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HSK3級の勉強法|600語の覚え方と頻出文法・攻略

更新: 中村 大輝
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HSK3級の勉強法|600語の覚え方と頻出文法・攻略

HSK3級対策で迷いやすいのは、「まず600語を覚えるべきか」「文法を先に固めるべきか」「作文と听力は何をすれば点になるのか」が見えにくいことです。公式の級別説明(例:HSK日本公式の級紹介ページを参照)では、3級は生活・学習・仕事の基本的なコミュニケーション水準として位置づけられ、

HSK3級対策で迷いやすいのは、「まず600語を覚えるべきか」「文法を先に固めるべきか」「作文と听力は何をすれば点になるのか」が見えにくいことです。
公式の級別説明(例:HSK日本公式の級紹介ページを参照)では、3級は生活・学習・仕事の基本的なコミュニケーション水準として位置づけられ、听力・読解・作文の3パート、合計300点中180点が合格ラインとされます。
時間感覚の目安としてつかみやすいのが読解です。
演習では30問を30分で回す意識を持つと、本番の処理速度が整ってきます。
1問あたり1分の計算ですが、実際には見直しの余白もほしいので、練習段階ではもう少し速く処理できる状態まで持っていくと安定します。
筆者は3級の読解を指導するとき、「一問ごとに考え込む試験ではなく、形式に乗って流れよく取る試験」と説明しています。
時間をかければ解ける問題でも、止まりすぎると全体が崩れるからです。

まず押さえるべき用語と注意点

全体の問題数は80問と整理される資料が多く見られますが、試験時間の表記には資料ごとに差があり、外部解説の中には「90分」とするものと「約100分」とするものが混在しています。
この記事では学習計画上は「80問を90〜100分で処理する」想定で説明しますが(注:試験時間の表記に揺れがあるため、公式告知を優先してください)。

ℹ️ Note

3級の学習で先に覚えたい用語は、听力、読解、作文、合格ライン、語彙600語の5つです。特に作文は2級までと質が変わるポイントで、語順を組み立てる練習を早めに入れた人ほど失点が減ります。

作文は、解説記事では単語の並べ替えピンイン付き空欄補充が中心と整理されることが多く、読める中国語を「書ける中国語」へ変換する力が問われます。
ここでも文法知識を単独で覚えるより、例文で語順ごと身につけたほうが得点につながります。
3級は、語彙600語を増やす試験であると同時に、形式慣れによって得点効率を上げる試験でもあります。

HSK2級と3級の違い|単語300語増+作文対策が分かれ目

語彙数の差と学習負荷

ℹ️ Note

3級の学習で先に覚えたい用語は、听力、読解、作文、合格ライン、語彙600語の5つです。特に作文は2級までと質が変わるポイントで、語順を組み立てる練習を早めに取り入れてください。

学習量の感覚としても、300語の上積みは軽くありません。
新出語彙だけなら短期で一巡できますが、定着まで含めると数週間単位の反復が必要です。
単語帳を前から順に眺めるだけでは抜けやすいため、単語+短文で覚える形に切り替えた人から安定して伸びます。
ゆうきの中国語でも単語を例文ベースで押さえる学習が紹介されていますが、3級ではこの発想がそのまま読解と作文の土台になります。

複文・接続詞・補語への拡張

2級までは、主語と動詞を中心にした単文を正しく理解できれば解ける問題が多くなります。
3級ではそこから一段進んで、接続詞を使った複文、連動文、兼語文、比較表現、補語が本格的に入ってきます。
ここでつまずく人は、単語不足というより、文の骨組みを追えていないケースが目立ちます。

たとえば「因为〜所以〜」「虽然〜但是〜」のような接続関係は、意味自体は難しくありません。
ただ、日本語の感覚で前後を入れ替えたり、一部だけ覚えて運用すると読解で迷います。
3級になると、文を前から順に追って「理由なのか」「逆接なのか」を即座に見抜く力が必要になります。
単文を一つずつ訳す読み方のままだと、途中で構造を見失いやすくなります。
補語は3級で多くの学習者がつまずく項目です。
補語は、動作の結果や程度、可能・方向などを後ろから補う語で、たとえば結果補語なら Kàn wán le.(看完了。
)=見終わりました。
のように使います。
2級では動詞が分かれば処理できる場面が多くても、3級では補語まで含めて意味が確定する場合が増えるため、補語の働きを確実に押さえておく必要があります。
語順面では、主語-時間-場所-動詞-結果/補語という中国語の並びを体に入れておく必要があります。
3級で点が止まる人は、単語そのものより語順で失点しています。
とくに「了」の位置、的・得・地の混同、時間語をどこに置くかで崩れやすいのが利点です。
学習者の傾向を見ると、2級までは意味の推測で乗り切れても、3級では接続詞と語順の使い分けができるかどうかで正答率が分かれます。

作文パート追加のインパクト

3級で2級経験者が最も戸惑いやすいのが、作文パートの追加です。
示されている通り、1・2級にはなかった書く問題が3級から入ります。
ここで問われるのは長い文章を書く力というより、並べ替えで正しい語順を作る力と、ピンインを手がかりに語を補う力です。
つまり、単語を覚えているだけでは足りず、文として成立させる順番まで理解していなければ点になりません。

このパートの影響は大きくて、読解ではなんとなく意味が取れていた人でも、作文になると一気に手が止まります。
理由はシンプルで、受け身の理解と、自分で語順を再構成する作業は別だからです。
たとえば「我 / 明天 / 去 / 学校」を見て意味はわかっても、Wǒ míngtiān qù xuéxiào.(我明天去学校。
)=私は明日学校へ行きます。
と即座に並べられないと得点できません。
3級からは、この「わかる」と「書ける」の差がはっきり表に出ます。

ℹ️ Note

作文対策は単語暗記の後に回すより、例文暗記と同時に進めたほうが効率的です。1語ずつ覚えるより、「時間語は動詞の前」「補語は動詞の後」という形で覚えたほうが、読解と作文の両方に効いてきます。

並べ替え問題では、まず主語と動詞を見つけ、その後に時間語・場所語・目的語・補語を置く感覚があると崩れにくくなります。
ピンイン付き穴埋めでも、発音だけでなく文脈から品詞を判断する力が必要です。
ここで「了」を入れるべきか、「的」を置くべきかが曖昧なままだと、単語を知っていても正解に届きません。
3級は、単語300語増の試験であると同時に、語順理解を伴った運用力の試験に変わる段階だと言えます。

HSK3級の勉強法5ステップ

HSK3級は、出るところを順番に積み上げた人から点が安定します。
筆者の経験でも、単語を固め、次に頻出文法を整理し、その後で听力と出題形式に慣れる流れに一本化したとき、正答率の波が小さくなりました。
逆に、最初から過去問を回し続けるやり方は、間違いの原因が語彙不足なのか語順なのか判別しにくく、伸びが止まる傾向があります。

構成としては、まず語彙600語の定着、次に頻出文法の整理、そこから听力の反復読解の時間対策作文の並べ替え・穴埋め演習へ進めるのが効率的です。
例文を使うときは、ピンイン(声調符号)+簡体字+日本語訳の3点セットでそろえると、発音・文字・意味を分断せずに覚えられます。
たとえば Wǒ míngtiān qù xuéxiào./我明天去学校。
/私は明日学校へ行きます。
という形です。
このそろえ方にしておくと、听力と作文が別科目になりません。

ℹ️ Note

週の進め方は固定すると学習がぶれにくくなります。平日は単語と文法を中心に進め、土日にサンプル問題や模試形式で確認する流れを作ると安定します。

ステップ1|語彙600語の定着

出発点は語彙です。
HSK3級では対象語彙が600語程度あるため、まずは単語の認識を一巡させ、その後に使える形へ変えていきます。
とくに2級から上がる人は、新しく増える約300語を「意味だけ知っている」状態で止めないことが分かれ目です。
名詞だけでなく、動詞と目的語の組み合わせ、時間語と副詞の位置まで一緒に覚える必要があります。

筆者は、単語帳を前から読むだけの時期より、1語1短文で回すやり方に切り替えてから得点が安定しました。
たとえば Yīnwèi xià yǔ, suǒyǐ wǒ méi qù./因为下雨,所以我没去。
/雨が降ったので、私は行きませんでした。
のように、接続詞や語順を含んだ形で覚えると、そのまま読解と作文に効いてきます。
語彙学習を独立させず、文の中で回すことが3級では欠かせません。

達成基準は、600語を見て日本語が出るだけでなく、少なくとも主要語の多くを短文の中で読んで意味が取れることです。
さらに、頻出語についてはピンインを見れば簡体字を書けるところまで持っていくと作文が崩れません。
所要時間の目安は、1日30〜45分を6〜12週間です。
2級語彙がまだ揺れる人は、このステップを長めに取ったほうが後工程の効率が落ちません。

ステップ2|頻出文法の優先整理

語彙がある程度入ったら、次は文法を広く薄くではなく、出題頻度の高い型から整理します。
3級では、接続詞、比較表現、存現文、連動文、兼語文、結果補語、方向補語、助詞の使い分けなど、文の骨組みを取る項目が得点差になります。
文法書を最初から全部読むより、問題で何度も見る型に絞って整理したほうが、読解と作文にそのままつながります。

ここでも例文の管理方法が効きます。
たとえば Suīrán tā hěn máng, dànshì tā lái le./虽然他很忙,但是他来了。
/彼は忙しいですが、それでも来ました。
のように、接続関係を1文で押さえる。
あるいは Tā bǎ fàn chī wán le./他把饭吃完了。
/彼はご飯を食べ終えました。
のように、結果補語まで含めて一塊で覚える。
この段階で「意味が分かる」から「自分で並べられる」へ移すと、作文の立ち上がりが早くなります。

達成基準は、頻出構文を見た瞬間に、文の主語・動詞・目的語・補語の位置関係を説明できることです。
加えて、並べ替え問題で語順を迷わず組めるかどうかが一つの目安になります。
所要時間の目安は、1日30〜45分を2〜4週間です。
語彙学習と並行しつつ、1日に扱う文法項目を絞ると、記憶が散りません。

💡 Tip

文法は「用語を覚えること」より、「その型で3つ例文を言えること」を基準にすると定着が速まります。名前があいまいでも、語順を再現できれば得点に直結します。

ステップ3|听力の反復と音声処理

語彙と文法の土台ができたら、听力は一気に伸びます。
先に耳だけ鍛えようとしても、聞こえない原因が語彙不足や構文未習得にあると、反復の効果が薄くなります。
筆者も、单語と文法が固まる前に音声を流し続けた時期は、聞き取れない箇所が毎回ぼやけたままでした。
逆に土台を作ってからは、聞き逃した箇所の原因を特定できるようになり、復習の精度が上がりました。

進め方は、短い音声を使って、聞く、スクリプト確認、音読、再度聞く、の順で回すのが基本です。
1回聞いて終わりではなく、同じ素材を繰り返して、音と意味の結びつきを強くします。
たとえば Qǐng wèn, túshūguǎn zài nǎr?/请问,图书馆在哪儿?/すみません、図書館はどこですか。
のような短文を、音で聞いてすぐ意味が立ち上がるところまで反復します。
聞こえた音をピンインで頭の中に置き、その後に簡体字と意味へつなげる感覚があると、听力の処理速度が上がります。

達成基準は、短文レベルであれば、スクリプトなしで大意が取れ、聞き取れなかった語を復習後に再認識できることです。
加えて、設問先読みをした状態で、音声の要点を追えるところまで持っていくと本番で慌てません。
所要時間の目安は、1日20〜30分を4〜8週間です。
平日は短文反復、土日はサンプル問題や模試形式の音声で確認、という分け方だと積み上がりが見えます。

ステップ4|読解の時間配分トレーニング

読解は、解けるかどうかだけでなく、時間内に処理できるかが点数を左右します。
練習では30問を30分で回す感覚を基準に置き、1問1分以内で進める意識を持つと、本番で見直しの余白が生まれます。
さらに余裕を作るなら、25分前後で解き切る練習を入れておくと、選択肢の再確認に時間を回せます。

時間対策で大事なのは、全文を丁寧に訳す読み方から卒業することです。
先に設問を見て、何を拾えばいいかを決め、接続詞・時間語・否定語・比較の目印を追う。
たとえば Jīntiān bǐ zuótiān lěng./今天比昨天冷。
/今日は昨日より寒いです。
のような比較文なら、比の前後関係を即座に取る。
Yīnwèisuīrán が出たら、理由か逆接かを先に確定する。
こうした読み方に切り替えると、処理速度が安定します。

達成基準は、30問を30分で解いて、正答率を崩さずに回せることです。
余裕を作る段階では、25分前後で解き終えて残りを見直しに使える状態が一つの目標になります。
所要時間の目安は、1日20〜30分を3〜6週間です。
平日は短めの読解を数題、土日に30問単位で通し練習を入れると、速度と精度を同時に確認できます。

ステップ5|作文(並べ替え・穴埋め)の型練習

3級の作文は、自由作文というより、語順と語形の再構成が中心です。
したがって、対策の核は「型を覚えること」にあります。
並べ替えでは、主語、時間語、場所語、動詞、目的語、補語の順を機械的に並べる練習が効きます。
穴埋めでは、ピンインから語を思い出すだけでなく、その位置に名詞・動詞・助詞のどれが入るかを判断する必要があります。

たとえば Wǒ zài Běijīng gōngzuò./我在北京工作。
/私は北京で働いています。
のような場所語入りの基本文、Tā xué Zhōngwén xué le liǎng nián./他学中文学了两年。
/彼は中国語を2年間勉強しました。
のような時間量を含む文を、見て並べるだけでなく、ばらした状態から再構成する練習を入れます。
作文は、単語暗記の延長ではなく、語順を体に入れる作業です。
このステップを後回しにすると、読めるのに書けない状態が長く続きます。

達成基準は、並べ替えで基本語順を即答でき、穴埋めで助詞や頻出語を文脈から補えることです。
さらに、例文を見ずに短文を再生できれば、本番で手が止まりません。
所要時間の目安は、1日20〜30分を2〜4週間です。
平日は5〜10問の短い演習、土日に通しでまとめて解く流れにすると、知識が実戦の形へ変わります。

合格に必要な単語の覚え方|600語を例文ごと定着させる

HSK3級の語彙は600語規模ですが、暗記の感覚としては「600語を一気に新しく覚える」ではありません。
土台に置くのは、すでに学んだ1〜2級の300語です。
ここは捨てずに復習継続の対象として残し、重点を置くのは3級で新たに増える約300語です。
筆者はこの切り分けをしてから、語彙学習の負荷が急に見える形になりました。
全部が新出だと思うと手が止まりますが、「維持する300語」と「新しく運用に変える300語」に分けると、毎日の学習内容が明確になります。

HSK日本公式|筆記3級についてでも3級は600語程度の語彙が範囲とされており、2級からの差分学習が合否を分けます。
しかも3級は読解だけでなく作文も入るので、単語を見て意味がわかるだけでは足りません。
字面で意味が取れる語ほど、実際には前後に何を置くのか、どの副詞と結びつくのかを間違えやすいものです。
筆者も、漢字を見れば意味が推測できる単語ほど油断して、作文で不自然な語順を書いた経験があります。
単語を例文運用まで持っていくと、読解でも作文でもブレが減ります。

例文で覚える手順

原則は、単語単体ではなく例文ごと覚えることです。
これで意味だけでなく、語順、コロケーション、文中での役割が同時に入ります。
とくに3級では、動詞の後ろに何が来るか、比較文でどの位置に形容詞が来るか、副詞がどこに置かれるかがそのまま得点に直結します。

筆者が定着しやすかった流れは、音から入り、意味をつなぎ、例文を音読し、シャドーイングで速度を合わせ、最後に書いて再生する順番です。整理すると、次の5段階です。

  1. 音を聞いて発音する
  2. 意味を確認する
  3. 例文を見ながら音読する
  4. 音声に重ねてシャドーイングする
  5. 例文を見ずに中国語を書いて再生する

この順番にすると、見てわかる単語が「聞いてわかる」「書ける」「並べ替えられる」単語へ変わります。
アクティブライトまで入れる理由は、作文対策を単語暗記の段階から始めるためです。
頭の中だけで「覚えたつもり」になっている語は、書こうとすると抜け落ちます。

たとえば、3級範囲の語彙だけで次のような例文を回します。

Qǐng nǐ děng yíxià./请你等一下。
/少し待ってください。
Wǒ xiǎng mǎi yì běn shū./我想买一本书。
/私は本を一冊買いたいです。
Tā zhèngzài xuéxí Zhōngwén./他正在学习中文。
/彼は今中国語を勉強しています。

この3文なら、等、买、学习という動詞だけでなく、请+人+動詞想+動詞正在+動詞という頻出の型まで一緒に入ります。
単語帳で「学习=勉強する」とだけ覚えるより、Tā zhèngzài xuéxí Zhōngwén. を口から出せる状態のほうが、本番では強いです。
読解では語順の認識が速くなり、作文ではそのまま型として使えます。

💡 Tip

1語につき1例文ではなく、同じ型で3文回すと定着が深まります。単語を覚えるというより、「この位置にこの語が入る」と体で覚える感覚に近づきます。

例文暗記では、1つの文を完璧に仕上げることより、短い文を回数多く再生するほうが効果が出ます。
筆者の場合も、長文を丁寧に読む学習より、10〜15字前後の短文を何度も声に出したときのほうが、作文の並べ替えで迷いが減りました。

品詞・副詞・定型コロケーション

単語学習で見落とされやすいのが、その語が何として使われるかです。
名詞は意味中心でも処理できますが、動詞・形容詞・副詞は配置と組み合わせまで押さえないと得点になりません。
3級の語彙暗記では、品詞ごとに見る場所を変えると効率が上がります。

動詞は、「後ろに何を取るか」を先に見ます。目的語をそのまま取るのか、場所語と組むのか、補語がつくのかを例文で確認します。

Wǒmen yìqǐ qù chīfàn ba./我们一起去吃饭吧。
/私たちは一緒に食事に行きましょう。
Tā zài yīyuàn gōngzuò./他在医院工作。
/彼は病院で働いています。
Wǒ xiàwǔ huí jiā./我下午回家。
/私は午後に家へ帰ります。

ここでは 一起+V在+場所+V回+場所 というまとまりで覚えます。とくに 一起 は単独で覚えるより、動詞の前に置く副詞として覚えたほうが実戦的です。

形容詞は、「比較に入ったときの形」を押さえます。単独の意味だけでなく、比A+形容詞 の形で読めるか、書けるかが分かれ目です。

Jīntiān bǐ zuótiān rè./今天比昨天热。
/今日は昨日より暑いです。
Wǒ de gēge bǐ wǒ gāo./我的哥哥比我高。
/私の兄は私より背が高いです。
Zhè běn shū bǐ nà běn shū yǒuyìsi./这本书比那本书有意思。
/この本はあの本よりおもしろいです。

この3文を覚えると、热、高、有意思という形容詞だけでなく、比較文の骨格がそのまま入ります。
試験本番では、単語の意味を思い出すより先に、構文として認識できることが点数につながります。

副詞は、「どの位置に置くか」が核です。意味がわかっていても、置き場所を間違えると作文が崩れます。

Wǒmen zhèngzài shàngkè./我们正在上课。
/私たちは今授業中です。
Māma chángcháng zài jiā zuòfàn./妈妈常常在家做饭。
/母はよく家で料理をします。
Tā yě xiǎng qù Běijīng./他也想去北京。
/彼も北京へ行きたいです。

ここでは 正在+V常常+V也+V/也+想+V のように、後ろの語とのまとまりで見るのがコツです。
副詞を単語カードの表裏だけで覚えると、「意味は知っているのに置けない」状態が起きます。

3級で頻出の定型コロケーションとしては、次のような組み合わせは早めに固定しておくと安定します。

Wǒmen yìqǐ xuéxí ba./我们一起学习吧。
/一緒に勉強しましょう。
Tā zhèngzài kàn diànshì ne./他正在看电视呢。
/彼は今テレビを見ています。
Zhè ge bǐ nà ge guì./这个比那个贵。
/これはあれより高いです。

こうした組み合わせは、単語知識と文法知識の中間にあります。
だからこそ、語彙学習の段階で処理しておくと、後から読解と作文が別々に崩れません。
筆者も「意味がわかるから大丈夫」と思っていた語ほど、実際にはどの副詞と組み合うかでつまずきました。
例文で固定してから、語彙が「見覚えのある漢字」から「使える表現」に変わります。

単語アプリとカードの回し方

語彙の回し方は、紙でもアプリでも構いませんが、基準は一つです。
単語単体の暗記で終わらせず、例文を一緒に再生できる形にすることです。
筆者は、1〜2級の300語は復習用の束として残し、3級で増える約300語を新出束として分けて管理しました。
この2本立てにすると、「維持」と「追加」が混ざらず、復習が流れません。

アプリを使うなら、公式の級情報と照らしながら、3級語彙を範囲指定できるものが向いています。
と一致しているかを軸に見ておくと、学習範囲がぶれません。
補助としてゆうきの中国語|HSK3級単語一覧(のような一覧記事を使い、抜け漏れ確認に回す方法もあります。
無料リストは便利ですが、本文例まで学ぶなら、一覧を眺めるだけで終えず、自分のカードに例文を書き足す運用が必要です)。

紙カードや単語帳では、表に「音声イメージを出せる見出し語」、裏に「短い例文」を置く構成が扱いやすいのが利点です。
たとえば表に 一起、裏に Wǒmen yìqǐ qù xuéxiào./我们一起去学校。
/私たちは一緒に学校へ行きます。
のように置きます。
これなら副詞の意味だけでなく、動詞の前に置くことまで1枚で確認できます。

回し方は、新出と復習でテンポを分けます。
新出約300語は、最初の一巡で意味確認に留めず、その日のうちに音読とアクティブライトまで入れる。
1〜2級の300語は、忘れかけた語だけを例文で再点火する。
筆者はこのやり方に変えてから、既習語の復習が「眺めるだけ」で終わらなくなりました。
とくに作文パートでは、前に覚えたはずの基本動詞や副詞が出てこないと失点につながるので、古い語ほど例文つきで維持しておく価値があります。

HSK3級で押さえたい文法ポイント総まとめ

Tier1:最頻出の基礎

HSK3級の文法は広く見えますが、得点への寄与で並べると、まず固めたいのは 了・的/得/地・比較表現 の3本です。
ここは読解でも作文でも繰り返し出ます。
整理すると、Tier1は「意味を知る」だけでは足りず、位置まで固定することが条件になります。

了:動作の完了と状況の変化を区別する〔HSK3級/一部2級復習〕

日本語の「〜した」に引っぱられて、了を過去形マーカーのように扱うと崩れます。
中国語の了は、時制そのものより、動作が区切れたか状況が変わったかを示す語です。
HSK3級では、動詞の後ろの了と、文末の了の両方を読めることが必要です。
Wǒ méi chī zǎofàn./我没吃早饭。
/私は朝ごはんを食べませんでした。
Nǐ chī le zǎofàn ma?/你吃了早饭吗?/あなたは朝ごはんを食べましたか。

この組は「動作の完了」です。否定では を使い、没吃了 とはしません。

Xià yǔ le./下雨了。
/雨が降ってきました。
Hái méi xià yǔ./还没下雨。
/まだ雨は降っていません。
Tiān lěng le ma?/天冷了吗?/寒くなりましたか。

こちらは文末の了で、状況変化の感覚が前面に出ます。「雨が降った」より「降り始めた」「今そういう状態になった」に近いことが多いです。

Tā qù Běijīng le./他去北京了。
/彼は北京へ行きました。
Tā méi qù Běijīng./他没去北京。
/彼は北京へ行きませんでした。
Tā qù Běijīng le ma?/他去北京了吗?/彼は北京へ行きましたか。

HSK3級では、了を見たらまず「どこにあるか」を見ます。動詞の直後なら完了、文末なら変化・新事態の提示、という見方を持つと読み違いが減ります。

的・得・地:日本語訳ではなく機能で覚える〔HSK3級〕

以下の3点は、日本語話者が最も混同しやすい箇所です。
筆者も学習初期は「的=の、得=〜に、地=〜に」と機械的に当てはめて失敗しました。
実際に教える場でも、この対応づけで覚えた人ほど作文で崩れます。
誤用が減ったのは、訳語ではなく何をつなぐかで整理してからでした。
的は名詞を修飾する形を作る、得は動詞のあとで程度・結果を述べる、地は動詞の前で様態を述べる
この3点で押さえると、見分ける軸がぶれません。

まず です。

Zhè shì wǒ de shū./这是我的书。
/これは私の本です。
Zhè bú shì wǒ de shū./这不是我的书。
/これは私の本ではありません。
Zhè shì nǐ de shū ma?/这是你的书吗?/これはあなたの本ですか。

Piàoliang de yīfu hěn guì./漂亮的衣服很贵。
/きれいな服は高いです。
Nà bú shì piàoliang de yīfu./那不是漂亮的衣服。
/それはきれいな服ではありません。
Zhè shì piàoliang de yīfu ma?/这是漂亮的衣服吗?/これはきれいな服ですか。

次に です。動詞の後ろに置いて、「どういう程度で」「どういう結果で」その動作が行われるかを補います。

Tā shuō de hěn kuài./他说得很快。
/彼は話すのがとても速いです。
Tā shuō de bú kuài./他说得不快。
/彼は話すのが速くありません。
Tā shuō de kuài ma?/他说得快吗?/彼は話すのが速いですか。

Wǒ xiě de hěn hǎo./我写得很好。
/私は上手に書けます。
Wǒ xiě de bú hǎo./我写得不好。
/私は上手に書けません。
Nǐ xiě de zěnmeyàng?/你写得怎么样?/あなたはどんなふうに書けますか。

そして は、動詞の前で様態を示します。

Tā gāoxìng de huíjiā le./他高兴地回家了。
/彼はうれしそうに家へ帰りました。
Tā shì bú shì gāoxìng de huíjiā?/他是不是高兴地回家?/彼はうれしそうに家へ帰ったのですか。

Háizi shì ānjìng de zuò zài jiàoshì lǐ ma?/孩子是安静地坐在教室里吗?/子どもは静かに教室に座っていますか。

日本語では「きれいな服」「きれいに話す」のように助詞や活用で処理できますが、中国語は 修飾する語の位置 がはっきり分かれます。
名詞の前なら的、動詞の後ろなら得、動詞の前なら地。
この位置感覚を先に作るほうが、和訳で覚えるより安定します。

比較表現:比構文の語順を固定する〔HSK3級〕

比較はHSK3級の中核です。
形容詞の意味を知っていても、A比B+形容詞 の順序が出なければ作文で点になりません。
日本語は「AはBより〜だ」なので、主題の「は」に引っぱられて語順が揺れやすいところです。

Jīntiān bǐ zuótiān rè./今天比昨天热。
/今日は昨日より暑いです。
Jīntiān méi yǒu zuótiān rè./今天没有昨天热。
/今日は昨日ほど暑くありません。
Jīntiān bǐ zuótiān rè ma?/今天比昨天热吗?/今日は昨日より暑いですか。

Wǒ bǐ tā gāo./我比他高。
/私は彼より背が高いです。
Wǒ méi yǒu tā gāo./我没有他高。
/私は彼ほど背が高くありません。
Nǐ bǐ tā gāo ma?/你比他高吗?/あなたは彼より背が高いですか。

Zhè ge bǐ nà ge guì./这个比那个贵。
/これはあれより高いです。
Zhè ge méi yǒu nà ge guì./这个没有那个贵。
/これはあれほど高くありません。
Zhè ge bǐ nà ge gèng guì ma?/这个比那个更贵吗?/これはあれよりもっと高いですか。

否定で 不比 を多用すると、日本語の感覚からずれて意味が曖昧になりやすいので、3級段階では 没有 を軸にしたほうが安定します。
比較は「比」と「没有」を対で覚えると、肯定と否定が一気につながります。

💡 Tip

了・的/得/地・比は、単独の意味より「どこに置くか」で点差がつきます。読解では位置を見て機能を判断し、作文では型ごと再生するほうが崩れません。

Tier2:文の骨格

Tier2は、文が少し長くなったときに支える骨組みです。
ここでは 連動文・兼語文・介詞・補語 をまとめて押さえます。
単語を知っていても、骨格が見えないと読解で主述関係を取り違えます。

連動文:動詞を並べて一連の動作を表す〔HSK3級〕

連動文は、主語が同じまま動詞が続く形です。日本語だと「〜して、〜する」と接続助詞でつなぎますが、中国語では動詞を並べて処理します。

Wǒ bú qù shāngdiàn mǎi dōngxi./我不去商店买东西。
/私は店へ行って買い物をしません。
Nǐ qù shāngdiàn mǎi dōngxi ma?/你去商店买东西吗?/あなたは店へ行って買い物をしますか。

Tā méi lái xuéxiào xué Hànyǔ./他没来学校学汉语。/彼は学校へ来て中国語を学びませんでした。

Wǒ bú huí jiā chī fàn./我不回家吃饭。
/私は家に帰って食事をしません。
Nǐ huí jiā chī fàn ma?/你回家吃饭吗?/あなたは家に帰って食事をしますか。

1つ目の動詞が移動や方向、2つ目の動詞が目的になることが多く、HSK3級ではとくに 去+場所+V来+場所+V が頻出です。

兼語文:前の目的語が後ろの主語も兼ねる〔HSK3級〕

兼語文は、日本語話者が構造を見失いやすい文です。前の動詞の目的語が、後ろの動詞の主語も兼ねます。公式の形で見ると A 叫/请/让 B V に近いです。

Lǎoshī méi jiào wǒ dú shū./老师没叫我读书。
/先生は私に本を読むように言いませんでした。
Lǎoshī jiào nǐ dú shū ma?/老师叫你读书吗?/先生はあなたに本を読むように言いますか。

Māma méi qǐng wǒ chī fàn./妈妈没请我吃饭。
/母は私に食事をごちそうしませんでした。
Māma qǐng nǐ chī fàn ma?/妈妈请你吃饭吗?/母はあなたに食事をごちそうしますか。

Tā méi ràng wǒ děng tā./他没让我等他。
/彼は私に彼を待たせませんでした。
Tā ràng nǐ děng tā ma?/他让你等他吗?/彼はあなたに彼を待たせますか。

日本語では「私に読ませる」「私をご飯に招く」と助詞で処理できますが、中国語は語順だけで関係を示します。
誰が誰に何をさせるのか を線で結ぶ感覚で読むと整理しやすくなります。

介詞:在・给・对・从の位置を固める〔HSK3級/一部2級復習〕

介詞は、場所・対象・起点などを示して文の枠を作ります。
日本語の助詞に近く見えますが、働きは必ずしも一致しません。
中国語では多くの場合、介詞句が動詞の前に置かれるのが基本です。

まず です。

Wǒ zài jiā xuéxí./我在家学习。
/私は家で勉強します。
Wǒ bú zài jiā xuéxí./我不在家学习。
/私は家では勉強しません。
Nǐ zài jiā xuéxí ma?/你在家学习吗?/あなたは家で勉強しますか。

次に です。

Wǒ méi gěi péngyou dǎ diànhuà./我没给朋友打电话。
/私は友人に電話しませんでした。
Nǐ gěi lǎoshī xiě xìn ma?/你给老师写信吗?/あなたは先生に手紙を書きますか。

は対象や向き先です。

Tā duì wǒ hěn hǎo./他对我很好。
/彼は私にとても親切です。
Tā duì wǒ bú hǎo./他对我不好。
/彼は私に親切ではありません。
Tā duì nǐ hǎo ma?/他对你好么?/彼はあなたに親切ですか。

は起点を示します。

Wǒ cóng xuéxiào huí jiā./我从学校回家。
/私は学校から家へ帰ります。
Wǒ bú cóng zhèr qù./我不从这儿去。
/私はここから行きません。
Nǐ cóng Běijīng lái ma?/你从北京来吗?/あなたは北京から来ましたか。

日本語では「で・に・から」が後ろにつきますが、中国語では 在家学习、给朋友打电话、从学校回家 のように、動詞の前にまとまって現れます。
この前置の感覚が抜けると、作文で語順が崩れます。

補語:結果補語と可能補語を区別する〔HSK3級〕

補語は、動詞だけでは足りない情報を後ろから補う要素です。3級で特に押さえたいのは 結果補語可能補語 です。

結果補語は、動作の結果どうなったかを示します。

Wǒ tīng dǒng le./我听懂了。
/私は聞いて理解しました。
Wǒ méi tīng dǒng./我没听懂。
/私は聞いて理解できませんでした。
Nǐ tīng dǒng le ma?/你听懂了吗?/あなたは聞いて理解しましたか。

Tā méi zuò wán zuòyè./他没做完作业。
/彼は宿題をやり終えませんでした。
Tā zuò wán zuòyè le ma?/他做完作业了吗?/彼は宿題をやり終えましたか。

Wǒ zhǎo dào tā le./我找到他了。
/私は彼を見つけました。
Wǒ méi zhǎo dào tā./我没找到他。
/私は彼を見つけられませんでした。
Nǐ zhǎo dào tā le ma?/你找到他了吗?/あなたは彼を見つけましたか。

可能補語は、「できる/できない」を表します。

Wǒ tīng de dǒng./我听得懂。
/私は聞けば理解できます。
Wǒ tīng bu dǒng./我听不懂。
/私は聞いても理解できません。
Nǐ tīng de dǒng ma?/你听得懂吗?/あなたは聞いて理解できますか。

Tā kàn de jiàn./他看得见。
/彼には見えます。
Tā kàn bu jiàn./他看不见。
/彼には見えません。
Nǐ kàn de jiàn ma?/你看得见吗?/あなたには見えますか。

Wǒ zuò de wán./我做得完。
/私はやり終えることができます。
Wǒ zuò bu wán./我做不完。
/私はやり終えることができません。
Nǐ jīntiān zuò de wán ma?/你今天做得完吗?/あなたは今日やり終えられますか。

日本語では「聞いてわかった」「聞いてもわからない」と独立した語で表せますが、中国語は 听懂・看见・做完 のように、動詞の後ろの補語まで含めて1つの意味単位になります。
読解ではここを切り離さないことが判断材料になります。

Tier3:論理をつなぐ

Tier3は、複文の関係を読む力です。
単文の骨格ができたあとに入れると効率が上がります。
HSK3級では、接続詞の意味そのものより、前半と後半の論理関係 をつかめるかどうかで読解の安定感が変わります。

Yīnwèi jīntiān bú xiàyǔ, suǒyǐ wǒ qù gōngyuán./因为今天不下雨,所以我去公园。
/今日は雨ではないので、公園へ行きます。
Yīnwèi tā shēngbìng, suǒyǐ tā méi lái ma?/因为他生病,所以他没来吗?/彼は病気なので来なかったのですか。

会話では 所以 が省かれることもありますが、3級ではペアで読めるほうが構造把握が速くなります。

虽然…但是…:逆接〔HSK3級〕

Suīrán tā hěn máng, dànshì tā lái le./虽然他很忙,但是他来了。
/彼は忙しいですが、来ました。
Suīrán zhè běn shū bú guì, dànshì wǒ bú xiǎng mǎi./虽然这本书不贵,但是我不想买。
/この本は高くありませんが、私は買いたくありません。
Suīrán tiān lěng, dànshì nǐ hái xiǎng qù ma?/虽然天冷,但是你还想去吗?/寒いですが、それでもあなたは行きたいですか。
中国語では 虽然(前半)と 但是(後半)がセットで使われることが多く、両者を対で把握すると長文の逆接関係が読みやすくなります。
日本語は「〜けれども」で幅広く処理しますが、中国語では 虽然 が前半、但是 が後半という対応が明瞭です。
前半だけ、後半だけで読むより、セットで見たほうが長文の関係を見失いません。

अगरではなく、还是・或者などの選択も見逃せない〔HSK3級〕

3級では、日常会話の選択関係もよく出ます。ここは難解な文法ではありませんが、読解の設問で意外と効きます。

Nǐ hē chá háishi hē kāfēi?/你喝茶还是喝咖啡?/お茶を飲みますか、それともコーヒーを飲みますか。
Wǒ bú hē chá, hái hē kāfēi./我不喝茶,还喝咖啡。
/私はお茶は飲まず、コーヒーを飲みます。
Nǐ míngtiān qù háishi bú qù?/你明天去还是不去?/あなたは明日行きますか、それとも行きませんか。

Zhōumò wǒmen kěyǐ qù gōngyuán huòzhě qù kàn diànyǐng./周末我们可以去公园或者去看电影。
/週末は公園へ行ってもいいし、映画を見に行ってもいいです。
Wǒmen bú qù gōngyuán, huòzhě bú qù kàn diànyǐng./我们不去公园,或者不去看电影。
/私たちは公園へ行かないか、映画を見に行きません。
Nǐ xiǎng xué Hànyǔ huòzhě Yīngyǔ?/你想学汉语或者英语?/あなたは中国語か英語を学びたいですか。

ここは厳密な書き分けまで踏み込みすぎず、3級では「選択か、並列か、逆接か、因果か」を見分けることを先に置くほうが得点につながります。

日本語話者が間違えやすい箇所集

HSK3級の文法で失点を生みやすい場所は、知識不足というより日本語の感覚をそのまま移してしまうことにあります。
筆者が独学していた時期も、現地で使いながら修正した時期も、つまずき方はほぼ同じでした。
混同ポイントを絞って整理します。

了の位置:動詞の後ろか、文末か

Wǒ mǎi le shū./我买了书。
/私は本を買いました。
Wǒ mǎi shū le./我买书了。
/私は本を買うことになりました・本を買う状況になりました。
Nǐ mǎi le shū ma?/你买了书吗?/あなたは本を買いましたか。

同じ「買う」でも、买了书 は動作完了、买书了 は文脈次第で新しい状況の提示になります。
日本語だとどちらも「本を買った」と訳せてしまうので、位置の差が見えにくくなります。

的・得・地の機能差:訳語対応で覚えない

Tā de Hànyǔ hěn hǎo./他的汉语很好。
/彼の中国語は上手です。
Tā shuō Hànyǔ shuō de hěn hǎo./他说汉语说得很好。
/彼は中国語を話すのがとても上手です。
Tā mànmàn de shuō Hànyǔ./他慢慢地说汉语。
/彼はゆっくり中国語を話します。

この3文は、全部が「中国語を話す」に関係していますが、つなぎ方が違います。
他的汉语 は名詞を修飾、说得很好 は動詞の程度、慢慢地说 は動詞の様態です。
日本語の「の・に」で機械的に置き換えると、この差が消えます。
筆者は学習者にこの3つを説明するとき、訳語ではなく「後ろに何が来るか」で見てもらうようにしています。
そのほうが作文の誤用が目に見えて減ります。

比の構文:日本語の「より」に引っぱられない

Wǒ bǐ tā máng./我比他忙。
/私は彼より忙しいです。
Wǒ méi yǒu tā máng./我没有他忙。
/私は彼ほど忙しくありません。
Nǐ bǐ wǒ máng ma?/你比我忙吗?/あなたは私より忙しいですか。

よくある誤りは、我很比他忙 のように副詞の位置を混ぜることです。
比較の骨格は A比B+形容詞 で、程度副詞を入れるならその後ろに置くのが基本です。
まずは短い比較文を反射的に言える状態まで持っていくほうが早いです。

結果補語の意味範囲:動作そのものではなく、その結果までで1単位

Wǒ kàn dǒng le./我看懂了。
/私は見て理解しました。
Wǒ méi kàn dǒng./我没看懂。
/私は見ても理解できませんでした。
Nǐ kàn dǒng le ma?/你看懂了吗?/あなたは見て理解しましたか。

は単独で「わかる」ですが、看懂・听懂 になると「見て理解する」「聞いて理解する」です。
日本語では動詞を分けて考えがちですが、中国語では補語まで含めて意味が決まります。
ここをばらして読むと、読解でも会話でも処理が遅れます。

介詞の前置:日本語の助詞位置をそのまま持ち込まない

Wǒ zài xuéxiào chīfàn./我在学校吃饭。
/私は学校で食事をします。
Tā gěi wǒ xiě xìn./他给我写信。
/彼は私に手紙を書きます。
Wǒ cóng jiā lái./我从家来。
/私は家から来ます。

日本語では「学校で」「私に」「家から」が後ろにつきますが、中国語では動詞の前に並びます。
3級ではこの前置の型を崩さないことが先です。
語順が整うだけで、作文の減点は一段減ります。

パート別対策|听力・読解・作文はこう解く

听力の攻略ポイント

HSK3級の听力は、身近な日常会話を素早く処理できるかが軸になります。
買い物、約束、移動、体調、学校や仕事のやり取りなど、場面そのものは難解ではありません。
ただ、語彙が600語規模まで広がるぶん、知っている単語が出ても反応が遅いと取りこぼしが出ます。
日常会話中心の傾向が示されていますが、実際の対策では「全部を聞き取る」より「設問が何を聞いてくるかを先に知っておく」ほうが点に直結します。

筆者が受験指導でまず徹底するのは、音声が流れる前に設問と選択肢をざっと見て、答えの候補になりそうな情報を絞ることです。
とくに固有名詞、数詞、時間語は狙われやすい箇所です。
人名、地名、曜日、時刻、値段、年齢、回数が見えたら、そこに耳を立てます。
たとえば選択肢に 七点、八点、九点 が並んでいれば、会話全体の意味を一語一句追う必要はありません。
いつの話か、誰の予定か、肯定か否定かだけをつかめば足ります。

ここで効くのが、「知らない単語が出ても引きずらない」訓練です。
筆者自身、独学の初期は一つ聞き取れない語が出るたびにその後の文まで崩れていました。
ところが、未知語をいったん捨てて、主語・述語・数字だけ拾う意識に切り替えると、正答率が安定しました。
HSK3級の听力は推理小説ではないので、一語の意味が抜けても、時間や行動の骨格が取れれば解ける問題が少なくありません。

ミニ例題で見てみます。

男:你明天几点去医院? 女:我本来想七点去,但是医生说八点以后来。 問:女的几点去医院?

正解は「八点以后」です。
根拠は、女の人の最初の予定は七点でも、実際に行く時刻は医者の指示で変わっているからです。
ここで「本来想」は「もともとはそうするつもりだった」という意味で、確定した行動とは限りません。
言い換えると、「予定案」と「最終決定」を聞き分ける問題です。
七点だけを拾うと落とし穴にはまります。

練習法は、長い時間まとめてやるより、短い素材を反復したほうが伸びます。
短文ディクテーションでは、一文だけ聞いて書き取り、抜けた箇所を確認し、もう一度同じ文を聞きます。
次にシャドーイングで、音声の少し後を追いながら発音と語順をなぞります。
聞こえた音がそのまま口から出る状態まで持っていくと、听力と作文の両方に効きます。
とくに数字、時間表現、よく出る動詞の組み合わせは、この反復で定着が早まります。

読解の時間術と設問処理

読解で差がつくのは、本文の難度そのものより、中国語で書かれた設問に慣れているかです。
本文は読めても、設問の問い方に戸惑って時間を失う受験者は多いです。
HSK3級では、何を聞かれているかを中国語のまま処理する回路が必要になります。
「誰について述べているか」「本文と一致するか」「理由は何か」といった問いの型を見慣れておくと、本文に入る前の迷いが減ります。

時間配分の感覚も外せません。
読解は30問を30分で処理する練習が目安になるため、1問に1分以上かける癖がつくと後半で詰まります。
筆者は演習では、まず1問あたり1分で回し、その後は45秒から50秒前後で処理する練習に移すことが多いです。
そうすると本番で見直しの余白が生まれます。
実際、読解で焦る人ほど、難問に粘るより、易しい問題を先に拾ったほうが得点が整います。

処理順にもコツがあります。
筆者が実際に最も時短になったと感じたのは、「問題文→本文→選択肢」の順です。
先に設問を見て、何を探すべきかを決めてから本文に入ると、読む目的が明確になります。
本文を最初から丁寧に読んでから設問を見るやり方だと、必要ない情報まで抱え込んでしまいます。
HSK3級では本文の長さ自体はまだ制御可能なので、探す情報を先に固定したほうが速いです。

未知語の扱いも、完璧主義を捨てたほうが安定します。
知らない語が1つあっても、前後の動詞、主語、接続関係が見えれば、文脈で大筋は取れます。
たとえば「因为」「所以」があれば因果、「但是」があれば逆接、「已经」があれば完了寄りの話だとわかります。
未知語を辞書的に確定しようとすると、時間を失ううえに、他の既知語から取れる情報まで捨てることになります。

ミニ例題を置きます。

问题:根据短文,王老师为什么今天没来学校? 短文:王老师昨天晚上发烧了,今天早上还不舒服,所以去医院了。
选项: A. 因为他太忙了 B. 因为他生病了 C. 因为他去北京了

正解はBです。
根拠は「发烧了」「还不舒服」「去医院了」が一直線につながっているからです。
「没来学校」の直接理由を聞いているので、「去医院了」だけを見て「北京」に引っ張られることはありません。
言い換えると、この問題は「行動の事実」ではなく「欠席の原因」を問うています。
設問の「为什么」を最初に押さえていれば、探す場所は原因表現に絞れます。

本番での立ち回りは、易問先取り、迷ったら飛ばす、残りで戻る、という流れが崩れにくい設計です。
読解は一問ごとの独立性が高いので、前の問題に時間を使いすぎても得になりません。
時間術はテクニックというより、点を落とさないための設計です。

💡 Tip

読解練習では、本文を読み終えたあとに「どの語が正解の根拠だったか」を一言で言語化すると、設問処理の精度が上がります。「所以があったから原因」「已经があったから完了」まで言えれば、次の問題でも再現できます。

作文の並べ替え・穴埋めの型

HSK3級の作文は、自由作文を書く感覚で構えると力が空回りします。
中心になるのは、語を並べ替えて文を完成させる問題と、ピンインを手がかりに漢字を入れる穴埋めです。
ここでは発想力よりも、語順の型と品詞の見分けが点を支えます。
文法セクションで見た基本語順を、試験の手順に落とし込むイメージです。

並べ替えでは、まず述語の中心になる動詞を見つけ、その前に時間・場所・様態を置く、という順で組みます。
中国語は「いつ、どこで、どのように、そのあと何をするか」が比較的素直に並びます。
たとえば時間語があれば前寄り、場所語も述語の前、程度や様態も動詞の前後の決まった位置に入ります。
最初から全部を並べようとせず、骨組みを先に作ると崩れません。

ミニ例題で確認します。

语词:我/在学校/今天/学习汉语

正解は「我今天在学校学习汉语。
」です。
根拠は、主語の後ろに時間、その後に場所、最後に述語「学习汉语」が来る基本語順だからです。
「我在学校今天学习汉语」とすると、時間語の位置が不自然になります。
言い換えると、この問題は単語の意味を問うというより、中国語の文の並び順を見ています。

穴埋めは、空欄を見た瞬間に「ここには名詞が入るのか、動詞が入るのか、形容詞が入るのか」を先に決めるのが先決です。
そのうえで、示されたピンインを漢字に変換します。
ピンインを見てすぐ漢字を当てにいくと、同音語が頭の中で競合して止まりやすくなります。
先に品詞を絞れば、候補が一気に減ります。

たとえば次のような形です。

我每天早上六点(qǐ)床。

正解は「起」です。
「起床」で一つのまとまりを作る動詞だからです。
根拠は、空欄の後ろに「床」があり、ここで必要なのは名詞ではなく動作を完成させる語だと判断できる点にあります。
言い換えると、「qǐ」という音だけでなく、「起床」という固定的な結びつきを使って解く問題です。

筆者は作文対策で、並べ替えと穴埋めを別々に練習するより、例文暗記とセットで回すことが多いです。
たとえば「我今天晚上要去朋友家吃饭。
」「他坐地铁去公司。
」のような短文をそのまま覚えると、語順、介詞、時間語の位置、よく出る動詞の組み合わせが一度に入ります。
HSK3級の作文は、ゼロから文を発明する試験ではなく、正しい型を素早く再現する試験です。
型が体に入っていると、並べ替えでも穴埋めでも迷う時間が減ります。

おすすめ教材と過去問の使い方

公式過去問・サンプル問題

教材選びで迷ったら、まずは公式寄りの素材から固めるのが安全です。
HSK3級は出題形式への慣れが得点に直結しますが、形式慣れだけを先行させると、語彙や語順の土台が追いつかないまま演習回数だけ増えることがあります。
筆者も以前、過去問を早い段階から解きすぎて、「見たことのある型には反応できるのに、少し言い換えられると崩れる」という状態になりました。
点が伸びたのは、仕上げ期に入ってから時間を測って解くことと、解いた後の分解復習に重心を移してからです。

安全ルートとして軸に置きたい候補は、次のようなものです。
で試験の位置づけを確認しつつ、で実際の設問の顔つきを見る。
この2つがまず土台になります。
そこに、信頼できる単語帳、公式の級別語彙、出典が明記された無料単語リスト、形式分析に使う専門メディアの記事を重ねると、学習順序が崩れません。

整理すると、候補は少なくとも次の6系統に分けられます。
特にHSK3級は、語彙数が2級から増えるだけでなく、作文が入ることで「知っている」だけでは足りません。
単語帳を選ぶときも、単語だけ並んだものより、短文例が付いていて語順まで追えるもののほうが、読解と作文の両方に効いてきます。

単語帳・無料リストの選び方

単語帳は、掲載語数の多さよりもHSK3級の対象語彙に沿っているか、例文が短くて反復しやすいか、品詞や使い方まで追えるかで見たほうが精度が上がります。
HSK3級は対象語彙が約600語なので、闇雲に語彙を広げるより、この範囲を先に固めたほうが得点に結びつきます。
筆者は、単語だけを見て覚えるより、「動詞+目的語」「時間語+動詞」「介詞構文」がそのまま入った例文で回したほうが、作文の並べ替えでも崩れにくいと感じています。

無料リストを使うときは、出典が書かれているかを最優先にしたいところです。
無料素材は便利ですが、旧出題基準のまま残っている一覧や、級をまたいだ語が混ざっている一覧もあります。
たとえばゆうきの中国語|HSK3級単語一覧のように、学習用に整理された記事は補助として使えますが、語彙リストはそのまま鵜呑みにせず、最終的には公式や信頼できる級別情報と照らし合わせる、という順番が安定します。
個人ブログ型の無料リストも、抜け漏れ確認には役立ちますが、主教材ではなく補助教材の位置づけが合っています。

単語帳選びで見たいポイントは3つあります。
ひとつ目は、中国語と日本語だけでなく例文が付いていることです。
ふたつ目は、ピンインと漢字を往復できる構成になっていることです。
みっつ目は、音声かリズム確認の手段があることです。
HSK3級では听力・読解・作文が分かれて見えても、実際には同じ語彙が形を変えて出てきます。
音でわかる語が増えると听力で拾え、例文で覚えた語順は作文で再現でき、意味のまとまりで覚えた表現は読解で処理が速くなります。

無料リストの使い道は、主教材の代替ではなく照合と穴埋めです。
市販の単語帳を1冊軸にし、無料リストで「未定着語だけ印をつける」「似た意味の語を見比べる」「自分の抜けやすい語を集め直す」といった使い方にすると、情報が散らばりません。
逆に、複数の無料リストを渡り歩く学習は、覚えた気になっても再現性が残りにくい設計です。
語彙の学習量としては、2級から3級に上がる段階で新たに約300語を積む必要があるので、1日10〜20語の新出語に絞り、復習を重ねながら6〜12週間の中で固める進め方だと無理が出にくい設計です。

過去問とサンプル問題の本領が出るのは、本番の2〜3週間前です。
この時期に入ったら、教材の役割を「知識を増やす」から「点の取り方を整える」に切り替えます。
ここでおすすめしたいのが、週末に模試タイムブロックを置くやり方です。
90分をまとめて確保し、听力から読解、作文まで一気に通します。
机に向かう時間を細切れにするより、本番の順番と集中の波を再現したほうが、自分の失点パターンが見えます。

流れは単純です。
まず時間を測って本番形式で解きます。
次に、合計点だけで見ず、听力・読解・作文のどこで落としているかに分けます。
HSK3級は3技能が各100点なので、ここを技能別に見ないと対策がぼやけます。
読解なら「語彙不足で止まったのか、設問処理が遅いのか」、作文なら「語順で崩れたのか、ピンインから漢字が出なかったのか」、听力なら「語を知らないのか、知っているのに音で拾えていないのか」まで分解します。

そのあとに入れるのが、弱点補強ドリルです。
読解で止まるなら、短文問題だけを集中的に解いて根拠語を拾う訓練をする。
作文で崩れるなら、並べ替えだけを数日まとめて回し、同時に例文暗記を差し込む。
听力で落とすなら、単語帳の音声や例文を使って、見ればわかる語を聞いても取れる状態まで戻します。
ここで再び模試を解いたら、前回と同型の問題で再演習し、修正が定着したかを確認します。
この本番形式→技能別分解→弱点ドリル→同型再演習の循環が、仕上げ期の伸びにつながります。

筆者の実感では、過去問は数をこなした人より、1回ごとの復習が深かった人のほうが得点が安定します。
早い時期に解きすぎると、問題の顔だけ覚えてしまい、土台が薄いまま先に進みがちです。
逆に、仕上げの2〜3週間で時間計測を入れ、誤答の理由を言語化してから類題を解き直すと、「なぜ外したのか」「次にどう処理するのか」がはっきりします。
形式慣れは確かに必要ですが、得点を動かすのはその後ろにある復習の質です。

⚠️ Warning

週末の模試タイムブロックでは、解いた直後に丸つけだけで終えず、誤答を「語彙」「文法」「設問処理」「時間配分」のどれで落としたか一言で残すと、翌週の補強内容が決まります。

初週のやること

2〜3か月でHSK3級を形にするなら、最初の1週間は「頑張る週」ではなく、「学習の土台を測って組み直す週」と捉えるのが合っています。
筆者なら、まずサンプル問題を1回通して解きます。
ここでは点数そのものより、どこで止まったかを見ます。
聞いても意味がつながらないのか、読んでいて語彙で詰まるのか、作文で語順が組めないのか。
この分類が曖昧なまま勉強を始めると、単語ばかり増えても得点が動かない状態になりがちです。

HSK3級はHSK日本公式でも対象語彙が約600語とされているので、初週ではこの600語を一気に見渡し、知っている語・見たことはあるが出てこない語・初見に近い語に分けます。
2級から上がってくる人なら、追加で埋める語彙がある程度まとまって見えるはずです。
ここで役立つのは、完璧な暗記ではなく「未定着語の棚卸し」です。
未定着語を洗い出したら、1日10〜15語、週60〜90語のペースで進度を切ります。
新しい語ばかり追うと定着が薄くなるので、配分は新規3に対して復習7くらいがちょうどよく、翌日・3日後・1週間後に戻る前提で回すと記憶が残ります。

この時点で、平日の学習時間も仮決めしておきます。
筆者の経験では、平日に細く長く積み、週末にまとまった演習を入れる二層構造が、社会人にも学生にも続きやすく、結果も安定しました。
平日に毎日全部やろうとすると息切れしやすく、逆に週末だけに寄せると語彙と音の接触回数が足りません。
初週でこの型を作っておくと、学習の迷いが減ります。

⚠️ Warning

週末の模試では、解いた直後に丸つけだけで終えず、誤答を「語彙」「文法」「設問処理」「時間配分」のいずれで落としたかを必ず分類してください。分類結果が翌週の補強内容を決めます。

週間ルーティンの型

週間ルーティンは、毎日同じ量をこなすより、役割を分けたほうが崩れません。
平日は語彙と文法の維持、週末は本番形式への接続、という分担にすると、学習が点ではなく線でつながります。
筆者なら平日は、単語学習に加えて、例文音読と短い文法ミニドリルを入れます。
HSK3級では語彙だけ覚えても、並べ替えや読解で語順が崩れる場面が出るので、単語を文の中で扱う時間を毎日作るほうが効率が高いです。

通勤や移動の時間は、音声復習に回すと無駄がありません。
とくに听力は、机で問題を解く時間だけでは足りず、見ればわかる語を「音でも拾える状態」に変える必要があります。
短い例文を何度も聞き、意味が浮かぶまで回すだけでも、聞き取りの反応速度が変わってきます。
中国で仕事をしていた頃も、会話力を押し上げたのは長時間の勉強より、短い音声への反復接触でした。
HSK3級の听力でも、この感覚はそのまま通用します。

週末には、過去問またはサンプル問題を1セット、時間を測って解きます。
GlobalExamなどで整理されているように、HSK3級は全80問で進むため、まとまった演習では集中力の配分も含めて慣れておきたいところです。
解いた後は丸つけだけで終わらせず、誤答を听力・読解・作文に分け、さらに「語彙不足」「文法の理解不足」「時間切れ」「設問処理のミス」に切り分けます。
この分解があると、翌週の平日に何を補うべきかが決まります。

4週目、6週目、8〜10週目には、見るべき基準を置いておくと進み方がぶれません。
4週目では語彙の想起率、6週目では過去問スコアが180点前後で安定するか、8〜10週目では弱点セクションを重点補強して、ひとつのパートでさらに積み増せるかを見ます。
HSK3級は听力・読解・作文が各100点なので、総合点だけでなく、どのパートを伸ばすと合格ラインを超えて安定するかが読みやすい試験です。
たとえば読解が先に整う人もいれば、作文の語順ミスを減らすだけで点がまとまる人もいます。
ルーティンは固定しつつ、重点の置き方はスコアに応じて動かすのが実戦的です。

💡 Tip

週末演習の直しでは、誤答を書き写すより「知らない語だった」「語順を逆に読んだ」「時間をかけすぎた」と失点原因を短く残すほうが、次週の修正に直結します。

直前2週間の追い込み

試験直前の2週間は、新しいことを増やす時期ではなく、点につながる動作を整える時期です。
ここで語彙帳を最初から広げ直すより、未定着語と頻出パターンを絞って回したほうが本番の再現性が上がります。
筆者なら、まず听力の接触頻度を上げます。
長時間まとめて聞くより、短時間のシャドーイングを高い頻度で入れるほうが、耳と口が早く馴染みます。
1文ごとに止めて、音をなぞり、意味まで一緒に出す。
この作業を細かく繰り返すと、音声がただの音の流れではなく、知っている語のまとまりとして聞こえてきます。

読解では、難問に粘る練習より、易問を先に取り切る流れを確認しておくと安定します。
読解演習の目安として30問を30分で処理する感覚があるので、1問に引っかかりすぎると後半が崩れます。
直前期は、全部を深く読むより、設問を見て必要な情報を拾う順番を再現するほうが本番向きです。
文章を完璧に訳そうとする癖がある人は、この2週間で「取る問題を先に取る」切り替えを体に入れておくと失点が減ります。

作文は、直前ほどテンプレート確認の価値が出ます。
HSK3級の作文は自由記述を長く書く試験ではなく、並べ替えや基本的な構文操作への対応力が問われます。
そこで、よく出る語順をパターンとして持っておくと、本番で迷う時間が短くなります。
たとえば、時間語をどこに置くか、動詞と目的語をどう固めるか、介詞構文をどう並べるか。
このあたりを例文単位で再確認しておくと、知っている単語なのに文が組めない、という事故が減ります。

この2週間で目指す形は、全体の底上げというより、弱点パートにあと10点を積む感覚です。
6週目の時点で合格ライン付近まで来ているなら、直前期は総花的に触るより、落とし方が決まっている箇所を潰すほうが得点は動きます。
平日コツコツの積み上げに、週末の本番形式を重ねる流れがここで効いてきます。
毎日少しずつ音・語順・語彙に触れて、週末に本番の形へつなぐ。
このリズムができている人ほど、直前に焦って勉強を増やさなくても、点の取り方が崩れません。

2026年以降どうなる?HSK3.0との関係

現行対策を優先すべき理由

制度が切り替わる話題が出ると、「今は受けるべきか、それとも新制度を待つべきか」で手が止まりがちです。
ただ、この時期にまず置くべき軸は明確で、現行の1〜6級を受ける予定なら、当面は現行形式で合格点を取る準備を優先することです。
この記事全体も、その前提で現行HSK3級の対策に絞って書いています。

理由はシンプルで、試験制度が変わっても、得点の土台になる力まで入れ替わるわけではないからです。
HSK3級で求められるのは、語彙を見て意味が浮かぶこと、基本的な文法で語順を崩さないこと、短い中国語を聞いて内容を取ること、そして与えられた形式で処理することです。
制度移行の情報ばかり追うと、学習の中心が「何が変わるか」に寄ってしまいますが、実際に点を動かすのは「今の形式で解けるか」です。

筆者自身、制度の切り替わりが話題になる時期は、学習者が迷うのを何度も見てきましたし、自分でも「待ったほうが得ではないか」と考えたことがあります。
それでも実感として残っているのは、現行形式で得点できる基礎体力は、次の制度でもそのまま資産になるということです。
単語を定着させる力、語順を見抜く力、聞いて処理する反応速度は、名称や枠組みが変わっても消えません。
逆に、制度情報だけ追って基礎の定着が薄いままだと、どの形式でも伸びが鈍くなります。

前のセクションまでで扱ってきた学習計画、語彙の積み上げ、听力・読解・作文の回し方は、あくまで現行HSK3級を受ける人に向けたものです。
移行期でも学習の順番は変えず、まずは現行形式で合格可能な状態まで仕上げる、という見方で読むのがぶれません。

HSK3.0の概要

ここでは制度改訂の情報も整理しておきます。
複数の公的・専門解説が示すところでは、HSK3.0 に関する国際試行が2026年1月に実施された/報告されたという情報や、本格導入が2026年中に進む見込みが言及されています。
制度情報は変わりやすいので、受験計画は「受ける回の公式要項に合わせる」ことを優先してください。

HSK3.0の情報は把握しておいて損はありませんが、現行HSK3級の受験日が見えている段階では、「新制度の予測」より「現行形式の再現」に時間を使ったほうが点数に直結します。

制度の説明だけを見ると、新しい基準に備えるほうが先に見えるかもしれません。
ですが、現行3級の学習範囲である語彙、基本文法、短文処理、作文の語順操作は、新制度の有無にかかわらず外せない領域です。
引き続き現行HSK3級を主軸に据えます。

受験計画の立て方と確認項目

受験計画を組むときは、まず自分が受ける回が現行形式の回として案内されているかを基準に考えると整理しやすくなります。
制度移行期は、同じ年でも会場や実施時期によって案内の出し方がそろわないことがあり、先に「新制度に寄せた勉強をするか」から考えると計画がぶれます。
先に受験回を決め、その回の形式に合わせて教材と演習を固定するほうが、日々の学習内容が安定します。

確認しておきたい項目は3つあります。
1つ目は、受験予定回の試験要項に記載された試験形式です。
2つ目は、筆記だけを見るのか、関連する実施条件まで含めて案内が出ているのかです。
3つ目は、国内会場ごとの運用情報です。
2026年前後は切り替えの時期にあたるため、日本国内でも一律に同じタイミングで動く前提では考えないほうが混乱しません。

学習計画の面では、受験日が現行形式の回なら、これまで組んできた2〜3か月の流れをそのまま当てはめて問題ありません。
語彙の定着、読解の時間感覚、作文の語順処理、听力の反応づくりという流れは、その回で点を取るために必要な順番だからです。
制度移行の情報を気にして学習内容を途中で切り替えると、演習の蓄積が分断されます。
現行形式で受けるなら、現行形式の模試と過去問で仕上げる。
その一貫性が、移行期ほど効いてきます。

記事全体としても、ここで扱っているのは現行HSK3級に合格するための対策です。
HSK3.0 に関する国際試行や導入見込みの報道は存在しますが、運用時期や会場ごとの扱いは地域によって異なる可能性が高く、日本国内での実施要項は各回ごとの公式案内を確認する必要があります。
受験計画を立てる際は、編集側で運営団体(一次ソース)の最新告知を確認し、各会場の案内に従ってください(注:制度情報は変わりやすいため、公式告知を優先してください)。

HSK3級の听力でよく起きるのが、ピンインは見ればわかるのに、耳で聞くと声調を落として処理してしまうことです。
これをやると、同音異義の取り違えが一気に増えます。
とくに日常語が中心の3級では、数字、曜日、時間、値段のような頻出語が似た音で並ぶため、声調を無視したまま聞く癖があると、知っている単語でも点に結びつきません。

たとえば「四」と「十」を曖昧に聞く学習者は多いです。
音だけ追っているつもりでも、実際には母音だけを拾っていて、声調と子音の違いが抜けています。
短い会話ほど文脈補正が効かないので、ここで崩れると一問ごと落とします。

ミニ例文で見ると感覚がつかめます。
shí diǎn kāi huì./十点开会。
/10時に会議が始まります。
sì diǎn xià kè./四点下课。
/4時に授業が終わります。

この2文は、意味は難しくないのに、音の識別が甘いと取り違えます。
筆者が実務でも学習指導でも感じるのは、听力は「知識不足」より「音の処理不足」で止まる場面が多いということです。
数詞や時間語を集中的に回すだけで、正答率が目に見えて安定する人は珍しくありません。

対策として効いたのは、例文ごとのシャドーイングを、意味確認だけで終えず、声調までなぞることでした。
単語単体の発音練習よりも、「主語+時間+動詞」の短文で口に出したほうが、本番の音声と結びつきます。
とくに「几点」「星期几」「多少钱」の周辺語は、まとまったかたまりで反応できる状態まで持っていくと、听力の取りこぼしが減ります。

文法の典型エラー

文法で点を落とす人には、毎回似たパターンがあります。
代表的なのは、的・得・地の混同、了の位置ミス、比構文の語順誤りです。
ルール自体は覚えていても、問題で並べ替えになると急に崩れます。
ここで起きているのは、理解不足というより運用の詰まりです。
筆者自身、学習時に「説明を読めばわかるのに、設問では外す」という時期がありましたが、そのとき効いたのは文法カードを“正→誤→正”で並べる誤り訂正練習でした。
正しい文を見るだけより、どこが崩れるのかを先に可視化したほうが、頭に残ります。

まず、的・得・地は役割で分けると整理できます。名詞を修飾するのか、補語を導くのか、動作の様態をつなぐのかで見分けます。ここを感覚で処理すると混線します。

ミニ例文は次の形です。
tā pǎo de hěn kuài./他跑得很快。
/彼は走るのがとても速いです。
tā mànmàn de zǒu./他慢慢地走。
/彼はゆっくり歩きます。

次に多いのが、了の置き場所です。動作の完了を言いたいのに、文末の了と動詞直後の了を混同して不自然な文になります。

wǒ chī le fàn./我吃了饭。/私はご飯を食べました。 xiàyǔ le./下雨了。/雨が降ってきました。

この2つは同じ「了」でも働きが違います。動作の完了なのか、状況の変化なのかを分けて覚えないと、並べ替えで迷います。

比構文も3級では崩れやすいところです。
日本語の語順で考えると、「私は彼より中国語が上手です」をそのまま写したくなりますが、中国語では比較の軸を先に置く必要があります。

wǒ bǐ tā gāo./我比他高。/私は彼より背が高いです。 jīntiān bǐ zuótiān rè./今天比昨天热。/今日は昨日より暑いです。

対策は、文法項目を「意味」でなく機能ごとに色分けすることです。
筆者は、修飾は一色、補語は一色、変化は一色という形でノートとカードをそろえたところ、頭の中の混線が減りました。
さらに、1項目につきミニ例文を1枚のカードにして、日本語面を見て中国語を言い直す練習にすると、文法が説明知識で終わらず、設問処理に移ります。

語彙定着の落とし穴

HSK3級は語彙が増える段階なので、単語単体の暗記だけで押し切ろうとして“使えない語彙”を量産するのが典型的な失敗です。
意味を見ればわかるのに、文にすると出てこない。
読解では見覚えがあるのに、作文では並べ替えの材料として働かない。
こうなると、覚えた数のわりに得点が伸びません。

たとえば「因为」を「なぜなら」や「〜なので」とだけ覚えても、後ろに何をつなぐかまで体に入っていなければ実戦で止まります。
語彙は、意味ラベルではなく、前後関係ごと記憶したときに初めて使える状態になります。

ミニ例文で確認すると差が出ます。
yīnwèi wǒ hěn máng, suǒyǐ wǒ jīntiān bù qù./因为我很忙,所以我今天不去。
/忙しいので、今日は行きません。
tā zhèngzài xué Hànyǔ./他正在学汉语。
/彼は中国語を勉強しているところです。

「正在」を単語帳で見て意味だけ答えられても、文中で使えなければ定着したとは言えません。
筆者は、HSK3級の語彙量は、詰め込みだけなら短期でも一周できますが、実際に得点へ変えるには例文ごと反復して、日本語から中国語へ想起する段階が欠かせないと感じています。
読むだけの復習では、見たときの理解は上がっても、書く・並べる・聞いて反応する力に変わりません。

このタイプの対策は単純で、単語カードの表を日本語、裏を中国語の例文にします。
1語1訳ではなく、1語1文です。
たとえば「已经」なら「私はもう食べました」、「一起」なら「いっしょに行きましょう」という形で、すぐ使う文に乗せます。
語彙が文法とつながるので、読解と作文の両方で効きます。

試験運用のミス

模試では取れるのに本番で崩れる人は、知識より時間配分と解く順番で失点しています。
前述の通り、HSK3級は各パートの配点が並んでいても、実際の処理感覚は同じではありません。
聞き逃しが許されない听力、テンポが問われる読解、語順の正確さが要る作文を、何となくの配分で回すと、後半で焦りが出ます。

筆者が見てきた失敗例で多いのは、読解で一問に粘りすぎて、作文の見直し時間を削ることです。
実力不足に見えても、実際には手順の問題であることが少なくありません。
いわゆる“わかるのに解けない”状態は、この運用で起きます。
知っている文法を時間内で取り出せなければ、得点上は知らないのと同じになります。

ミニ例文そのものは難しくなくても、焦ると語順処理が崩れます。
wǒmen xiān qù túshūguǎn, ránhòu qù chīfàn./我们先去图书馆,然后去吃饭。
/私たちは先に図書館へ行って、そのあと食事に行きます。
tā méi lái, yīnwèi tā shēngbìng le./他没来,因为他生病了。
/彼は来ませんでした。
病気だったからです。

本番でこの程度の文を取りこぼすなら、文法知識ではなく処理順が乱れています。
対策として有効なのは、模試の段階で「易問を先に取る、迷う問題は飛ばす、残り時間で戻る」という流れを固定することです。
頭で理解するだけでは足りず、時間を測って繰り返し、体がその順番で動くところまで持っていく必要があります。

💡 Tip

文法カードの誤り訂正練習と模試の手順固定を組み合わせると、「知っているのに間に合わない」が減ります。知識を増やす前に、既に持っている知識を正しく出す回路を整えるほうが、得点は先に動きます。

試験は知識の量だけで決まるわけではありません。
HSK3級では、短文を見てすぐ語順を直せるか、耳で聞いてその場で意味を取れるか、迷った問題から離れられるかが点差になります。
ここが整うと、同じ学習量でも結果が変わってきます。

まとめ|合格に直結する行動チェックリスト

合格が近い人は、知識量そのものより本番で出せる形に整理できているかで差がついています。
確認したいのは、配点と合格基準を口に出して言えること、語彙の進捗を数で追えていること、頻出文法の中核を自分の言葉で説明できること、そして听力・読解・作文に手順があることです。
そこまで整ったら、時間を測った過去問演習で運用精度を仕上げれば、得点は安定してきます。

次にやることは絞れます。

  • サンプル問題で現在地を確認し、止まった語をその場で抜き出す
  • 未定着語を毎日積み上げつつ、作文の並べ替えを日課にする
  • 仕上げ期は本番形式の演習を回し、手順を固定する

シェア

中村 大輝

中国現地企業で5年間勤務。HSK6級・中検準1級取得。文法の体系的整理とビジネス中国語の実践的な解説に強み。

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