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中国語の疑問文5パターン|吗・呢・还是の使い分け

更新: 中村 大輝
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中国語の疑問文5パターン|吗・呢・还是の使い分け

中国語の疑問文は、分類の切り方によって4つ、6つ、7つと説明の仕方が分かれます。ここで提示するのは、あくまで筆者の教育経験に基づく一案です。初学者には「まずは扱いやすい枠組みで全体像をつかむ」ことが有効だと感じており、本稿では学習上扱いやすい「5パターン」で見取り図を示します。

中国語の疑問文は、分類の切り方によって4つ、6つ、7つと説明の仕方が分かれます。
ここで提示するのは、あくまで筆者の教育経験に基づく一案です。
初学者には「まずは扱いやすい枠組みで全体像をつかむ」ことが有効だと感じており、本稿では学習上扱いやすい「5パターン」で見取り図を示します。
分類の分け方には他の整理法もあるため、後段で別案や参考文献にも触れます。
まず押さえたいのは、文末助詞の吗を使うYes/No疑問です。
平叙文の末尾に吗を置くだけで質問になります(ここでの説明は「初級学習で扱う安全な指導法」の一つとして示しています)。
nǐ máng ma? 你忙吗? あなたは忙しいですか。
この型への返答は、単に「はい/いいえ」を言うよりも、質問に使われた述語をそのまま返すほうが自然です。
たとえば「忙。
」または「不忙。
」のように答えます。
nǐ qù nǎr? 你去哪儿? あなたはどこへ行きますか。
返答はYes/Noではなく、内容そのものです。
「我去公司。
」のように、場所や人や物を具体的に答えます。

3つ目は反復疑問文です。
肯定と否定を並べて尋ねる形で、V不V是不是有没有などがここに入ります。
nǐ qù bù qù? 你去不去? あなたは行きますか、行きませんか。
答え方は、肯定か否定のどちらかを選んで返します。
「去。
」または「不去。
」のように返すと簡潔です。
中国語の疑問文は6パターンを覚えるでも、この型は独立した重要パターンとして整理されています。

4つ目は選択疑問文で、A 还是 Bの形を取ります。
相手に二択、あるいは複数の候補から選んでもらう質問です。
nǐ hē chá háishi kāfēi? 你喝茶还是咖啡? あなたはお茶を飲みますか、それともコーヒーを飲みますか。
返答はAかBを選ぶ形になります。
「喝茶。
」でも「我喝咖啡。
」でも構いません。
ポイントは、Yes/Noで返す質問ではなく、選択肢のどれかを返す質問だということです。

5つ目は呢を使う省略型・話題継続型です。
これは少し文脈依存ですが、会話では頻度が高く、外すとかえって不自然になります。
nǐ ne? 你呢? あなたは? 返答は前の文脈を受けて補う形になります。
たとえば相手が「我喝茶。
」と言ったあとなら、「我喝咖啡。
」と返せます。
また、名詞句に付けて「〜は?」という省略型を作ることもあります。
lǎoshī ne? 老师呢? 先生は? この場合は「先生はどこですか」「先生はどうしましたか」のように、前後の会話で意味が補われます。
疑問詞文の末尾に呢を置くと、語気をやわらげたり、答えを促したりする働きもあります。

5パターンを「何を聞いているか」と「どう返すか」で並べると、頭の中で次のように整理できます。

パターン基本形何を聞くか基本の答え方
文末助詞吗平叙文+吗?Yes/No肯定・否定で返す
疑問詞疑問文疑問詞を入れる内容内容を具体的に返す
反復疑問文V不V / 是不是 / 有没有肯定か否定か肯定か否定のどちらかで返す
選択疑問文A还是B?どちらを選ぶかAかBを選んで返す
呢の疑問用法名詞句+呢? / 疑問詞文+呢? / 你呢?話題の継続・省略部分文脈に応じて補って返す

語順の原則

中国語の疑問文でまず安心してよいのは、英語のような倒置を考えなくてよい点です。
基本は平叙文の語順のままで、必要な場所を疑問の形に変えます。
主語、動詞、目的語の並びを保ったまま作れるので、最初に覚える負担が軽くなります。

たとえば平叙文の「你是老师。
」は、吗を付けて「你是老师吗?」にできます。
疑問詞を使うなら、聞きたい部分だけを入れ替えて「你是谁?」になります。
選択疑問文でも「你喝茶还是咖啡?」のように、文の骨組み自体は崩れません。
反復疑問文も同様で、「你去不去?」は動詞部分を肯定否定にしただけです。

ここでの原則は3つです。
1つ目は、疑問詞疑問文では通常、文末に吗を付けないという点です(初級学習では「付けない」を安全な指導方針としています)。
ただし文脈や口語表現、地域差により例外があるため、実際の使用では柔軟性が必要です。
2つ目は、反復疑問文にも一般的に吗を重ねないことです。
3つ目は、選択疑問文の还是も通常文末に吗を付けないことです。
これらは「初級でのまず守るべきルール」として提示しています。
呢については少し扱いが異なります。
呢はYes/Noを作る助詞ではなく、話題をつないだり、省略された内容を相手に補ってもらったりする働きが中心です。
ですから吗の代わりとして何にでも置けるわけではありません。
ここを切り分けると、「質問っぽい語尾をとりあえず足す」という癖が抜けます。

本記事の読み方

このあと本文では、5パターンをそれぞれ個別に掘り下げます。
読む順番は、基本的には吗、疑問詞、反復疑問文、还是、そして呢の順で追うと流れが自然です。
最初の3つで「Yes/Noか、内容か」という大きな分岐が固まり、そのあとに「選ばせる質問」と「文脈を受ける質問」を重ねると、会話の場面に当てはめやすくなります。

読み進めるときは、「作り方」だけでなく「返し方」にも目を向けてください。
中国語の疑問文は質問形式と返答形式が対になっていることが多く、たとえば疑問詞疑問文では通常文末に吗を付けません(初級指導では「付けない」を基本に教えるのが安全です)。
ただし、文脈や口語表現、地域差による例外や不定用法も存在するため、実際の会話では柔軟に対応する必要があります。

吗は、平叙文の最後に付けてYes/Noで答える疑問文を作る文末助詞です。
中国語では英語のように語順をひっくり返す必要がなく、ふつうの文に吗を足すだけで質問になります。
まずはこの型を体に入れると、会話の入口が安定します。

構文公式はとてもシンプルです。

平叙文+吗?

たとえば、平叙文が次の形だとします。

Nǐ shì Rìběnrén. 你是日本人。 あなたは日本人です。

これを疑問文にすると、こうなります。

Nǐ shì Rìběnrén ma? 你是日本人吗? あなたは日本人ですか。

同じ型で、動詞文もそのまま作れます。

Nǐ xǐhuan kāfēi ma? 你喜欢咖啡吗? あなたはコーヒーが好きですか。

Nǐ qù gōngsī ma? 你去公司吗? あなたは会社に行きますか。

Tā yǒu shíjiān ma? 他有时间吗? 彼は時間がありますか。

日本語だと「ですか」を付ける感覚に近いのですが、中国語では文の骨組みを変えないのが判断材料になります。
初心者のうちは、まず「言い切りの文を作る → 文末に吗を置く」という順番で組み立てると崩れません。

会話では、この吗の疑問文が確認にとても強いです。
とくに会議や打ち合わせで、相手の理解や予定を短く確かめる場面では、是不是をすぐ返せるだけで会話のテンポが目に見えて上がります。
文法として覚えるだけでなく、即答の型として持っておく価値があるわけです。

なお、中国語の疑問文には複数の型があります。
その中でも吗は、まず最初に押さえるべき基本形です。
ただし、反復疑問文の「是不是」「V不V」「有没有」などは別パターンで、そこにさらに吗は付けません。

たとえば次の形は自然です。

Nǐ shì bú shì lǎoshī? 你是不是老师? あなたは先生ですか。

Nǐ qù bu qù? 你去不去? あなたは行きますか、行きませんか。

Tā yǒu méiyǒu shíjiān? 他有没有时间? 彼は時間がありますか。

これらはすでに疑問の仕組みを持っているので、文末に吗を重ねないと整理しておくと境界がはっきりします。

返答の型

吗の疑問文に対しては、肯定か否定で返すのが基本です。
ここで日本語話者が引っかかりやすいのが、「はい」「いいえ」をそのまま中国語に置き換えようとしてしまう点です。
中国語では、それよりも質問に使われた述語を繰り返して返すほうが自然です。

たとえば、

Nǐ shì Rìběnrén ma?(あなたは日本人ですか?) 你是日本人吗? あなたは日本人ですか。

この質問には、次のように返します。肯定する場合は「是」、否定する場合は「不是」を短く返すのが自然です(会話では述語をそのまま繰り返す形がよく使われます)。

Shì. 是。 はい、そうです。

Bú shì. 不是。 いいえ、違います。

動詞でも同じです。

Nǐ xǐhuan kāfēi ma? 你喜欢咖啡吗? (この例は動詞「喜欢」を述語にした典型的な Yes/No 疑問文です。
会話では述語を繰り返して「喜欢。
/ 不喜欢。
」と短く返すのが自然です。
) あなたはコーヒーが好きですか。

Xǐhuan. 喜欢。 好きです。

Bù xǐhuan. 不喜欢。 好きではありません。

中国語 文法 疑問詞疑問文:解説のような教育機関の教材でも、中国語の疑問文は語順より「どの型で聞いて、どう返すか」を押さえることが軸になります。
実際の会話でも、是/不是有/没有喜欢/不喜欢のように返せると、短くても意味がはっきり伝わります。

ひとつ気を付けたいのが、否定文で聞かれたときの返答です。ここは日本語の感覚をそのまま持ち込むと混乱しやすいところです。

たとえば、

Nǐ bú shì Rìběnrén ma? 你不是日本人吗? あなたは日本人ではないのですか。

この質問に対して、「日本人ではありません」と言いたいなら、「日本人ではありません」と答えればよいです。

Bú shì. 不是。 いいえ、日本人ではありません。

「日本人です」と言いたいなら、

Shì. 是。 はい、日本人です。

となります。
中国語では、日本語の「はい・いいえ」で質問全体に答えるというより、事実が肯定か否定かをそのまま返す感覚です。
質問文が否定形でも、返事の基準はあくまで内容です。

もうひとつ例を見ておくと、この感覚が固まります。

Tā méi yǒu shíjiān ma? 他没有时间吗? 彼は時間がないのですか。

本当に時間がないなら、

Méi yǒu. 没有。 ありません。

時間があるなら、

Yǒu. 有。 あります。

ここで「はい=有、いいえ=没有」と機械的に対応させるとずれます。
中国語の返答は、相手の述語を受けて、その内容を肯定するか否定するかで決まる、と覚えるほうが実用的です。

ℹ️ Note

吗の返答は、「はい・いいえ」ではなく「是/不是」「有/没有」「去/不去」のように、質問の中心語をそのまま返すと自然です。

疑問詞とは併用しない原則と不定用法

吗は便利なので、覚えた直後は何にでも付けたくなります。ただ、疑問詞が入っている文には通常吗を付けません。 ここは初級で必ず切り分けたい原則です。

たとえば、内容を尋ねる文では、聞きたい部分を疑問詞に置き換えるだけで質問になります。

Nǐ chī shénme? 你吃什么? あなたは何を食べますか。

ℹ️ Note

疑問詞+吗 が「不定用法(何か/誰か)」に変わる場合があります。初級では「疑問詞を使う文には通常吗を付けない」を基準にしておくと混乱が減りますが、文脈次第で意味が変わる点に注意してください。

他是谁? 彼は誰ですか。

Nǐ qù nǎr? 你去哪儿? あなたはどこへ行きますか。

こうした文に吗を付けてしまうと、初級文法の軸から外れます。
中国語 文法 疑問詞疑問文:解説でも、疑問詞疑問文は語順を保ったまま、知りたい部分を疑問詞にする形で説明されています。
つまり、Yes/Noを聞くのが吗、内容を聞くのが疑問詞です。
役割が違うわけです。

そして見逃せないのが、疑問詞+吗 が別の意味になることがある点です。これは通常の疑問ではなく、不定用法として「なにか」「だれか」の意味を表します。

最小対比で見ると違いがはっきりします。

Nǐ chī shénme? 你吃什么? あなたは何を食べますか。

Nǐ chī shénme ma? 你吃什么吗? あなたは何か食べますか。

前者は「何を」という内容質問です。
後者は「何か」という不定の意味が入り、Yes/Noで答える文に変わります。
中国語の疑問文の作り方とポイントや疑問詞疑問文と不定用法でも、この違いが整理されています。

同じことは人を表す疑問詞でも起こります。

Yǒu shéi lái? 有谁来? 誰が来ますか。

Yǒu shéi lái ma? 有谁来吗? 誰か来ますか。

このように、疑問詞+吗=必ず質問強化ではありません。
むしろ意味がずれて、「不特定の何か・誰か」を表す形になることがあるため、初級では「疑問詞の文に吗は付けない」を基準にしておくと混乱が減ります。

整理すると、吗はYes/Noで答えるためのマーク、疑問詞は中身を聞くためのマークです。
さらに、反復疑問文の「是不是」「去不去」「有没有」もすでに質問として完成しているので吗を加えません。
ここまで切り分けられると、吗をどこに使い、どこでは使わないかが文の形から判断できるようになります。

呢の使い方|あなたは?〜は?とやわらかい聞き方

名詞句+呢の省略型

呢の役割は、Yes/No を作ることではなく、前提になっている話題を受けて続きを尋ねることにあります。
ここで最初に押さえたいのが、名詞句+呢? という省略型疑問文です。
形は短いですが、頭の中では文全体が省略されています。

たとえば、

Nǐ ne? 你呢? あなたは?

Shǒujī ne? 手机呢? スマホは?/スマホはどこ?

この形は、文脈があって初めて意味が定まります。
你呢? なら「あなたはどうですか」「あなたはどう思いますか」「あなたは何を飲みますか」のように、直前の話題をそのまま引き継ぎます。
手机呢? も「スマホはどうしたの」「スマホはどこにあるの」という含みを持ちます。
つまり、呢そのものに「どこ」や「どう」が入っているのではなく、省略された部分を会話の流れから補って理解するわけです。
初級ではここを「短い疑問文」とだけ覚えるより、前の文を受けて未完成の部分を相手に渡す形と捉えると、使う場面が見えてきます。

たとえば次のような流れです。

Wǒ qù Běijīng. Nǐ ne? 我去北京。你呢? 私は北京に行きます。あなたは?

Wǒ de shū zài zhèr. Nǐ de ne? 我的书在这儿。你的呢? 私の本はここです。あなたのは?

ここで 你呢吗? のように吗を足すことはしません。
初級のルールとしては、吗は平叙文を Yes/No 疑問にする助詞、呢は話題を受けて続きを問う助詞です。
役割が違うので、ここでは併用しないと考えると整理しやすくなります。

疑問詞文+呢の語気

呢は、省略型だけでなく疑問詞疑問文の文末に付いて語気をやわらげることもあります。意味そのものを変えるというより、相手に答えを促す響きを加えるイメージです。

たとえば、

Nǐ qù nǎr? 你去哪儿? あなたはどこへ行きますか。

Nǐ qù nǎr ne? 你去哪儿呢? あなたはどこへ行くの?

後者のほうが、少しやわらかく、会話の流れに乗った聞き方になります。
詰問調というより、「で、どこに行くの?」と自然に続きを聞く感じです。
何を聞いているかは疑問詞が決めていて、呢はその聞き方の温度を下げると捉えると理解しやすいのが利点です。

同じように、

Tá shì shéi? 他是谁? 彼は誰ですか。

Tá shì shéi ne? 他是谁呢? 彼は誰なんですか。

このようにすると、断定を迫るよりも、相手の説明を待つ語気になります。
吗、呢、吧の使い方まとめでも、こうした呢は会話でのやわらかい響きと結びつけて説明されています。

ここでも 吗との違い を切り分けておくと混乱が減ります。
你去哪儿? は疑問詞だけで内容を聞く文として完成しています。
そこに吗を付けるのではなく、語気を少し整えたいときに呢が入る、という順番です。
初級では、疑問詞文には通常吗を付けず、呢は付けられると覚えておくと、誤用を防げます。

ℹ️ Note

吗は質問の型を作る、呢は話題の流れや語気を整える。この違いを意識すると、文末助詞の迷いが減ります。

なお、呢には進行・継続を表す用法もあります。
たとえば 在+V+呢 の形です。
ただしこれは、ここで扱っている「省略型疑問文」や「やわらかい問いかけ」とは別の働きです。
本記事では補足にとどめ、まずは疑問で使う呢に絞って区別しておくほうが混同を防げます。

会話定番你呢?の運用

会話で最も出番が多い呢の形は、やはり 你呢? です。短いのに会話のバトンを自然に相手へ渡せるので、初級の段階から覚えておくと実戦で効きます。

たとえば、

A: Wǒ xǐhuan kāfēi. Nǐ ne? A: 我喜欢咖啡。你呢?

💡 Tip

会話練習では「質問の型」と「期待する返答の型」をセットで暗唱すると定着が速いです。たとえば「你是日本人吗? → 是/不是」「你呢? → 内容で返す」「你喝咖啡还是喝茶? → 選択で返す」の順で繰り返してみてください。

B: Wǒ yě xǐhuan. B: 我也喜欢。 B: 私も好きです。

この一往復だけで、自己紹介で終わりがちな会話がきちんと往復になります。
筆者も雑談の場で 我喜欢咖啡。
你呢?
がすっと出るようになってから、こちらだけ話して終わる形が減り、相手の好みや考えを引き出せる場面が増えました。

もう少し場面を変えると、こんな使い方もあります。

A: Wǒ jīntiān bú qù. A: 我今天不去。 A: 私は今日行きません。

B: Nǐ ne? B: 你呢? B: あなたは?

A: Wǒ yě bú qù. A: 我也不去。 A: 私も行きません。

ここでの 你呢? は、前の述語を丸ごと受けています。
実際には「あなたは行きますか」「あなたはどうしますか」と言っているのに近いのですが、中国語では全部を繰り返さず、相手と共有できている部分を省いて短く返すほうが会話らしくなります。

中国語の疑問文は6パターンを覚えるでも、疑問文は細かな分類より「どの型で聞くか」を押さえることが軸とされていますが、你呢? はその中でも会話の接続力が高い表現です。
単独で暗記するというより、前の文を受けて返すセットで身につけると使う場面が増えます。

そしてここでも、你呢?に吗は足さないという初級ルールを守ると形が安定します。
吗は「あなたは〜ですか」と文を立てる助詞で、呢は「ではあなたは?」と話題を返す助詞です。
似たように文末に置かれるので混同しやすいのですが、働きは別物です。
呢を見たら、Yes/No の印ではなく、話題の引き継ぎとやわらかい促しを思い浮かべると、会話の流れに乗せやすくなります。

还是の使い方|AかBかを選んでもらう疑問文

構文と答え方

整理すると、还是は選択肢を並べて、相手にどちらかを選んでもらう疑問文で使います。
基本の形は A 还是 B? です。
ここで押さえたい軸は2つで、選択疑問文には通常吗を付けないこと、そして答えは Yes/No ではなく A か B で返すことです。

たとえば 你喝咖啡还是喝茶? なら、「飲みますか、飲みませんか」を聞いているのではなく、「コーヒーとお茶のどちらですか」を聞いています。
だから返答も 喝咖啡。
喝茶。
のように、選択肢そのもので返すのが自然です。
筆者もカフェで相手の希望を聞くとき、你喝咖啡还是喝茶? が口から出るようになってから、注文前のやり取りが短くまとまり、会話の流れが止まりませんでした。

まずは定番の型をそのまま覚えると安定します。

Ni hē kāfēi háishì hē chá? 你喝咖啡还是喝茶? コーヒーを飲みますか、それともお茶を飲みますか。

Hē kāfēi. 喝咖啡。 コーヒーを飲みます。

時間帯を選んでもらう形も、日常会話でよく出ます。

Wǒmen shàngwǔ háishì xiàwǔ qù? 我们上午还是下午去? 私たちは午前に行きますか、それとも午後に行きますか。

Xiàwǔ qù. 下午去。 午後に行きます。

移動手段でも同じです。

Nǐ zuò dìtiě háishì dǎ chē? 你坐地铁还是打车? 地下鉄で行きますか、それともタクシーに乗りますか。

Zuò dìtiě. 坐地铁。 地下鉄で行きます。

この型では、文末に を足して 你喝咖啡还是喝茶吗? のようにしないのが基本です。
『中国語の疑問文』でも、選択疑問文は A 还是 B の形で作り、通常は を付けないと整理されています。
初級では、「Yes/No を聞くなら吗、A/B を選んでもらうなら还是」と分けると、形が崩れません。

音の流れの一例を示すと、A↗︎ 还是↘︎ B のような抑揚で言うと自然に聞こえることが多い、という指導例があります。
ただし韻律やイントネーションは話者や地域によって差があり、普遍的なルールとは言えません。
学習時は「一つの耳の入れ方」として音声例を聞き、実際の会話で真似してみるのが有効です。

ℹ️ Note

还是は選ばせる質問、返事も選択肢で返す。この1点を守るだけで、吗との混同がぐっと減ります。

还是と或者の比較表

初級で混同しやすいのが、还是と或者です。
日本語ではどちらも「それとも」「または」と訳される場面があり、見た目だけだと区別しづらいのですが、働きははっきり分かれています。
还是は疑問文で相手に選ばせる語、 或者は平叙文を中心に「AまたはB」と述べる語です。

たとえば、店員が客に希望を聞くなら 咖啡还是茶? です。
一方で、「朝はコーヒーまたはお茶を出します」と説明するなら 咖啡或者茶 の発想になります。
片方は質問、もう片方は説明です。

以下の表で並べると、差が見えやすくなります。

項目还是或者

ℹ️ Note

音の抑揚(プロソディ)は話者や地域による差が大きく、A↗︎ 还是↘︎ B のようなパターンは「自然に聞こえる一例」として参考にしてください。普遍的な規則として断定するものではありません。 [!WARNING] 音声の抑揚に関する助言は指導上有用ですが、地域差や話者差が存在します。本稿の音調アドバイスは「練習の出発点」として扱い、実際の会話例や音声資料で確認してから模倣することをおすすめします。

文のタイプ選択疑問文平叙文中心
相手に求めるものA/B のどちらかの選択情報の提示・可能性の列挙
典型的な答え方A か B を選んで返す文全体の内容を受けて答える
初級での誤り文末に吗を付ける疑問文でそのまま使う

実例で見るとさらに明確です。

Ni jīntiān xiǎng chī mǐfàn háishì miàntiáo? 你今天想吃米饭还是面条? 今日はご飯がいいですか、それとも麺がいいですか。

これは相手に選んでもらう文です。答えは 米饭。面条。 になります。

一方で、

Jīntiān wǒmen kěyǐ chī mǐfàn huòzhě miàntiáo. 今天我们可以吃米饭或者面条。
今日はご飯または麺が食べられます。

こちらは選択肢を説明しているだけで、文自体は質問ではありません。汉语学习班の『或者と还是の違いと使い分け』でも、この違いは疑問文か平叙文かで整理されています。

学習の現場では、日本語の「それとも」に引っぱられて或者を疑問文に入れてしまう人が多いです。
ただ、会話の運用では「相手に選んでほしいなら还是」と固定したほうが迷いません。
逆に、選択肢を説明資料のように並べるなら或者が合います。
文の目的が違うから、使う語も変わるということです。

反復疑問文との住み分け

还是と似た位置で迷いやすいのが、是不是V不V のような反復疑問文です。
どちらも会話で頻出ですが、区別の軸は何を答えさせたいかにあります。
反復疑問文は肯定か否定かを確認する形、还是は複数の選択肢からどれかを選んでもらう形です。

たとえば、

Nǐ shì bú shì lǎoshī? 你是不是老师? あなたは先生ですか。

これは確認の質問なので、答え方は 是。 / 不是。 です。

Ta qù bu qù? 他去不去? 彼は行きますか、行きませんか。

これも答えは 去。 / 不去。 という肯定・否定の型になります。

それに対して、

Nǐ míngtiān zài jiā háishì qù gōngsī? 你明天在家还是去公司? 明日、家にいますか、それとも会社に行きますか。

これは Yes/No の確認ではなく、行動の選択です。したがって 在家。 または 去公司。 と返します。

この違いは、文の見た目より返答の型で判断すると崩れません。
反復疑問文は「そうか、そうでないか」を聞いています。
还是の文は「AかBか」を聞いています。
が、初級では分類名を覚えるより、返事が肯定/否定になるか、選択肢になるかを先に見るほうが実戦で役立ちます。

もう一組だけ並べます。

Ni yào bú yào kāfēi? 你要不要咖啡? コーヒーは要りますか。

返事は 要。 / 不要。 です。

Ni yào kāfēi háishì chá? 你要咖啡还是茶? コーヒーがいいですか、それともお茶がいいですか。

返事は 咖啡。 / 茶。 です。

この2文は場面が近いぶん、違いがはっきり見えます。
前者は「要るか要らないか」、後者は「どちらにするか」です。
中国語で会話が止まりやすい人は、質問文そのものより、返事をどう返すべき文かまでセットで覚えると、耳で聞いたときの判断が速くなります。

日本人が間違えやすい3つのポイント

疑問詞+吗の誤用と不定用法

日本語の「いつですか」「誰ですか」に引っぱられると、疑問詞の文にも を足したくなります。
ですが、中国語では 疑問詞そのものが質問機能を持っている ので、通常はそれだけで文が成立します。

たとえば、商談の日程調整で受講者が 明天几点吗? と言ってしまったことがありました。
日本語の感覚では「明日は何時ですか?」なので「ですか」に当たるものを足したくなるのですが、中国語では 明天几点? で完結します。
この1点だけ直したところ、その後の打ち合わせ調整でも 什么时候?谁来? を余計に崩さず言えるようになりました。
初級では、「何を聞いているかが疑問詞で示されているなら、もう質問の形はできている」と押さえると形が安定します。

誤文と正文を対比すると、感覚がつかみやすくなります。

Cuò: Míngtiān jǐ diǎn ma? × 明天几点吗? 明日は何時ですか。

Duì: Míngtiān jǐ diǎn? ○ 明天几点? 明日は何時ですか。

この文で × になる理由は、几点 がすでに「何時」を尋ねる疑問詞だからです。
文末に を足すと、疑問の仕組みが重なって不自然になります。
の文は、聞きたい箇所だけを疑問詞に置き換えているので、中国語の基本形に沿っています。

Cuò: Nǐ jiào shénme míngzi ma? × 你叫什么名字吗? あなたの名前は何ですか。

Duì: Nǐ jiào shénme míngzi? ○ 你叫什么名字? あなたの名前は何ですか。

これも同じで、什么名字 が質問の中心です。 は Yes/No を求める助詞なので、「名前の内容」を聞く文とは役割が合いません。

Cuò: Tā zài nǎr ma? × 他在哪儿吗? 彼はどこにいますか。

Duì: Tā zài nǎr? ○ 他在哪儿? 彼はどこにいますか。

この組み合わせでも、哪儿 が場所を尋ねています。Yes/No 疑問ではないので の出番ではありません。

ここでひとつ見逃せないのが、疑問詞+吗 がいつも単純な誤文になるわけではない点です。
形によっては、質問ではなく 不定用法 に変わり、「何か」「誰か」といった意味になります。
world-language-250の「中国語の疑問文の作り方とポイント」や外大.netの「疑問詞疑問文と不定用法」でも、この変化が整理されています。

たとえば次のペアです。

Shéi lái? 谁来? 誰が来ますか。

Shéi lái ma? 谁来吗? この形は通常の「誰が来ますか?」としては不自然です。

別の文脈では次のように言えます。

Yǒu shéi lái ma? 有谁来吗? 誰か来ますか。

ここでは が単純な疑問詞ではなく、「誰か」という不定の対象に近い働きを帯びます。
つまり、学習者が言いたいのが「誰ですか」なのに を付けると崩れますが、構文全体としては別の意味に化けることがあるわけです。
だからこそ、初級ではまず 疑問詞で聞く文に吗は付けない と固定しておくほうが安全です。

还是+吗の誤用

还是 を使う文は、相手に「AかBか」を選んでもらうための形です。
この時点で質問として完成しているので、文末に を重ねません。
前述の通り、 は Yes/No を聞く助詞で、还是 は選択肢を提示する語です。
聞いている内容そのものが違います。

誤りは、頭の中で「質問文=最後に吗」と機械的に結びついたときに起こります。
ですが、你喝咖啡还是茶? は「飲みますかどうか」ではなく「どちらにするか」を聞いています。
返事も 喝。
/ 不喝。
ではなく、咖啡。
茶。
になります。
文の型は見た目より、答え方 を見ると判別しやすくなります。

修正例を並べます。

Cuò: Nǐ hē kāfēi háishì chá ma? × 你喝咖啡还是茶吗? コーヒーですか、それともお茶ですか。

Duì: Nǐ hē kāfēi háishì chá? ○ 你喝咖啡还是茶? コーヒーですか、それともお茶ですか。

× の理由は、还是 ですでに選択疑問文ができているのに、文末の で Yes/No の枠も重ねているからです。
質問の設計が二重になります。
は A/B の提示だけで閉じており、選択疑問文として自然です。

Cuò: Nǐ míngtiān zài jiā háishì qù gōngsī ma? × 你明天在家还是去公司吗? 明日は家にいますか、それとも会社に行きますか。

Duì: Nǐ míngtiān zài jiā háishì qù gōngsī? ○ 你明天在家还是去公司? 明日、家にいますか、それとも会社へ行きますか。

この文でも返答は 在家。 または 去公司。 です。Yes/No ではなく行動の選択を求めているので、 は入りません。

Cuò: Wǒmen xiān kāihuì háishì xiān chīfàn ma? × 我们先开会还是先吃饭吗? 先に会議をしますか、それとも先に食事をしますか。

Duì: Wǒmen xiān kāihuì háishì xiān chīfàn? ○ 我们先开会还是先吃饭? 先に会議をしますか、それとも先に食事をしますか。

ビジネス場面ではこの種の選択疑問は頻出ですが、还是 を使った時点で文末はそのまま止める、と覚えると形が崩れません。

吗と呢の混同/反復疑問文の再確認

初級でよく起きるもうひとつの混乱が、 を同じ「疑問の語尾」としてまとめて扱ってしまうことです。
実際には役割が違います。
は Yes/No を作り、 は話題の継続、省略された内容の補い、語気の調整に関わります。
この違いを曖昧にすると、你呢吗? のような不自然な形が出てきます。

東京外国語大学の『「中国語 文法 省略型疑問文:解説」』で整理されている通り、你呢? は前の話題を受けて「あなたは?」と返す省略型の文です。
ここに を足すと、役割の異なる助詞を無理に重ねる形になります。
初級では、吗と呢は基本的に単独で使う と押さえておくほうが会話で迷いません。

たとえば次の対比です。

Cuò: Nǐ ne ma? × 你呢吗? あなたはどうですか。

Duì: Nǐ ne? ○ 你呢? あなたはどうですか。

× の理由は、 がすでに前の話題を引き継いで問い返す働きをしているからです。
を付けても意味は増えず、不自然さだけが残ります。
の文は、相手の発話を受けて自然に話題を返しています。

Cuò: Tā zài nǎr ne ma? × 他在哪儿呢吗? 彼はどこにいますか。

Duì: Tā zài nǎr ne? ○ 他在哪儿呢? 彼はどこにいますか。

この は疑問詞文に を添えて、語気をやわらげたり、状況への関心をにじませたりする形です。
ここでも を重ねません。
哪儿 が疑問を担い、 が語気を調整しているので、そこに Yes/No の を入れる余地がないからです。

反復疑問文も、この流れで一緒に確認しておくと混乱が減ります。
V不V是不是有没有 の形は、肯定と否定を並べて質問を作る方式なので、文末に を付けません。
ここでも「質問だから最後に吗」という発想を入れると崩れます。

Cuò: Nǐ qù bu qù ma? × 你去不去吗? あなたは行きますか、行きませんか。

Duì: Nǐ qù bu qù? ○ 你去不去? あなたは行きますか、行きませんか。

× の理由は、去不去 の時点で肯定・否定を対置した疑問文が完成しているからです。 を足すと形式が重複します。

Cuò: Tā shì bu shì lǎoshī ma? × 他是不是老师吗? 彼は先生ですか。

Duì: Tā shì bu shì lǎoshī? ○ 他是不是老师? 彼は先生ですか。

Cuò: Nǐ yǒu méi yǒu shíjiān ma? × 你有没有时间吗? 時間はありますか。

Duì: Nǐ yǒu méi yǒu shíjiān? ○ 你有没有时间? 時間はありますか。

この3つは、どれも 文の中で疑問が完結している のが共通点です。
が必要なのは、平叙文を Yes/No 疑問に変えるときです。
疑問詞、还是、反復疑問文には、それぞれ別の仕組みがあります。
学習の現場でも、初級のうちは「質問なら全部 」という覚え方をほどき、何を答えさせたい文なのか で見分けると、誤用が一気に減っていきます。

例文で比較|吗・呢・还是を入れ替えると何が変わる?

同じ話題でも、何を答えてほしいのか が変わると、使う形も変わります。
ここは暗記よりも、並べて見て耳で差をつかむのが近道です。
筆者が初級者に会話練習をするときも、朝の口慣らしとして 「你是日本人吗?— 你呢?— 你喝咖啡还是喝茶?」 の3連続を何度も回します。
この並びだと、Yes/No、話題の返し、選択の3種類が一息で切り替わるので、会話の立ち上がりが安定します。

中国語の疑問文は6パターンを覚えるでも疑問文を機能ごとに整理していますが、実際の会話では「分類名」より「返事の型」で覚えるほうが定着します。
そこで以下では、同じトピックを 吗/疑問詞/还是/呢/反復 で入れ替え、どこが変わるのかを見ていきます。

自己紹介の比較

初対面の自己紹介では、相手の属性をざっくり確認するのか、内容を具体的に聞くのかで形が変わります。まずは最も基本的な対比です。

1. Yes/Noで国籍を確認する形(吗) Nǐ shì Rìběn rén ma?(あなたは日本人ですか?) 你是日本人吗? あなたは日本人ですか。

答え方の型は Yes/No です。 返答例: Shì, wǒ shì Rìběn rén. 是,我是日本人。 はい、日本人です。

Bú shì, wǒ shì Hánguó rén. 不是,我是韩国人。 いいえ、韓国人です。

2. 出身や所属を具体的に聞く形(疑問詞) Nǐ shì nǎ guó rén? 你是哪国人? あなたはどこの国の人ですか。

答え方の型は 内容で答える になります。 返答例: Wǒ shì Rìběn rén. 我是日本人。 私は日本人です。

3. 相手にも同じ話題を返す形(呢) Nǐ ne? 你呢? あなたは。

答え方の型は 内容で答える です。直前の話題を補って返します。 返答例: Wǒ yě shì Rìběn rén. 我也是日本人。 私も日本人です。

4. 二択で聞く形(还是) Nǐ shì Rìběn rén háishì Zhōngguó rén? 你是日本人还是中国人? あなたは日本人ですか、それとも中国人ですか。

答え方の型は 選択で答える です。 返答例: Wǒ shì Rìběn rén. 我是日本人。 日本人です。

5. 肯定・否定を並べて確認する形(反復) Nǐ shì bú shì Rìběn rén? 你是不是日本人? あなたは日本人ですか。

この質問の答え方の型は Yes/No です。 返答例: Shì. 是。 はい。

Bú shì. 不是。 いいえ。

この並びで見ると、 は事実確認、疑問詞 は中身の要求、 は話題のバトン、还是 は選択、反復 は口語的な確認という差が見えてきます。

カフェ注文の比較

カフェでは「飲むかどうか」「何を飲むか」「どちらにするか」が細かく分かれます。ここでも質問の設計がそのまま文型に出ます。

1. 飲み物を飲むか確認する形(吗) Nǐ hē kāfēi ma? 你喝咖啡吗? コーヒーを飲みますか。

答えの型は Yes/No です。 返答例: Hē. 喝。 飲みます。

Bù hē. 不喝。 飲みません。

2. 何を飲むか聞く形(疑問詞) Nǐ hē shénme? 你喝什么? 何を飲みますか。

答え方の型は 内容で答える です。 返答例: Wǒ hē kāfēi. 我喝咖啡。 コーヒーを飲みます。

3. 二択で注文を促す形(还是) Nǐ hē kāfēi háishì hē chá? 你喝咖啡还是喝茶? コーヒーを飲みますか、それともお茶を飲みますか。

答え方の型は 選択で答える です。 返答例: Wǒ hē chá. 我喝茶。 お茶を飲みます。

4. 相手にも希望を返す形(呢) Wǒ hē chá, nǐ ne? 我喝茶,你呢? 私はお茶にします。あなたは。

答え方の型は 内容で答える です。 返答例: Wǒ hē kāfēi. 我喝咖啡。 私はコーヒーにします。

5. 注文するかしないかを口語で聞く形(反復) Nǐ hē bu hē kāfēi? 你喝不喝咖啡? コーヒーを飲みますか。

回答の型は Yes/No です。 返答例: Hē. 喝。 飲みます。

Bù hē. 不喝。 飲みません。

カフェ場面では、你喝咖啡吗? は「飲むかどうか」を聞いていて、你喝什么? は注文内容を聞いています。
日本語ではどちらも「何飲む?」に寄りがちですが、中国語では返答の型が違うので、文の形も分けたほうが会話が滑らかになります。

週末の予定の比較

週末の予定は、事実確認にも予定確認にも使えるので、文型の差が見えやすいテーマです。

1. 外出予定があるか聞く形(吗) Nǐ zhōumò qù ma? 你周末去吗? 週末、行きますか。

答え方の形式は Yes/No です。 返答例: Qù. 去。 行きます。

Bù qù. 不去。 行きません。

2. 週末に何をするか聞く形(疑問詞) Nǐ zhōumò zuò shénme? 你周末做什么? 週末は何をしますか。

答え方の型は 内容で答える です。 返答例: Wǒ zài jiā kàn diànshì. 我在家看电视。 家でテレビを見ます。

3. 二択で予定を絞る形(还是) Nǐ zhōumò zài jiā háishì qù gōngyuán? 你周末在家还是去公园? 週末は家にいますか、それとも公園に行きますか。

答え方の型は 選択で答える です。 返答例: Wǒ qù gōngyuán. 我去公园。 公園に行きます。

4. 相手にも予定を返してもらう形(呢) Wǒ zhōumò zài jiā, nǐ ne? 我周末在家,你呢? 私は週末家にいます。あなたは。

答え方の型は 内容で答える です。 返答例: Wǒ yě zài jiā. 我也在家。 私も家にいます。

5. 行くか行かないかを直接聞く形(反復) Nǐ zhōumò qù bu qù gōngyuán? 你周末去不去公园? 週末、公園に行きますか。

返答の型は Yes/No です。 返答例: Qù. 去。 行きます。

Bù qù. 不去。 行きません。

この場面では、反復 はどちらも肯定・否定で返せますが、反復のほうが口頭でテンポよく出ます。会話の速度が上がると、去不去 の形がよく耳に残ります。

出身地の比較

出身地は、自己紹介に続いて出やすい話題です。特に の省略感が生きる場面でもあります。

1. ある場所の出身か確認する形(吗) Nǐ shì Běijīng rén ma? 你是北京人吗? あなたは北京の人ですか。

答え方の型は はい/いいえ(Yes/No) です。 返答例: Shì. 是。 はい。

Bú shì. 不是。 いいえ。

2. どこの出身か聞く形(疑問詞) Nǐ shì nǎr rén? 你是哪儿人? あなたはどこの出身ですか。

答え方の型は 内容で答える です。 返答例: Wǒ shì Shànghǎi rén. 我是上海人。 私は上海の出身です。

3. 二択で出身地を確認する形(还是) Nǐ shì Běijīng rén háishì Shànghǎi rén? 你是北京人还是上海人? あなたは北京の人ですか、それとも上海の人ですか。

答え方の型は 選択で答える です。 返答例: Wǒ shì Shànghǎi rén. 我是上海人。 上海の出身です。

4. 出身地の話題を返す形(呢) Wǒ shì Dōngjīng rén, nǐ ne? 我是东京人,你呢? 私は東京の出身です。あなたは。

答え方の型は 内容で答える です。 返答例: Wǒ shì Dàbǎn rén. 我是大阪人。 私は大阪の出身です。

5. 出身確認を口語で言う形(反復) Nǐ shì bú shì Běijīng rén? 你是不是北京人? あなたは北京の人ですか。

答え方の型は Yes/No(はい/いいえ) です。 返答例: Shì. 是。 はい。

Bú shì, wǒ shì Shànghǎi rén. 不是,我是上海人。 いいえ、上海の出身です。

出身地の話では、哪儿 を使うと「具体的にどこか」を聞く文になり、你呢? にすると「同じ項目をあなたにも返す」文になります。
形の違いが、そのまま会話の流れの違いです。

趣味トークの比較

趣味の話題は、相手との距離を縮める定番です。ここは 喜欢 を使うと初心者でも音読しやすく、返答も作りやすくなります。

1. ある趣味が好きか確認する形(吗) Nǐ xǐhuan kàn diànyǐng ma? 你喜欢看电影吗? 映画を見るのが好きですか。

答え方の型は Yes/No になります。 返答例: Xǐhuan. 喜欢。 好きです。

Bù xǐhuan. 不喜欢。 好きではありません。

2. 趣味の内容を聞く形(疑問詞) Nǐ xǐhuan zuò shénme? 你喜欢做什么? 何をするのが好きですか。

答え方の型は 内容で答える です。 返答例: Wǒ xǐhuan tīng yīnyuè. 我喜欢听音乐。 音楽を聴くのが好きです。

3. 二択で好みを聞く形(还是) Nǐ xǐhuan kàn diànyǐng háishì tīng yīnyuè? 你喜欢看电影还是听音乐? 映画を見るのが好きですか、それとも音楽を聴くのが好きですか。

答え方の型は 選択で答える です。 返答例: Wǒ xǐhuan tīng yīnyuè. 我喜欢听音乐。 音楽を聴くのが好きです。

4. 相手に趣味を返してもらう形(呢) Wǒ xǐhuan kàn shū, nǐ ne? 我喜欢看书,你呢? 私は読書が好きです。あなたは。

答え方の型は 内容で答える です。 返答例: Wǒ xǐhuan yùndòng. 我喜欢运动。 運動が好きです。

5. 好きかどうかを口語で聞く形(反復) Nǐ xǐhuan bu xǐhuan yùndòng? 你喜欢不喜欢运动? 運動は好きですか。

答え方の型は、Yes/No です。 返答例: Xǐhuan. 喜欢。 好きです。

Bù xǐhuan. 不喜欢。 好きではありません。

趣味トークでは、疑問詞 にすると会話が広がり、还是 にすると相手が答えやすくなります。
初対面で相手がまだ長く話していないときは、二択のほうが返事が止まりません。

道案内の比較

道案内では、場所の有無を確認するのか、位置を聞くのか、選択肢から絞るのかで意味の差がはっきり出ます。

1. 目的地がそこにあるか確認する形(吗) Chāoshì zài zhèr ma? 超市在这儿吗? スーパーはここにありますか。

答え方の型は Yes/No です。 返答例: Zài zhèr. 在这儿。 ここにあります。

Bù zài zhèr. 不在这儿。 ここにはありません。

2. 目的地の場所を聞く形(疑問詞) Chāoshì zài nǎr? 超市在哪儿? スーパーはどこにありますか。

答え方の型は 内容で答える です。 返答例: Chāoshì zài qiánmiàn. 超市在前面。 スーパーは前にあります。

3. 位置を二択で確認する形(还是) Chāoshì zài zhèr háishì zài nàr? 超市在这儿还是在那儿? スーパーはここにありますか、それともあそこにありますか。

答え方の型は 選択で答える です。 返答例: Zài nàr. 在那儿。 あそこにあります。

4. 疑問詞文をやわらかくする形(呢) Chāoshì zài nǎr ne? 超市在哪儿呢? スーパーはどこにあるのでしょう。

答え方の型は 内容で答える です。 返答例: Zài zuǒbiān. 在左边。 左側にあります。

5. あるかないかを直接確認する形(反復) Zhèr yǒu méiyǒu chāoshì? 这儿有没有超市? この近くにスーパーはありますか。

答え方の型は Yes/No です。 返答例: Yǒu. 有。 あります。

Méi yǒu. 没有。 ありません。

ℹ️ Note

道案内では、在哪儿 は場所そのものを聞き、有没有 は存在の有無を聞きます。日本語ではどちらも「どこですか」「ありますか」で近く見えますが、中国語では返答の形が変わるので、質問の意図を先に決めると文がぶれません。

この6場面を音読していくと、吗なら肯定・否定、疑問詞なら中身、还是なら選択、呢なら話題継続、反復なら口語の確認 という対応が体に入ってきます。
同じ名詞や動詞を使い回しながら形だけ替える練習は、初級の段階で文型の混線を減らすのに効きます。

練習問題|どの疑問文パターンを使うか選んでみよう

穴埋め

ここでは、平叙文を見て「何を聞きたい文なのか」を先に判断します。
ポイントは3つあります。
Yes/No を聞くのか、選択肢を出すのか、前の話題を受けて続きを聞くのかです。
形だけで埋めるのではなく、答え方まで想像すると迷いません。

問題1 平叙文:你喜欢喝咖啡。 使う語:吗/还是/呢/反復(V不V)

ℹ️ Note

道案内など場面ごとに「在哪儿(場所)」「有没有(存在)」の違いを意識すると、質問の意図に応じた自然な返答が作りやすくなります。練習時は同じ語彙で質問形式だけを切り替えて声に出すと違いがつかめます。

解答 Nǐ xǐhuan hē kāfēi ma? 你喜欢喝咖啡吗? コーヒーを飲むのが好きですか。

なぜこの形か これは「好きかどうか」を Yes/No で尋ねる文です。
選択肢はなく、疑問詞もありません。
したがって、平叙文の後ろに を付ける形になります。
返答も 喜欢。
/ 不喜欢。
のように肯定・否定で返すのが自然です。

誤答例 你喜欢喝咖啡还是? 修正ポイント:还是A 还是 B のように、比較する選択肢が2つ必要です。片方だけでは選択疑問文になりません。

問題2 平叙文:你今天喝茶,喝咖啡。 使う語:吗/还是/呢/反復(V不V) 完成文を作ってください。

解答 Nǐ jīntiān hē chá háishì hē kāfēi? 你今天喝茶还是喝咖啡? 今日はお茶を飲みますか、それともコーヒーを飲みますか。

なぜこの形か この文は「お茶」か「コーヒー」かを選んでもらう文です。
答え方は 喝茶。
または 喝咖啡。
のように、どちらかを選ぶ形になります。
したがって 还是 を使います。
社内勉強会でも、この「还是に吗を付けない」だけを切り出して練習した回があり、そこから選択疑問文の取り違えが目に見えて減りました。
学習者は「質問なら全部吗」と覚えがちですが、相手に何を返してほしいか を先に決めると形が安定します。

誤答例 你今天喝茶还是喝咖啡吗? 修正ポイント:選択疑問文は A 还是 B の形そのもので質問が完成しています。文末に を足しません。

問題3 会話の流れ: A:我去上海出差。 B:你__? 使う語:吗/还是/呢/反復(V不V) 完成文を作ってください。

解答 Nǐ ne? 你呢? あなたは。

日本語として補うと 「私は上海に出張します。あなたは。」という流れで、「あなたはどうですか」と相手に話題を返しています。

なぜこの形か ここでは、前の文と同じ内容を繰り返していません。
A が自分の予定を言ったあと、B が相手側の事情を聞き返しています。
こういうときは が合います。
省略されている中身は文脈で補われ、たとえば 我也去。
我不去。
のように返答できます。
中国語 文法 省略型疑問文:解説でも、名詞句+呢你呢 は前の話題を受ける省略型として整理されています。

誤答例 你吗? 修正ポイント: は平叙文全体に付いて Yes/No を尋ねる語です。你吗? だけでは述語がなく、聞きたい内容が立ちません。

言い換え

次は、同じ内容を別の疑問文パターンに変えてみます。
ここで注目したいのは、文が変わると、答え方の型も変わることです。
日本語ではどちらも「行きますか」と見えますが、中国語では返答の形がはっきり分かれます。

問題1 次の Yes/No 疑問文を、反復疑問文に言い換えてください。 Nǐ qù ma? 你去吗? 行きますか。

解答 Nǐ qù bu qù? 你去不去? 行くのですか、行かないのですか。

日本語訳の違い どちらも日本語では「行きますか」と訳せますが、反復疑問文のほうが中国語としては 肯定か否定かを直接出してほしい 形です。

なぜこの形か 反復疑問文は、動詞を V不V の形にして作ります。
ここでは動詞が なので、去不去 になります。
文末に は付けません。
返答も 去。
/ 不去。
と、そのまま返しやすくなります。
一方、你去吗?去。
/ 不去。
で返せますが、反復疑問文のほうが口語ではテンポよく響く場面があります。

誤答例 你去不去吗? 修正ポイント:反復疑問文はそれだけで疑問の形が完成しています。V不V を重ねません。

問題2 次の疑問詞疑問文を、 を使った省略型に言い換えてください。
会話の流れ: A:我的手机在包里。
B:你的钥匙在哪儿? A:我的手机在包里。
B:あなたの鍵はどこですか。

解答 Nǐ de yàoshi ne? 你的钥匙呢? あなたの鍵は。 文脈に応じて「あなたの鍵はどこですか」という意味になります。

なぜこの形か この会話では、A が「私のスマホはバッグの中」と場所の話題を出しています。
そこで B は、同じ話題を受けて「あなたの鍵はどうですか」と聞き返しています。
こういう場面では、在哪儿 を全部言わなくても 名詞句+呢 で十分通じます。
返答は 在桌子上。
のように内容で返します。
吗 の文なら肯定・否定、呢 の省略型なら省略された内容を補って返す という違いが出ます。

誤答例 你的钥匙吗? 修正ポイント:話題を引き継いで「あなたの鍵は?」と聞きたいので、ここは を使います。
にすると Yes/No の骨組みが必要になります。

発展

ここでは、初級で混線しやすい境目を確認します。
本文で見たパターンを区別できると、短い会話でも形が崩れません。
中国語の疑問文は6パターンを覚える)のような整理でも、何を答えてほしい文なのか で分類すると判断がぶれにくくなります。

問題1 次の空所には 还是或者 のどちらが入りますか。

A. 你周末去北京__去上海? B. 我周末想去北京__去上海。

解答 A は 还是、B は 或者 です。

A. Nǐ zhōumò qù Běijīng háishì qù Shànghǎi? 你周末去北京还是去上海? 週末は北京に行きますか、それとも上海に行きますか。

B. Wǒ zhōumò xiǎng qù Běijīng huòzhě qù Shànghǎi. 我周末想去北京或者去上海。
週末は北京に行くか、あるいは上海に行きたいです。

なぜこの形か A は相手に選ばせる疑問文なので 还是 を使います。
B は自分の考えや候補を述べる平叙文なので 或者 です。
或者と还是の違いと使い分けでも、この違いは「疑問文での選択」か「平叙文での列挙」かで整理されています。

誤答例 你周末去北京或者去上海? 修正ポイント:相手に二択で答えてもらう疑問文では 还是 を使います。或者 は候補の列挙です。

問題2 次の文の 什么吗 は、普通の疑問ですか。それとも不定用法ですか。

Nǐ xiǎng chī shénme ma? 你想吃什么吗?

解答 この形は、通常の「何を食べたいですか」という疑問文にはしません。
什么吗 とすると、不定用法として「何か」の意味に寄りやすくなります。
自然な通常疑問は次の形です。

Nǐ xiǎng chī shénme? 你想吃什么? 何を食べたいですか。

不定の意味を出すなら、文全体の意味は次のように変わります。

Nǐ xiǎng chī diǎn shénme ma? 你想吃点什么吗? 何か少し食べたいですか。

なぜこの形か 疑問詞疑問文では、前述の通り 疑問詞そのものが問いを作る中心 です。
そのため、通常は文末に を付けません。
ここに が付くと、疑問詞が「何」「誰」を聞く語ではなく、「何か」「誰か」のような不定の語に近づきます。
疑問詞疑問文と不定用法や中国語の疑問文の作り方とポイントでも、この点は初級のつまずきどころとして扱われています。

誤答例 你想吃什么吗? を「何を食べたいですか」のつもりで使う。 修正ポイント:通常の wh 疑問なら 你想吃什么? です。疑問詞+吗 は意味がずれます。

この練習で見てほしいのは、助詞そのものではなく、相手にどの型で返事をしてほしいか です。
肯定・否定で返すなら や反復、内容を言ってもらうなら疑問詞や 、選んでもらうなら 还是
ここが頭の中で分かれると、会話の瞬間でも形を組み立てやすくなります。

まとめ&次に学ぶこと

5パターンの最小公式まとめ

今日からの3アクション

今日やることは3つだけです。

  1. 手元の平叙文を1つ選び、吗/疑問詞/还是 の3種類に言い換える。
  2. 你是日本人吗? 你呢? 你喝咖啡还是喝茶? を声に出して暗唱する。
  3. 是不是/去不去 の反復疑問文も作り、Yes/No の聞き方を増やす。

発展学習

学習計画は、1日10分の音読を2週間続けるだけで十分です。
狙いは長文理解ではなく、会話の「立ち上がり3文」を口から先に出せる状態にすることです。
そこまで行くと、助詞の知識が暗記項目ではなく、相手とのやり取りを動かす型として働き始めます。

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中村 大輝

中国現地企業で5年間勤務。HSK6級・中検準1級取得。文法の体系的整理とビジネス中国語の実践的な解説に強み。

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