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中国語の語順は英語と同じ?SVOと日本語の違い

更新: 中村 大輝
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中国語の語順は英語と同じ?SVOと日本語の違い

中国語の語順は、単文だけ見ると英語に近く見えますが、実際に話そうとすると時間や場所の置き方で差がはっきり出ます。筆者も上海勤務の朝会で予定を伝える場面では、我今天在公司开会のような「主語+時間+場所+動詞」の型を身につけてから、伝わり方が目に見えて安定しました。

中国語の語順は、単文だけ見ると英語に近く見えますが、実際に話そうとすると時間や場所の置き方で差がはっきり出ます。
筆者も上海勤務の朝会で予定を伝える場面では、我今天在公司开会のような「主語+時間+場所+動詞」の型を身につけてから、伝わり方が目に見えて安定しました。

整理すると、中国語の骨格は基本SVO、日本語はSOVです。
この違いを曖昧なまま覚えると、日本語の語順をそのまま持ち込んで不自然な文を量産してしまいます。
英語とは似ていても時間・場所を含むと並べ方に規則があると整理されています。

この記事では、SVOとSOVの違いを一文で説明できる状態を目指しながら、「主語+時間+場所+動詞+目的語」で自分の文を3つ以上作れるところまで進めます。
あわせて、日本語直訳で起きやすい語順ミスを5パターン見分けて直せるようにしていきます。

中国語の語順は英語と同じ?結論から整理

結論サマリー

整理すると、中国語の語順は基本骨格だけ見れば英語と同じSVOです。
つまり、「主語+動詞+目的語」で文を組み立てる点では、英語学習の経験がそのまま生きます。
ただし、ここで「英語と同じ」と覚えてしまうと、実際に話す段階でずれが出ます。
中国語では時間・場所・副詞の情報が動詞の前に集まりやすいため、文が少し長くなった瞬間に英語との差が表面化するからです。

日本語との違いもここで押さえておきたいところです。
日本語はSOVで、「私は 本を 読む」のように動詞が後ろに来ます。
しかも「を」「に」「で」といった助詞が関係を示してくれるので、多少並べ替えても意味が保たれます。
一方、中国語は助詞に頼る部分が小さく、語順そのものが意味を支える構造です。
順番を崩すと、通じても不自然になったり、意図が伝わりにくくなったりします。

筆者も中国で会議の予定を伝えたとき、場所を英語感覚で文末に置いて我今天开会在公司のように言ってしまい、相手が一瞬聞き返してきたことがありました。
そこで在公司を前に出して我今天在公司开会と言い直したところ、その場で話が通りました。
中国語では「どこで」を先に枠として置くと、相手が文の骨格をつかみやすくなります。

ポイントを一行で比べると、次のようになります。

中国語英語日本語
SVO(時間・場所・副詞は前寄り)SVO(場所は後ろに置くことが多く、疑問文で語順変化)SOV(助詞で関係を示す)

日英中の基本比較

単文レベルでは、中国語と英語はよく似ています。
たとえば「私は中国語を勉強する」という文を比べると、中国語は「我学中文」、英語は「I study Chinese」となり、主語→動詞→目的語の順になります。
こうした一致があるため、英語経験者は初期段階で入りやすいことが多いです。
単文レベルでは、中国語と英語はたしかによく似ています。
たとえば「私は中国語を勉強する」なら、中国語は「我学中文」、英語は「I study Chinese」で、どちらも主語の次に動詞、その後に目的語が続きます。
この一致があるので、最初の数課は英語経験者ほど入りやすい傾向があります。

一部の解説(例: study Chinese with 樹樹)では、日本語話者が日本語の語順感覚のまま中国語を組み立てるとズレが生じる、と整理されています。
出典を確認でき次第、該当ページのURLを本文に明示してください。

差がはっきり出るのは、時間や場所が入ったときです。
中国語は英語と似たSVOを持ちながら、時間や場所の位置に独自の規則があると整理されています。
初心者がまず覚える型は、「主語+時間+場所+動詞+目的語」です。
たとえば「私は昨日、会社で会議をした」なら、中国語では「我昨天在公司开会」となり、時間の「昨天」と場所の「在公司」が動詞「开」の前に並びます。

英語では同じ内容を “I had a meeting at the office yesterday.” のように、場所や時間を後ろに置く形が自然です。
ここが中国語との分岐点です。
中国語は「いつ」「どこで」を先に並べてから動作に入る感覚が強く、英語は動作を先に言って補足を後ろに付ける場面が多く見られます。
疑問文でも違いがあります。
中国語は「吗」を文末に足す基本形なら、平叙文の語順を大きく変えませんが、英語は助動詞を前に出して語順が動きます。
英語では同じ内容を "I had a meeting at the office yesterday." のように、場所や時間を文末付近に置くのが自然な場合が多いです。
これに対して中国語は「いつ」「どこで」を先に示してから動作に入る感覚が強く、語順の差が出やすくなります。
複文や少し込み入った文になると、差はさらに広がります。
前置詞的な要素、副詞、結果補語、方向補語などが絡むと、中国語は「前に置く要素」と「後ろに置く要素」が明確に分かれます。
時間・場所・副詞は前に寄り、補語は動詞や形容詞の後ろに置かれます。
たとえば時点を表す時間語は動詞前ですが、期間を表す時量補語は動詞後ろに来ます。
このあたりまで入ると、「中国語は英語と同じ」と一言で済ませる説明では足りなくなります。

HSK出題との対応と改訂注記

HSKの学習順とも、この語順の話はきれいにつながります。
初級の段階では、まずSVOの骨格が土台になります。
HSK1〜2級では「我喝茶」「他买书」のような基本文が中心で、主語・動詞・目的語の並びを安定させることが先決です。
ここで骨格が曖昧なままだと、その後の語順問題で毎回つまずきます。

次にHSK2〜3級あたりで、時間と場所の位置が出題の中心に入ってきます。
「昨天」「明天」「在学校」「在北京」などをどこに置くかは、並べ替え問題でも読解でも頻出です。
筆者の感覚では、この段階は単語暗記より「主・時・場・動・目」の枠を体に入れるほうが点数に直結します。
文が見えた瞬間に、時間は前、場所も前、と機械的に並べられる状態まで持っていくと安定します。

HSK3級以降では補語の理解が避けて通れません。
結果補語や方向補語、可能補語が入ると、動詞の後ろに何を足すのかで意味が変わります。
さらにHSK4級以降では把構文も出てきて、目的語を前に出す構造が加わります。
つまり、初級で覚えたSVOは出発点ではありますが、学習が進むほど「前に置く情報」と「後ろに置く情報」を切り分ける力が問われるわけです。

💡 Tip

HSK対策の語順図として一枚にまとめると便利です。

まず覚えるべき中国語の基本語順SVO

S・V・Oとは何か

中国語の最初の土台は、SVO という並びです。
SはSubject、つまり主語です。
VはVerb、つまり動詞です。
OはObject、つまり目的語です。
日本語に置き換えると、「誰が・どうする・何を」 の順です。
中国語ではこの骨格がはっきりしていて、まずここを外さないことが文作りの出発点になります。

たとえば「私はりんごを食べる」は、中国語で 我吃苹果 です。

  • wǒ chī píngguǒ

我吃苹果 私はりんごを食べる

この文を骨格で見ると、我は主語、吃は動詞、苹果は目的語 という並びです。
日本語だと「私は りんごを 食べる」と SOV になるので、動詞の位置が後ろへ行きます。
ここが最初の大きな違いなんですよね。

中国語は助詞よりも語順そのもので意味を支える言語です。
日本語のように「は」「を」が並びを助けてくれる感覚ではなく、まず骨組みを正しい順に置く必要があります。
中国語は単文ではSVOが基本で、その上に時間や場所の情報が積み上がる形だと整理されています(Chinese Grammar Wiki)。

初心者の段階では、まず次の一本線で覚えると崩れません。

主語+動詞+目的語。まずはこの核を確実に押さえましょう。

この骨格に、あとから時間や場所が入ってきます。
たとえば「今日」「学校で」のような情報は、後のセクションで見るように動詞の前に足していくことが多いです。
ただし、どれだけ要素が増えても、中心にあるのはこの SVOの芯 です。
家具の組み立てで言えば、まずフレームを立ててから棚板を足す感覚に近いと言えます。

三言語対照:我爱你/I love you/私はあなたを愛している

SVOの感覚は、短い文を三言語で並べると一気につかめます。代表例が 「我爱你」 です。

  • wǒ ài nǐ

我爱你 あなたを愛している

この文を英語と日本語で比べると、役割の違いがはっきり見えます。

言語語順
中国語我爱你SVO
英語I love youSVO
日本語私はあなたを愛しているSOV

中国語の 我爱你 は、英語の I love you と同じく、主語のあとに動詞が来て、そのあとに目的語が続きます。
ここだけ切り取ると「中国語は英語に近い」と感じるはずです。
一方で日本語は「私は/あなたを/愛している」と、目的語のあとに動詞が来ます。

この違いは初心者が文を作るときのつまずきに直結します。
日本語の語順をそのまま持ち込むと不自然になりやすいので、動詞を早めに置くという発想を意識的に取り入れてください。

  • wǒ xuéxí Hànyǔ

我学习汉语 私は中国語を勉強します

この文も 我は主語、学习は動詞、汉语は目的語 という並びです。
HSKの目安で言えば、こうした骨格はHSK1〜2レベルの最重要部分です。
自己紹介、好き嫌い、食べる・飲む・見るといった基本動詞は、まずこの形で言えるようになると会話の土台ができます。

発音と表記の見方もここでそろえておくと混乱が減ります。
この記事では、簡体字を基本にして、ピンインは声調符号付きで示しています。
たとえば ài です。
目で漢字を追うだけでなく、音までセットで覚えると、語順の型が口から出やすくなります。

肯定・否定・吗疑問の最小パターン

SVOを本当に身につけるには、1つの文を肯定・否定・疑問に変える練習が効きます。
中国語はこの3パターンでも、骨格そのものは大きく崩れません。
ここが英語より入りやすい判断材料になります。

まずは「我爱你」を基準に見てみます。

  • wǒ ài nǐ

我爱你 私はあなたを愛している

  • wǒ bù ài nǐ

我不爱你 私はあなたを愛していない

  • nǐ ài wǒ ma

你爱我吗? あなたは私を愛していますか

この型は、愛するという少し強い表現だけでなく、日常語で反復すると身につきます。たとえば 吃苹果 を使うと、練習文としてちょうどよいです。

  • wǒ chī píngguǒ

我吃苹果 私はりんごを食べる

  • wǒ bù chī píngguǒ

我不吃苹果 私はりんごを食べない

  • nǐ chī píngguǒ ma

你吃苹果吗? あなたはりんごを食べますか

この3変形だけを声に出して回していると、会話の骨組みが急に見えてきます。
筆者も、我吃苹果/我不吃苹果/你吃苹果吗? のような最小パターンを音読で反復したときに、「中国語はまず順番を守って組む言語だ」という感覚がはっきりしました。
単語を増やす前に、並べ方の型が口になじむわけです。

ℹ️ Note

初心者は「肯定文を言えるか」だけで終えず、「不を入れる」「吗を付ける」までを1セットで覚えると、実際の会話で使える文が一気に増えます。

この段階で押さえたいのは、中国語は語順を保ったまま否定と疑問を作れるという点です。
骨格が固まると、あとから時間や場所を足しても迷いにくくなります。
次に出てくる要素も、まずはこのSVOの芯にどう乗るかを見ると整理できます。

日本語と違うポイント:助詞がないぶん語順が重要

助詞依存(日本語)vs 語順依存(中国語)の本質

日本語話者が中国語の語順でつまずく理由は、単にSVOとSOVの違いだけではありません。
もっと根本にあるのは、日本語は助詞で語の役割を示し、中国語は語順で役割を示すという構造の差です。

日本語では「私は図書館で中国語を勉強する」と言うとき、「は」「で」「を」が主語・場所・目的語の役割を支えています。
だから多少並べ替えて「図書館で私は中国語を勉強する」「中国語を私は図書館で勉強する」としても、意味の骨格は崩れません。
助詞が案内標識の役目をしているからです。

一方、中国語には日本語ほど強い助詞システムがありません。
そのため、どの語をどこに置くかが意味の判定材料になります。
中国語は英語と同様に語順のルールが強く、時間・場所・修飾語の位置まで含めて配列が意味を支える構造だと整理されています。
日本語の感覚で「意味は単語が持っているのだから、順番は少しくらい動かしても通じるだろう」と考えると、そこでズレが起きます。

筆者も学習初期、「図書館で勉強する」をそのまま後ろに置く感覚が抜けず、場所を動詞の後ろへ回してしまったことがありました。
日本語では「どこで」が後ろに来ても助詞が支えるので成立しますが、中国語ではその発想が通りませんでした。
そこで「在+場所は動詞の前」とまとめて覚えてから、文を組む位置が安定しました。
中国語の語順は、単語を知っているだけでは足りず、置き場所まで含めて覚える必要があるわけです。

この違いは、HSKの初期段階からそのまま問われます。
とくにHSK2あたりからは、単語力だけでなく語順依存の理解がないと文作りで失点しやすくなるので、早い段階で固定したほうが後の伸びが変わります。

語順が変わると意味が変わる実例

語順依存をいちばん実感できるのは、同じ単語を使っても並べ方で自然さが変わる例です。

  • wǒ zài túshūguǎn xuéxí

我在图书馆学习 私は図書館で勉強します

  • wǒ xuéxí zài túshūguǎn

我学习在图书馆 私は勉強する、図書館で

前者は自然です。
在图书馆 が場所表現として動詞 学习 の前に置かれており、中国語の基本ルールに合っています。
後者は、単語自体は同じでも並びが崩れているため不自然に聞こえます。
言いたいことが伝わらないわけではなくても、文としての収まりが悪く、学習者の中国語だとすぐ分かる形です。

ここで見ておきたいのは、「間違った単語を使ったから不自然なのではない」という点です。
語順そのものが意味と自然さを決めているので、日本語の感覚で後置するとずれます。
この型から外れると初級文でも崩れます。

筆者はこの種のミスを減らすために、文をいきなり日本語から直訳せず、まず中国語の並びだけを先に作る方法を使っていました。
覚え方として有効だったのが、「主・時・場・動・目」 です。
つまり、主語・時間・場所を前寄せに並べてから、動詞・目的語を置くという発想です。
たとえば「私は昨日図書館で中国語を勉強したい」と組むなら、頭の中では先に「我/昨天/在图书馆」を置き、そのあとに動詞と目的語をつなげます。

ℹ️ Note

日本語から訳すより、「主・時・場・動・目」で箱を先に並べると、語順の迷いが減ります。中国語はこの順番で組み立てると、短文の時点で崩れにくくなります。

この思考法は、単文の精度を上げるだけでなく、あとで副詞や補語が入ってきたときの土台にもなります。
学習初期にここが曖昧だと、単語が増えるほど語順ミスも増えていきます。

主語省略の可否と注意点

中国語では、会話の流れで主語が明らかなとき、主語を省くことがあります。
たとえば相手と自分の予定について話している場面なら、「今日、図書館で勉強するよ」に近い感覚で主語なしの文が成立することがあります。
この点だけ見ると、日本語に少し近く感じるかもしれません。

ただし、ここで日本語と同一視すると危険です。
主語は省けても、時間や場所の位置ルールまでは消えません。
たとえば時間表現は文頭または主語の後、場所表現は原則として動詞の前という枠組みが残ります。
主語がなくなっても、文全体が自由になるわけではありません。

たとえば会話で主語を省いても、発想は次のように保つと安定します。
「今天在图书馆学习」は自然ですが、「学习在图书馆今天」のように並べると、中国語としての骨格が崩れます。
日本語は文脈依存で多くを省けますが、中国語は省略できる部分と、位置を守るべき部分がはっきり分かれている言語です。

この差を理解しておくと、「中国語も会話では省略が多いから、日本語のように並べても何とかなる」という誤解を避けられます。
実際には、主語の省略は会話上の省エネであって、語順ルールの免除ではありません。
学習初期にここを分けて考えられるかどうかで、作文と会話の精度に差が出ます。

HSK対策の観点でも、主語省略だけを真似するより、まずは主語を入れた完全な語順で安定して作れることが先です。
そのうえで会話では一部を省く、という順番のほうが崩れません。
中国語では、語順が家具の組み立て図のような役割を持っています。
主語という部品を一つ外すことはあっても、土台の組み順まで変えると全体がはまらなくなります。

英語と似ているポイント・似ていないポイント

英語と似ているところ

英語既習者にとって、中国語の入口が比較的入りやすいのは、文の骨格に共通点があるからです。
単純な肯定文なら、中国語も英語も基本は SVO で並びます。
たとえば「我喜欢咖啡」と「I like coffee」は、主語のあとに動詞、そのあとに目的語が来るという点で発想が近いです。
日本語のように最後に動詞を置く感覚とは別の回路で組み立てるほうが、中国語では安定します。

助動詞や否定語の位置にも、英語学習の蓄積を転用できる部分があります。
中国語では「想」「会」「能」などの助動詞が、ふつう本動詞の前に置かれますし、「不」も動詞や形容詞の前に置かれます。
英語でも can、will、do not など、動詞の前に機能語が置かれる意識があります。
もちろん一致しない部分はありますが、「文の前半で動詞に条件や否定をかける」という感覚は共通しています。
このため、英語で語順を意識してきた人ほど、中国語の短文は比較的すんなり入ります。

もう一つの共通点は、前置詞的な要素があることです。
中国語には英語の前置詞と完全一致する品詞区分があるわけではありませんが、初学者の理解としては「在」「对」「给」などを、前置詞に近い働きをする語として捉えると整理しやすくなります。
たとえば「在北京工作」は「in Beijing」に近い感覚で、「给他打电话」は「to him」に近い方向性を持ちます。
Chinese Grammar Wikiでも、中国語の語順は英語話者にとって一部なじみやすい一方、時間や場所の配置で差が出ると整理されています。

英語を学んだ経験がある人ほど、「中国語は全部まったく別物」というより、骨組みは近いが、部品の置き場が違う言語として捉えると理解が進みます。
筆者も現地で中国語を使い始めた頃、主語と動詞と目的語だけの短文なら英語の感覚がそのまま助けになりました。
会議でも日常会話でも、まず SVO を土台にしておくと、言いたいことの芯がぶれません。

英語と違うところ

つまずきやすいのは、英語と似ている骨格のまま、時間と場所まで英語式に並べてしまう場面です。
中国語では時間表現が文頭または主語の後ろに来やすく、場所表現も原則として動詞の前に置かれます。
英語は「I study at the library」のように場所を動詞の後ろへ置く形が自然ですが、中国語ではそのまま移すと不自然になります。

筆者自身、学習初期にまさにこの癖が抜けず、「I study at the library」を頭の中でなぞる形で 我学习在图书馆 と言ってしまい、違和感があると指摘されたことがあります。
言いたかった内容自体は単純なのに、中国語としては 我在图书馆学习 のほうが自然です。
この経験以降、筆者は「英語と同じSVOだから途中まで似ている、でも場所は前に出る」と切り分けて覚えるようになりました。
ここを曖昧にすると、単語を知っていても文全体の収まりが悪くなります。

日本語と並べて見ると違いがさらに見えます。

項目中国語英語日本語
基本語順SVOSVOSOV
時間・場所の位置時間は文頭または主語後、場所は原則動詞前文頭・文末が広く使われ、場所は動詞後が自然なことが多い助詞に支えられ比較的柔軟
疑問文文末に吗を置く基本形がある助動詞を前に出す倒置が基本文末に「か」を置く
補語の考え方動詞の後ろで結果・方向・可能・程度を補う補語Cは主語・目的語の説明が中心学校文法では限定的

この比較で見えてくるのは、中国語は英語と同じ SVO でも、情報の置き場が前寄りになりやすいということです。
英語の癖がある人ほど、場所や時間を後ろへ送りたくなりますが、中国語ではそこがずれやすい判断材料になります。

疑問文の作り方(吗は語順維持)/補語の比較

疑問文は、英語既習者が「似ていそうで似ていない」と感じる代表例です。
英語では yes/no 疑問文を作るとき、Do you study Chinese? のように助動詞を前に出して語順を変えます。
これに対して中国語は、平叙文の末尾に を付ける基本形があり、語順を大きく崩さずに疑問文にできます
たとえば「你学习中文」から「你学习中文吗」にする発想です。
HSKでもこの型は早い段階で触れる部分で、HSK1〜2の学習事項として押さえておくと会話の立ち上がりが速くなります。

⚠️ Warning

英語の疑問文では「前に出すもの」を探しますが、中国語の初級段階では「文末に吗を置く」と考えたほうが組み立てが安定します。

この違いは、学習の負荷にも直結します。
英語では助動詞が必要かどうか、時制はどうなるか、三人称単数はどうか、と複数の条件が絡みます。
中国語の 吗疑問文 は、まず肯定文の語順を維持したまま疑問化できるので、英語より導入が明快です。
その代わり、英語の倒置感覚を持ち込むと不自然になります。
中国語では「你是老师吗」は自然でも、英語の疑問文のように語順をひっくり返す発想は不要です。

補語も、英語の知識をそのまま移植しないほうがよい項目です。
英語でいう complement は、SVOC や SVC の C のように、主語や目的語がどういう状態かを説明する役割が中心です。
たとえば「She is happy」の happy は主語を説明し、「They made him captain」の captain は目的語を説明します。
英語文法でいう補語は、人や物の性質・状態を述べる成分として教わることが多いはずです。

一方、中国語の補語は発想が違います。
中国語では補語が動詞の後ろについて、動作の結果、方向、可能、不可能、程度などを補います。
たとえば「看懂」の「懂」は結果、「走进去」の「进去」は方向、「听得懂」の「得懂」は可能のニュアンスを担います。
つまり中国語の補語は、主語や目的語の説明というより、動詞の働き方を後ろから具体化する装置です。
この概念は HSK3あたりから存在感が強くなり、短文の暗記だけでは追いつかなくなります。

英語の five sentence patterns に慣れている人ほど、中国語の補語を最初は「Cの仲間」と見たくなりますが、そこがズレのもとです。
中国語では「動詞のあとに何が付くか」で意味の輪郭が変わります。
筆者は現地で会話を重ねるうちに、単語を並べるだけでは足りず、動詞の後ろの一語で文の完成度が変わることを何度も実感しました。
たとえば「听」と「听懂」は、同じ「聞く」系の動詞でも、後者は「聞いて理解できた」まで届いています。
英語の補語理解が邪魔になるというより、別の文法装置として頭の棚を分けるほうが整理できます。

この視点で見ると、英語既習者が中国語で活かせるのは「SVOの骨格」「助動詞的要素が動詞前に来る感覚」「前置詞的要素の存在」です。
一方で、時間と場所の置き場、疑問文の作り方、補語の考え方は、そのまま転用するとずれます。
中国語は英語に似た入口を持ちながら、文の細部では別のルールで組み上がる言語だと捉えると、学習の迷いが減ります。

中国語の実践テンプレート:時間・場所・副詞はどこに置く?

整理すると、このセクションで覚える型は4つです。
中国語は単語そのものより、どの箱に入れるかで自然さが決まります。
筆者は赴任中、日報や朝会の中国語を組み立てるときに、この配置をそのまま使っていました。
たとえば「明日・会社で・会議をする」と頭の中で日本語の材料を並べたら、あとは「主・時・場・動・目」に当てはめて 我明天在公司开会 と置くだけです。
慣れると、考える順番が固定されるので、短い予定ならほぼ反射で中国語化できます。

位置関係は、まずこのスロット図で把握すると崩れません。

明天在公司常常学习中文完 / 得懂 など

副詞が入るときは「場」との並びが文によって前後しますが、初級では「副詞は動詞の前」「場所は在+場所で動詞の前」を軸にしておくと組み立てが安定します。
Chinese Grammar Wikiの中国語語順整理でも、時間・場所・修飾語が前に集まりやすいことが体系的に示されています。

主語+時間+場所+動詞+目的語

まず定着させたい万能型が、主語+時間+場所+動詞+目的語です。
語呂は「主・時・場・動・目」で覚えると残ります。
中国語では、時間は主語の後ろか文頭に置かれ、場所はふつう 在+場所 の形で動詞の前に来ます。
日本語の感覚で「学校で」を後ろへ回したくなりますが、初級では前に置くほうが安全です。

図にすると、こうなります。

主語時間場所動詞目的語
今天在家学习中文

この型は、自己紹介よりも日常の予定や行動描写で威力を発揮します。
英語の SVO と骨格は似ていても、時間と場所の置き場が前寄りになるので、中国語らしい文になります。

例文を見ておくと配置が頭に残ります。

  1. 我今天在家学习中文。

Wǒ jīntiān zài jiā xuéxí Zhōngwén. 私は今日、家で中国語を勉強します。 HSK2

  1. 他明天在公司开会。

Tā míngtiān zài gōngsī kāihuì. 彼は明日、会社で会議をします。 HSK2-3

  1. 我们下午在学校上课。

Wǒmen xiàwǔ zài xuéxiào shàngkè. 私たちは午後、学校で授業を受けます。 HSK2

  1. 妈妈昨天在超市买东西。

Māma zuótiān zài chāoshì mǎi dōngxi. 母は昨日、スーパーで買い物をしました。 HSK2-3

ここで一つだけ触れておくと、移動動詞では場所が後ろに出る形もあります。
ただ、その型まで同時に追うと初学者は配置が揺れます。
最初の段階では「在+場所は動詞の前」で固めておくと、会話の土台がぶれません。

副詞の位置

副詞の基本形は、主語+副詞+動詞+目的語です。
副詞には「常常」「总是」のような頻度、「很」のような程度、「一起」のような様態に近いものがあり、初級ではまず動詞の前に置くと覚えるのが軸になります。

たとえば 我常常在家学习 のように、副詞が動詞の前に入ると、「どのくらいの頻度で」「どんなふうに」を先に示してから動作に入る流れになります。
場所がある場合は 我常常在家学习中文 のようにまとまることが多く、実際の会話でもこの並びに触れる機会が多いはずです。

副詞入りの型をスロットで見ると次の通りです。

主語副詞場所動詞目的語
常常在家学习中文

例文で確認します。

  1. 我常常在家学习中文。

Wǒ chángcháng zài jiā xuéxí Zhōngwén. 私はよく家で中国語を勉強します。 HSK2-3

  1. 他总是在图书馆看书。

Tā zǒngshì zài túshūguǎn kàn shū. 彼はいつも図書館で本を読んでいます。 HSK3

  1. 我们一起去学校。

Wǒmen yìqǐ qù xuéxiào. 私たちは一緒に学校へ行きます。 HSK2

  1. 她认真学习汉语。

Tā rènzhēn xuéxí Hànyǔ. 彼女はまじめに中国語を勉強します。 HSK3

英語に引っぱられると、副詞や場所を後ろへ送りたくなりますが、中国語では前に寄せたほうが自然な文になります。
語順を家具の組み立て図のように固定しておくと、部品の置き場で迷わずに済みます。
副詞はその中でも「動詞の直前に置く部品」と考えると覚えやすくなります。

ℹ️ Note

副詞の位置で迷ったら、「その語は動作のしかた・頻度・程度を説明しているか」を見ます。説明しているなら、まず動詞の前に置く発想で組み立てると文が整います。

動詞+補語

HSK3あたりから存在感が増すのが、動詞+補語です。
ここでは「動詞を言って終わり」ではなく、動詞の後ろに一語足して、結果・方向・可能・程度を具体化します。
中国語の補語は、日本語の学校文法や英語の complement と同じ棚に入れないほうが整理できます。
ポイントは、動詞の後ろに付いて、動作がどうなったかを示すことです。

基本形を並べると、次の4つが入り口になります。

意味
結果補語看完読み終える・見終える
方向補語走进去歩いて中へ入る
可能補語看得懂見て理解できる
程度補語写得快書くのが速い

この型は、短い一語の違いで意味の完成度が変わります。
たとえば は「見る」ですが、看完 になると「見終える」まで到達しています。
現地で仕事をしていると、相手が「見た」のか「見て理解した」のかで話の進み方が変わるので、補語の一語がそのまま実務の精度につながる場面がありました。

例文を見ていきます。

  1. 我看完了这本书。

Wǒ kànwán le zhè běn shū. 私はこの本を読み終えました。 HSK3

  1. 他走进去了。

Tā zǒu jìnqù le. 彼は中へ歩いて入っていきました。 HSK3

  1. 这句话我看得懂。

Zhè jù huà wǒ kàndedǒng. この文は私には読んで理解できます。 HSK3

  1. 她字写得很快。

Tā zì xiě de hěn kuài. 彼女は字を書くのが速いです。 HSK3

  1. 我听不懂老师的话。

Wǒ tīngbudǒng lǎoshī de huà. 私は先生の話を聞いても理解できません。 HSK3

補語は、単語暗記だけでは身につきません。
動詞の後ろに何が付きやすいかを、まとまりで覚えると実戦で使えます。
看完、听懂、走进去 のように、動詞と補語をひとつの塊として扱うと、読むときも話すときも反応が速くなります。

時間語(時点)と期間(時量補語)の位置の違い

ここは初級から中級への分かれ目です。時間表現には、いつを示す「時点」と、どれくらいを示す「期間」があります。中国語ではこの2つの置き場が違います。

時点は、動詞の前に置きます。
たとえば「今天早上」「下午三点」のような表現です。
期間は、動詞の後ろに置くことが多く、これが時量補語です。
たとえば「两个小时」がそれに当たります。

ミニ図表にすると区別が明確です。

種類役割位置
時点いつ動詞の前今天早上、下午三点
期間どれくらい動詞の後两个小时

この差を文で比べると、頭に入りやすくなります。

  1. 我今天早上在家学习中文。

Wǒ jīntiān zǎoshang zài jiā xuéxí Zhōngwén. 私は今朝、家で中国語を勉強しました。 HSK2-3

  1. 我下午三点去公司。

Wǒ xiàwǔ sān diǎn qù gōngsī. 私は午後3時に会社へ行きます。 HSK2-3

  1. 我学习了两个小时。

Wǒ xuéxí le liǎng ge xiǎoshí. 私は2時間勉強しました。 HSK3

  1. 他在图书馆看了三个小时书。

Tā zài túshūguǎn kàn le sān ge xiǎoshí shū. 彼は図書館で3時間本を読みました。 HSK3

  1. 我们昨天晚上开会开了一个小时。

Wǒmen zuótiān wǎnshang kāihuì kāi le yí ge xiǎoshí. 私たちは昨晩、1時間会議をしました。 HSK3

日本語では「昨日の夜、1時間会議した」のように時間関連の語を柔軟に並べ替えられますが、中国語では「時点」と「期間」で置き場が分かれます。
この区別が入ると、文を作るときに「いつ」と「どれくらい」を混同しなくなります。
短文を組むときは、先に時点を前へ置き、そのあと動詞を置き、長さを言いたければ後ろへ足す、という順で考えると形が崩れません。

日本人が間違いやすい語順ミス5パターン

時間を文末に置くミス

日本語では「私は授業があります、明日」のような並びでも文脈で補えますし、英語でも time expression を文末に置く場面があります。
その感覚のまま中国語を組むと、時間語を最後に送ってしまいがちです。
中国語では、初級の基本文なら時間は主語の後ろ、遅くとも動詞の前に置く形で固めると崩れません。
時間語は動詞より前に置く基本配置が整理されています(Chinese Grammar Wiki)。

典型例はこれです。

× 我上课明天 Wǒ shàngkè míngtiān. 私は授業があります、明日。

○ 我明天上课 Wǒ míngtiān shàngkè. 私は明日授業があります。 [HSK2]

このミスは、「言いたい内容を日本語の順番で後ろに足す」と起こります。
中国語は家具の組み立て図のように順序が決まっていて、時間の部品を後ろに差し込むと全体がはまりません。
短文ではまず 主・時・動 の順で置くと安定します。

もう1組見ておくと感覚が固まります。

× 我去北京下个月 Wǒ qù Běijīng xià gè yuè. 私は北京へ行きます、来月。

○ 我下个月去北京 Wǒ xià gè yuè qù Běijīng. 私は来月北京へ行きます。

場所を動詞後ろに置くミス

英語では “work at home” のように、場所を動詞の後ろへ置く形が自然です。
そのため中国語でも 我工作在家 のように作りたくなりますが、初級の基本文では場所表現は在+場所でまとめて、動詞の前に置くのが原則です。

× 我工作在家 Wǒ gōngzuò zài jiā. 私は働きます、家で。

○ 我在家工作 Wǒ zài jiā gōngzuò. 私は家で仕事をします。 [HSK2]

この並びは、前のセクションで見たテンプレートにそのまま当てはまります。
場所は動作の舞台なので、動詞より先に出しておくと文の流れが自然です。
中国で働いていた頃も、会議前に「今日はどこで作業するか」を伝える場面では、先に場所を置くほうが通りが良いと実感しました。

同じ型でもう1つ挙げます。

× 他吃饭在公司 Tā chīfàn zài gōngsī. 彼は食事をします、会社で。

○ 他在公司吃饭 Tā zài gōngsī chīfàn. 彼は会社で食事をします。

助詞頼みの倒置ミス

日本語は助詞があるので、「りんごは私は好き」「私はりんごが好き」のように、少し順番を動かしても意味が保てます。
中国語にはその支えが薄いため、日本語の感覚で語を前後させると不自然さが一気に出ます。

× 苹果我喜欢 Píngguǒ wǒ xǐhuan. りんごは私は好きです。

○ 我喜欢苹果 Wǒ xǐhuan píngguǒ. 私はりんごが好きです。 [HSK1-2]

もちろん、中国語にも話題化のために目的語を前に出す構文はあります。
ただ、初学者が「助詞があるつもり」で自由に並べ替えると、基本文の骨格が崩れます。
まずは 主語+動詞+目的語 を守るほうが失点も誤解も減ります。

同じタイプのミスは会話でもよく出ます。

× 中文我学习 Zhōngwén wǒ xuéxí. 中国語は私は勉強します。

○ 我学习中文 Wǒ xuéxí Zhōngwén. 私は中国語を勉強します。

この種の誤りは、「何を」を先に言いたい気持ちに引っぱられて起こります。
そんなときは、最小原則の 主・時・場・副・動・目・補 に当てはめると戻しやすくなります。
中文 は目的語なので、動詞 学习 の後ろに置く、という発想です。

很の誤用

形容詞述語では、 が意味の強調というより、文としてのつながりを整える役割で頻出します。
日本語の「私は忙しいです」をそのまま「私は+です+忙しい」と分解してしまうと、我是很忙 のような形になりやすいのですが、ここは別物として覚えたほうが早いです。

× 我是很忙 Wǒ shì hěn máng. 私はとても忙しいです。

○ 我很忙 Wǒ hěn máng. 私は忙しいです。 [HSK2]

筆者も中国語のメールを書き始めた頃、状況説明で「我是很忙」と送ってしまったことがあります。
文法的に言いたいことは伝わっても、口語の自然さから少し外れていて、硬く引っかかる表現でした。
その後、日常会話では相手がほぼ一貫して「我很忙」を使うのを見て、很 は「とても」だけでなく、形容詞述語の標識として機能すると腹落ちしました。

似た例も押さえておくと便利です。

× 他是很高 Tā shì hěn gāo. 彼は背が高いです。

○ 他很高 Tā hěn gāo. 彼は背が高いです。

一方で、名詞述語なら 是 を使います。
他是老师(Tā shì lǎoshī./彼は先生です)。
ここで混乱しないためにも、名詞には 是、形容詞には 很 を先に疑うくらいでちょうどいいです。

補語と目的語の位置ミス

補語が入ると、日本語話者は目的語を先に置いてしまいがちです。
けれど結果補語は、動詞のすぐ後ろに付きます。
目的語はその後ろです。
ここがずれると、中国語らしい完成形になりません。

× 我看书完了 Wǒ kàn shū wán le. 私は本を読み終えました。

○ 我看完书了 Wǒ kànwán shū le. 私は本を読み終えました。 [HSK3]

この文では、完 は 看 を補足して「見終える・読み終える」という結果を作っています。
だから 看完 を先に固め、そのあとに目的語の 书 を置きます。
補語を動詞から引き離さない、と覚えると整理できます。

同じ仕組みの例をもう1つ見ると、型が定着します。

× 我写汉字好 Wǒ xiě Hànzì hǎo. 私は漢字を書くのが上手です。

○ 我写汉字写得好 Wǒ xiě Hànzì xiě de hǎo. 私は漢字を書くのが上手です。

補語は「後ろに何か足す」だけではなく、どの語を補っているかが位置で決まります。完 は 看 に、好 は 写 にかかるので、動詞のそばに置く必要があります。

追加の誤文→正解

ここでは、よくある誤文をまとめて直します。
検算には 主・時・場・副・動・目・補 を使うと便利です。
どの語が時間なのか、場所なのか、目的語なのかを振り分けるだけで、並びの修正点が見えてきます。

  1. × 我吃饭今天在公司

Wǒ chīfàn jīntiān zài gōngsī. 私は食事をします、今日、会社で。

○ 我今天在公司吃饭 Wǒ jīntiān zài gōngsī chīfàn. 私は今日、会社で食事をします。

時間と場所はどちらも動詞の前です。主語の後ろに時間、その後に場所を置くと骨格が整います。

  1. × 他学习汉语在学校

Tā xuéxí Hànyǔ zài xuéxiào. 彼は中国語を勉強します、学校で。

○ 他在学校学习汉语 Tā zài xuéxiào xuéxí Hànyǔ. 彼は学校で中国語を勉強します。

在学校 は場所なので、学习 の前に出します。漢语 は目的語なので動詞の後ろです。

  1. × 我昨天买了在商店书

Wǒ zuótiān mǎi le zài shāngdiàn shū. 私は昨日、店で本を買いました。

○ 我昨天在商店买了书 Wǒ zuótiān zài shāngdiàn mǎi le shū. 私は昨日、店で本を買いました。

昨天 は時間、在商店 は場所、买 は動詞、书 は目的語です。順番を役割ごとに戻すと自然になります。

  1. × 她是很累今天

Tā shì hěn lèi jīntiān. 彼女は今日は疲れています。

○ 她今天很累 Tā jīntiān hěn lèi. 彼女は今日は疲れています。

形容詞述語なので 是 は不要です。今天 は時間なので前、很累 が述語になります。

  1. × 我听中文懂了

Wǒ tīng Zhōngwén dǒng le. 私は中国語を聞いて理解しました。

○ 我听懂中文了 Wǒ tīngdǒng Zhōngwén le. 私は中国語を聞いて理解しました。

懂 は結果補語なので、听 の直後に置いて 听懂 を作ります。中文 はその後ろです。

  1. × 我明天去上海在晚上

Wǒ míngtiān qù Shànghǎi zài wǎnshang. 私は明日の夜、上海へ行きます。

○ 我明天晚上去上海 Wǒ míngtiān wǎnshang qù Shànghǎi. 私は明日の夜、上海へ行きます。

明天晚上 は時点なので、まとめて動詞の前に置きます。ここでは 在 は不要です。

  1. × 这本书我看完了昨天

Zhè běn shū wǒ kànwán le zuótiān. この本を私は昨日読み終えました。

○ 我昨天看完了这本书 Wǒ zuótiān kànwán le zhè běn shū. 私は昨日この本を読み終えました。

話題化を避けて基本文に戻すと、主語、時間、動詞+補語、目的語の順になります。HSK対策でも会話でも、この基本形の再現性が高いです。

  1. × 我很喜欢去北京旅游明年

Wǒ hěn xǐhuan qù Běijīng lǚyóu míngnián. 私は北京へ旅行に行くのが好きです、来年。

○ 我明年很喜欢去北京旅游 Wǒ míngnián hěn xǐhuan qù Běijīng lǚyóu. 私は来年、北京へ旅行に行くのがとても楽しみです。

この文はやや不自然な意味合いが残るので、実際には「我明年想去北京旅游」のほうが通りが良い場面もあります。
ただ、語順だけ見れば 明年 は時間なので前に置きます。
語順の検算と、言いたい意味に合う動詞選びは分けて考えると混乱しません。

短文を直すときは、まず単語の意味ではなく役割を見ることです。
主語なのか、時間なのか、場所なのか、補語なのかを先に決めるだけで、誤文の多くは自力で戻せます。
日本語の助詞感覚をいったん外して、部品を所定の位置に置く意識へ切り替えると、語順ミスは目に見えて減っていきます。

練習問題で自己チェック

並べ替え問題

ここでは、語群を見て 主・時・場・副・動・目・補 のどれに当たるかを先に振り分けてから並べます。
筆者は社内研修でこの型を先に紙に書かせ、そのあと中国語に直す方法をよく使っていましたが、いきなり中文を組み立てるより定着が明らかに良かったです。
中国語は語順が家具の組み立て図のように決まっているので、部品の役割を先に見抜くと崩れません。
Chinese Grammar Wikiの中国語語順整理でも、時間や場所が動詞の前に集まりやすい骨格が体系的に示されています。

  1. 我/在公司/明天/开会

正解は 我明天在公司开会 です。 我 が主、明天 が時、在公司 が場、开会 が動です。時間を主語の後ろに置き、場所をその後ろに置くと自然な順になります。

  1. 她/汉语/认真地/学习/在图书馆/每天

正解は 她每天在图书馆认真地学习汉语 です。
她 が主、每天 が時、在图书馆 が場、认真地 が副、学习 が動、汉语 が目です。
副詞は動詞の前に置くので、认真地 は 学习 の直前に来ます。

  1. 我们/了/这本书/昨天/看完

正解は 我们昨天看完了这本书 です。
我们 が主、昨天 が時、看完 が動+補、了 がアスペクト、这本书 が目です。
完 は結果補語なので、看 の後ろに密着させます。

  1. 你/咖啡/今天早上/吗/喝

正解は 你今天早上喝咖啡吗 です。
これは 吗疑問 の確認問題でもあります。
平叙文の 你今天早上喝咖啡 に、語順を変えず文末の 吗 を足すだけです。
英語のように語順を入れ替えないので、初学者が形を保ちやすいタイプです。

日→中作文

日本語から中国語にするときも、まず「誰が・いつ・どこで・どう・何を」を分解すると文が安定します。
短文であっても、日本語の語順をそのまま移すより、部品を一度ばらして並べ直したほうがミスが減ります。

  1. 私は昨日家で映画を見た。

模範解答は 我昨天在家看了电影 です。
ピンインは Wǒ zuótiān zài jiā kàn le diànyǐng. 訳は「私は昨日家で映画を見ました」です。
昨天 が時間、在家 が場所、看了 が動詞、电影 が目的語です。

  1. 彼は今朝学校で中国語を勉強した。

模範解答は 他今天早上在学校学习了汉语 です。
ピンインは Tā jīntiān zǎoshang zài xuéxiào xuéxí le Hànyǔ. 訳は「彼は今朝、学校で中国語を勉強しました」です。
今天早上 をひとかたまりの時間表現として前に置き、その後に場所を置きます。

  1. 私たちは明日北京へ行きますか。

模範解答は 我们明天去北京吗 です。
ピンインは Wǒmen míngtiān qù Běijīng ma? 訳は「私たちは明日北京へ行きますか」です。
まず平叙文の 我们明天去北京 を作り、そのまま末尾に 吗 を足します。
語順を保ったまま疑問文にできる点が、中国語の入門段階では大きな助けになります。

誤文訂正

ここでは、前節で扱ったつまずきをそのまま問題にしています。
訂正するときは、単語の意味よりも位置の役割を見るのが近道です。
主・時・場・副・動・目・補 に分解すると、どこがずれているかが見えてきます。

  1. × 我看书在图书馆今天

正しくは 我今天在图书馆看书 です。
解説すると、我 が主、今天 が時、在图书馆 が場、看 が動、书 が目です。
時間と場所が動詞の後ろへ流れているので、中国語の基本配置に戻します。

  1. × 他学习在学校汉语

正しくは 他在学校学习汉语 です。
他 が主、在学校 が場、学习 が動、汉语 が目です。
場所は動詞の前、目的語は動詞の後ろです。
場と目の位置が入れ替わっていた形です。

  1. × 她很去北京想明年

正しくは 她明年很想去北京 です。
她 が主、明年 が時、很 が副、想 が動、去北京 が目的成分です。
時間を前に出し、副詞の 很 は 想 の前に置きます。
主・時・副・動の骨格に戻すと整います。

  1. × 我听中文懂了

正しくは 我听懂中文了 です。
我 が主、听 が動、懂 が補、中文 が目、了 がアスペクトです。
懂 は結果補語なので、動詞の直後に置いて 听懂 にします。
ここは 動・補・目 の順が。

  1. × 你今天去上海吗晚上

正しくは 你今天晚上去上海吗 です。
你 が主、今天晚上 が時、去 が動、上海 が目に近い到達点、吗 が疑問です。
吗 は文末に置き、時間表現は動詞の前にまとめます。
主・時・動・目・吗 の順を崩さないことが軸になります。

解答とミニ解説

自己採点の目安として、ここまでの問題で 80%以上 合っていれば、このセクションの狙いは達成できています。
語順の知識が「わかる」段階から「自力で戻せる」段階に入ったと見てよいラインです。
逆に点が伸びない場合も、語彙不足より配置ミスが原因のことが多いので、覚え直すべき対象はそれほど広くありません。

並べ替え問題では、まず 時間は前、場所も前、副詞は動詞の前、目的語は動詞の後ろ という骨格を守れたかが分かれ目です。
とくに 3 問目と 4 問目は、補語は動詞の後ろ吗 は文末 という二つの頻出ルールを確認するために入れています。
ここが固まると、短文の精度が一段上がります。

日→中作文では、日本語をそのまま並べ替える発想から離れられたかが見どころです。
日本語は助詞で関係を示せますが、中国語は位置そのものが文の意味を支えます。
筆者の研修でも、受講者にいきなり全文を書かせるより、「主・時・場・動・目」を先に欄に埋めさせてから中国語に直したほうが、翌週の再現率が安定していました。
短文ほどこの差がはっきり出ます。

誤文訂正は、知識の確認というより 自己修復力 の練習です。
間違った文を見たときに、「何となく変」ではなく、「場が動の後ろにある」「補が目の後ろに押し出されている」と役割で言えるようになると、作文でも会話でも立て直せます。
特に 動・目・補 の並びと、主・時・場 の前半配置は、今後の把構文や補語表現に進んでもそのまま土台になります。

まとめ:中国語の語順は英語に近いが中国語のルールで覚える

3行まとめ

中国語の骨格は SVO です。ここは英語と近いので、最初の入口としてはつかみやすい部品です。

文が少し長くなると、時間・場所・副詞は動詞の前 に集まり、中国語らしさが出ます。
疑問文も、基本は平叙文の末尾に を付ける形なので、語順そのものは大きく動きません。

その一方で、補語は動詞の後ろ に置かれます。つまり「前に置く要素」と「後ろに付く要素」を分けて覚えると、文が崩れません。

次に学ぶべき文法

ここから先は、語順の骨格に「意味の細部」を足していく段階です。
順番としては、まず副詞、その次に補語、続いて 了/过/着、そして 把構文 に進むと流れがきれいです。
整理すると、骨格の上に前後のパーツを増やしていくイメージです。

副詞は初級で早めに押さえたい分野です。
たとえば 很、都、也、常常、正在 のような語は、動詞や形容詞の前に置かれ、文のニュアンスを一気に変えます。
HSKでは入門〜初級の段階から頻出で、短文会話でも作文でも避けて通れません。

補語は、中国語らしい運用力を作る中心です。
とくに 結果補語、方向補語、可能補語、程度補語 は優先度が高いです。
たとえば「聞いて理解した」「持って来た」「食べきれる」「話すのがうまい」といった内容は、補語を知らないと不自然な遠回りになります。
HSKで見ると、結果補語と方向補語は初中級で頻出、可能補語と程度補語は中級以降で差がつきやすい論点です。

アスペクト助詞の 了/过/着 も早めに触れておくと、時制に引っ張られすぎずに中国語を組み立てられます。
は変化や完了、 は経験、 は持続という軸で覚えると整理できます。
ここはHSK初級後半から中級にかけて避けられない項目です。

把構文 は、「何をどうしたか」を前に出して処理する構文です。
日本語話者には少し独特に見えますが、語順の発想自体はこれまで学んだ延長線上にあります。
目的語を前に出したあと、動詞の後ろに結果や方向を添えるため、補語理解が先にあると一気につながります。
HSKでは中級帯で存在感が増し、作文や読解でも差が出ます。

学習アクションプラン

まず取り組んでほしいのは、SVOの短文を10本、声に出して読むこと です。
その際、主語・動詞・目的語を自分なりに色分けして見ると、骨格が目に残ります。
筆者は独学時代、単語帳より先にこの骨格の反復を増やしたことで、作文の迷いが減りました。

次に、「主語+時間+場所+動詞+目的語」 の型で、自分の予定を3文作ってみてください。
たとえば「私は明日会社で会議をします」「私は今晩家で中国語を勉強します」といった、自分の日常に近い内容が向いています。
自分の予定は語彙を無理に増やさなくても書けるので、語順だけに集中できます。

そのうえで、次の学習テーマを 副詞 → 補語 → 了/过/着 の順に進めると、積み上がり方が自然です。
把構文は、そのあとに入れると理解が安定します。
筆者自身、会話で語順に迷ったときは、細かい表現をひねり出すより、まず時間と場所を先に置く基本形へ戻すようにしていました。
この一点に立ち返るだけで、言葉が前へ出る感覚が一段変わります。

HSK改訂の最新注記(編集上の留意点)

ここで触れた「新HSK3.0」に関する報道・解説は、専門メディア(例: Mandarin Zone)が整理した内容を参考にしています。
制度変更の具体的な日付や数値を扱う場合は、必ずHSK運営主体の公式発表で一次確認してから本文に反映してください。

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中村 大輝

中国現地企業で5年間勤務。HSK6級・中検準1級取得。文法の体系的整理とビジネス中国語の実践的な解説に強み。

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把構文(把字句)は、主語+把+目的語+動詞+結果などの形で、目的語にどう処置を加え、その結果どうなったかを前に出して伝える構文です。学習サイトや対策書では一般にHSK3〜4級相当の学習範囲で扱われることが多い一方、HSKの中央公式シラバスが把構文を明確にどの級に割り当てているかまでは確認できません。