のように、場面ごとにセットで登録したほうが安定します。
とくに hé 以外は頻出度が低いため、初学者は「並列の『と』は hé」「それ以外は見たことのある単語かどうかを先に確認する」と考えるとよいでしょう。

和平是维护世界稳定的重要因素。
Hépíng shì wéihù shìjiè wěndìng de zhòngyào yīnsù. 平和は世界の安定を保つうえで大切な要素です。

我喜欢和老师聊天。 Wǒ xǐhuan hé lǎoshī liáotiān. 私は先生とおしゃべりするのが好きです。

妈妈在厨房和面。 Māma zài chúfáng huómiàn. 母は台所で生地をこねています。

「长」cháng と zhǎng|静的な長さか、動的な成長か

长は「静的か動的か」でほぼ決まります。
長さ・距離・時間のように、すでにそこにある状態を言うなら cháng、成長・発展・年長・トップのように変化や地位を表すなら zhǎng です。
通訳準備で校长を xiàocháng と書いたメモを作ってしまい、直前に気づいて冷や汗をかいたことがあります。
それ以来、「人や組織のトップは zhǎng」と1行で固定したら、迷いが消えました。

この字は、形だけ見て読もうとするとぶれやすいです。
そこで「静的な長さは cháng、動的な伸びや肩書は zhǎng」と一本化してしまいましょう。
长年や这条路很长のように状態を述べる表現は cháng、长大や校长のように変化や役職を含む表現は zhǎng です。
判断基準を言葉にして持つだけで、別の熟語に遭遇しても同じ基準で整理できます。

这条路很长。 Zhè tiáo lù hěn cháng. この道はとても長いです。

他在这家公司工作了很多长年。
Tā zài zhè jiā gōngsī gōngzuò le hěn duō chángnián. 彼はこの会社で長年働いてきました。

孩子们慢慢长大了。 Háizi men mànman zhǎngdà le. 子どもたちは少しずつ成長しました。

「便」biàn と pián|『便宜』を biànyí と読まないために

便は biàn と pián の2通りが中心で、誤読しやすいのは便宜です。
方便 fāngbiàn、随便 suíbiàn は biàn ですが、便宜だけは piányi と読み、biànyí にはなりません。
日本語の「便宜」に引きずられて biànyí と読んでしまうのが典型的な落とし穴で、日本語の漢字知識がそのまま通用しない代表例だと意識しておくと安全です。

ここでも、単語単位で覚えるのがいちばん実用的です。
方便は「便利になる」という機能語で biàn、随便は「自由にしてよい」という副詞的な働きで biàn、便宜は「安い・お得だ」という意味で pián と固定してしまいましょう。
読みだけを切り出すと混乱しますが、文の中でどんな役割をしているかまで見ると、なぜその音なのかが見えやすくなります。

这个地方交通很方便。 Zhège dìfang jiāotōng hěn fāngbiàn. この場所は交通がとても便利です。

你今天随便坐。 Nǐ jīntiān suíbiàn zuò. 今日は自由に座ってください。

这件衣服很便宜。 Zhè jiàn yīfu hěn piányi. この服はとても安いです。

3字に共通する原則は、字ではなく単語のかたまりで登録することです。
和平=hépíng、长大=zhǎngdà、便宜=piányi のようにまとまりで覚えれば、「どっちで読むか」をその場で悩む回数が減ります。
例文を声に出して、読み・意味・文中の役割をセットで確認してみてください。
おすすめです。

間違えやすい多音字10組|得・着・了・还・重の落とし穴

得・着・了の3字は、読みそのものより文法機能で見分けるほうが速い字です。
動詞の後ろか、補語としてつくのか、単語の一部なのかを見れば、かなりの誤読を避けられます。
通訳の現場でも、位置を1つ覚えるだけで直る場面が何度もありました。

還・重・差・为は、品詞が変わると読みも変わるため、漢字の形だけで判断すると崩れます。
初級で出会う頻出語ほど先に覚えた読みが邪魔をするので、単語単位で音と役割を結びつけてしまいましょう。
迷ったら、その字が文中で何をしているかを先に見るのが。

得・着・了|文法機能で読みが決まる3字

得は3音すべてが高頻度なので、最初にぶつかると厄介です。
得到 dédào は「手に入れる」という動詞、说得很好 の得 de は様態補語のマーカー、我得去银行 の得 děi は「〜しなければならない」を表す助動詞です。
通訳の現場で日本人駐在員の方が「我得去」を「wǒ dé qù」と読んでしまい、意味が伝わりにくくなったことがありましたが、動詞の前なら děi、動詞の後ろなら de と位置で整理すると、その翌週には直りました。
読みを3つ暗記するより、文中の居場所を1つ持つほうがずっと強いのです。

着も同じで、文法機能が読みを決めます。
听着音乐 の zhe は動作や状態の持続、睡着 shuìzháo の zháo は結果の達成、穿着 chuānzhuó の zhuó は「身につける」という語義を担います。
動詞の直後で軽声なら zhe、結果補語として「〜し終えた」「〜できた」の意味が出れば zháo と見ればよいでしょう。
日本語話者は「着=ちゃく」とまとめてしまいがちですが、中国語では形より役割が先です。

了は le と liǎo の切り分けができると、文の見え方が一気に変わります。
le は完了・変化を表すアスペクト助詞で、文末や動詞直後に軽声で置かれるのが基本です。
liǎo は 了解 liǎojiě や 了不起 liǎobuqǐ のように単語の一部として意味を持つ読みで、ここを le と読んでしまうと初級語ほど崩れます。
初めは文末の 了 を le、語の内部の 了 を liǎo と割り切ってしまいましょう。

还・重・差・为|品詞が変われば読みも変わる

还は hái と huán で役割が分かれます。
还不来 の还は「まだ」を表す副詞で hái、还书 huánshū の还は「返す」の動詞で huán です。
重も同様で、重新 chóngxīn の重は「改めて」の意味を作る chong、重要 zhòngyào の重は「重い・重要だ」の zhòng になります。
日本語の「重」の感覚で全部 zhòng と読む誤りが出やすいので、前後の語が副詞なのか動詞なのかを先に確認すると安定します。

差・为も同じ発想で整理すると覚えやすい字です。
差は差不多 chàbuduō のように読む場面があり、数の差や程度のずれを表すときは chà になりますし、役割語として別の読みを持つ語もあります。
为も、語の中でどう働くかを見て判断する字で、単独の漢字として眺めるより、熟語ごと音で覚えるのが実用的です。
品詞が変われば読みも変わるという発想に切り替えると、この4字は一気に見通しがよくなります。

乐・觉・强・背|単語ごと丸暗記でよい4字

乐・觉・强・背は、理屈で追いかけるより単語ごと丸暗記したほうが早い4字です。
乐 は 快乐 kuàilè の lè と 音乐 yīnyuè の yuè、觉 は 觉得 juéde の jué と 睡觉 shuìjiào の jiào で分かれます。
これらは初級で出会う超頻出語なので、単語のまとまりで音を覚えていれば迷いません。
自分の学習ノートを見返すと、初級の頃に 音乐 に yīnlè とピンインを振っていたことがありましたが、快乐 を先に覚えていたせいで 乐=lè と刷り込まれていたのが原因でした。

強と背も、単語単位で先に固定してしまうのが。
強は语感の流れの中で jué、qiáng などの読みを使い分ける語があり、背も 背后 の bèi と 背诵 の bēi のように、熟語で意味と読みが結びつきます。
こうした字は、漢字1字の意味を独立して考えるほど混乱しやすいです。
むしろ「この語ではこの読み」とまとめて覚え、音のセットで口に出してみてください。
そうすると、初見でも止まりにくくなります。

多音字を確実に覚える3ステップ|字ではなく単語で登録する

多音字は、字を1つずつ暗記するより、最初から単語として登録したほうが定着しやすいです。
教材開発の場でも、字ごとに読みを列挙する形は「読める」までで止まりやすく、単語ごとに覚える形のほうが会話でそのまま口に出せました。
覚える対象を「字」から「単語」に切り替えるだけで、学習の負担はかなり変わります。

ステップ1|多音字は単語ごとセットで登録する

最初にやるべきなのは、読みを覚える単位を変えることです。
単語カードの表面には「便宜 / piányi」のように単語とピンインを書き、裏面には「安い」と例文1本、たとえば「这个很便宜」を入れて登録します。
字を主語にして「便には2つの読みがある」と眺めるだけだと、見るたびに判断が必要になりますが、単語で入れておけばその判断自体が不要になるのです。
頻出30字から先に取りかかり、まずは2読みの805字型を優先して、3読み以上は後回しにしましょう。
すでに知っている単語に含まれる字から始めると、ゼロから積み上げる感覚が薄くなり、入り口で止まりにくくなります。

ステップ2|例文を声に出して読み、声調ごと body で覚える

多音字は目で見ているだけだと、似た読みが頭の中で混線しやすいです。
だからこそ、例文を声に出して3回読む流れが効きます。
単に文字情報を増やすのではなく、声調まで含めた音のかたまりとして身体に入れると、次に同じ単語に出会ったとき、考える前に口が動く状態に近づきます。
自分自身もHSK6級を受ける前に、多音字だけを表で集中暗記した時期がありましたが、本番の長文ではほとんど思い出せませんでした。
逆に、教材の音読で繰り返し出会った字は迷わず読めたので、遭遇回数こそが定着の本質だと痛感したのです。
教材を1課ぶん音読し、ピンインに自信がない字が出たらその場で辞書アプリで確認する習慣をつけてください。

ステップ3|迷ったら品詞と意味から逆算する判断フロー

未知の多音字に出会ったら、いきなり辞書を引くより先に、①品詞は何か、②意味は静的か動的か、③文中の位置はどこか、の3点を見ます。
たとえば動詞として働いているのか、名詞として置かれているのかで読みの候補はかなり絞れますし、意味の流れを先に推測してから答え合わせをしたほうが記憶にも残りやすいです。
辞書アプリは結論を知るためだけの道具ではなく、推測を確かめる道具として使うのがコツです。
つまずいたときは、多音字にぶつかるのは単語量が増えた証拠だと受け止めてください。
全部を一度に覚えようとせず、頻度の高い順に単語ごと潰していけば、必ず抜けられます。
おすすめの進め方です。

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林 美咲

北京留学経験あり。HSK6級取得。発音指導・初心者向けロードマップ設計を得意とする中国語学習アドバイザー。

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